星新一のレビュー一覧

  • これからの出来事
    怪奇譚と幻想譚が入り乱れ、意識の深層にもぐり込むようなショートショートが21本収められている。表題作「これからの出来事」は、どことなく『マトリックス』に通じている気がする。いま生きて感知している自分の体や世界は、もしかして本物じゃないのでは……と疑念を持たせる秀逸な一遍。
  • エヌ氏の遊園地
    内容紹介にも記述があるように、ユーモア重視のショートショートが多く納められている。それゆえ、ブラック成分や厭世観はやや薄め。所収作品の中では、おそらく落語をベースにしたのであろう、トントン拍子に進んで笑えるオチがつく「うらめしや」が特に面白かった。
  • ノックの音が
    最初の一行が「ノックの音がした」で統一された15本のショートショート集。全ての話で、途中から「もしかしてこうなんじゃないか?」と思わせておき、そこから二捻りさせての「うわ、そうきたか!」という驚きが味わえる。ミスリード作劇の教科書のような逸品。
  • おせっかいな神々
    神様の気まぐれか運命のイタズラか、ふとした拍子に日常をはみ出してしまった人たちの悲喜こもごもが、ギュッと凝縮されている。個人的にイチオシは、敢えて真相がボカされたまま終わる結末が味わい深い「箱」ですかね。
  • どこかの事件
    タイトル(表題作のタイトル)がズバリ内容を表している。サラリーマン、主婦、夫婦、カップル……どこにでもいそうな人間が遭遇する、どこででも発生しそうな怪奇事件の数々に、言いようのない怖さを感じた。
  • ひとにぎりの未来
    星新一が類まれなイマジネーションで描き出す、未来像のひとピースたちが40編。「科学が進歩したら、我々は何を得て、何を失うのか」。そんな問いかけが聞こえてきそうな読後感であった。
  • 夜のかくれんぼ
    作家志望者が思いつく「意外な発想」「驚くようなどんでん返し」「人間の心の闇を抉る」系のアイデアは、全て星新一が書ききってしまっているのだ。嗚呼……
  • 竹取物語
    日本人ならだれでも知ってるかぐや姫
    世界で最も古いSFではないかといわれている1000年以上も前の日本の古典をSF界の第一人者、星新一さんが忠実に現代語訳にいどんだ名訳著!(表紙カバー折曲げ部分記載文引用)
    章の終わりごとにある星新一さんの「ちょっと!ひと息」で
    物語のつづきをいかにして読ませようと...続きを読む
  • 宇宙のあいさつ
    爆笑問題カーボーイのショートショートショートを聞いてて久々に読みたくなった。お手軽に楽しめて爽快で考えさせられる。
  • ノックの音が
    ノックの音がしてはじまる物語が5つくらい収録されてる。SF視点のヒューマンドラマ。颯爽と視点を裏切っていくショートショートの世界をご覧あれ。
  • マイ国家
    星新一のショート・ショートという病気にかかったのは『きまぐれロボット』を読んだ頃だったけれど、この本を読んで、病状が悪化した気がする。
    SF、つまりは架空の話なんだけど、時々「ギクッ」とさせられる。
    私はよく「現実がSFに追いついた」という表現を使うけれど、星新一の作品は、「現実とSFが並んで走って...続きを読む
  • 地球から来た男
    初めて読んだ星新一作品。

    読んでいる間は、ほんの一瞬、今いる自分の世界とは違う、別の世界へ意識が飛び、不可思議な出来事を垣間見ているような気分になりました。

    さも当たり前のように行われている会話や動作には、読者の視点では何とも奇妙で不可解なことばかりなのに、実際には、こんなことが日本の何処かで本...続きを読む
  • 妄想銀行
    一つ一つがすごく短いのでとても読みやすい。内容はシュールというか、ブラックなのが多めかな。でも、今から30年以上前に書かれたと思うとびっくりする。星新一さんって頭よかったんだなって。
  • 明治の人物誌
    固そうな表紙と題名で手に取るのを躊躇うには非常に勿体無い作品。星新一による明治の偉人伝記。
    とにかく今の政治家に幻滅している人はこれをぜひとも読んで欲しい。すごく元気が出る。
  • 声の網
    連作形式の長編。電話の進化系のような描写ながらコンピュータも接続され、現在のインターネットを予見していると評判の小説です。相互接続されたコンピュータ群(人工知能)が意識を持ち始め人間を学びつつ徐々に支配していく。著者の凄まじい想像力に畏怖する名作です。
  • ブランコのむこうで
    子供に読ませたい小説として最適。
    中学の時に、なにげに勧めた友達が大絶賛していたのがいまだに記憶に残っている。
  • 妄想銀行
    オイラの星新一ショートショートランキング第1位の「鍵」が入ってるだけで、この本は読む価値がある。
    他の作品も面白いが、なんといっても「鍵」!これに尽きる。
  • 人民は弱し 官吏は強し
    大学時代より、関心を寄せて来た「官と民の在り方、連携の仕方」を表したようなタイトル『人民は弱し 官吏は強し』に惹かれて、購入。内容も詰まった伝記本であった。
  • かぼちゃの馬車
     ほかの単行本のあいまあいまに少しずつ読むには、星新一さんの薄い文庫はまことにもってこいです。電車内で単行本を読み終えたその時間のすきまにピッタリはまります。
     この文庫も??な作品がたくさんでしたが、中でも、「質問と指示」という妖精のお話が秀逸でした。なんどもエヘヘと笑いをもらしてしまいました。
    ...続きを読む
  • 夜のかくれんぼ
    初の星新一!何とも言えない後味の悪さにワクワクさせられてページをめくる手が止まらなかった。映像作品や演劇でも見てみたいなと思った。