私が星氏のショートショートと出会ったのは中学の教科書に収められていた「友好使節」だった。本書はそれを含んだ作品集で、実に切れ味鋭い作品が並ぶ。
特に「友好使節」から入った私はいわゆるアイロニックな笑いを求めた軽みが星氏の持ち味と思っていたが、本書に収録された「処刑」のストイックさと荒寥感に驚いた。氏
...続きを読むの作品の中でも一、二を争う長さだろうこの作品のなんとも云えない怖さと虚しさに胸を打たれたのだ。
また「探検隊」は美談として『南極物語』というタイトル映画化された実話を星氏なりの皮肉な視点で描いた作品。
その他の作品も粒ぞろい。
それよりもいまだに絶版になっていないことを喜ぼう!