城のなかの人

城のなかの人

528円 (税込)

2pt

――城が愛してくれたのは、このわたしだけのはずだ。絢爛たる人工の色彩のなかで育った秀頼にとって、大坂城のなかだけが現実であり、安らぎにみちた世界であった。だが、太閤が逝ったあと、母である淀君がすべてをとりしきり、関白になるためだけの優雅な公卿教育を受けてきた秀頼が、恵まれていたといえるだろうか。旗印(権威の象徴)としてしか生きられない己の青春。異常な人間関係のなかで秀頼の苦悩、滅びの人生を描いた表題作ほか、「はんぱもの維新」など四篇収録。

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城のなかの人 のユーザーレビュー

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    購入済み

    やっぱり星新一ワールド

    2021年07月09日

    いろいろな歴史小説を読んできたし、星新一ショートショートも読んでいたが、盲点で今まで読んでいなかった本。
    SFではないのだが、不思議な感覚やら、あっと驚く展開、気持ちよく読み進めることができました。
    取り上げている人物も、超有名人ではなく、絶妙な人選だったのも良かった。

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    Posted by ブクログ 2018年01月08日

    SFの巨匠として名高い星新一の時代小説を集めた作品集。戦国時代の終焉を豊臣秀頼の視線で描いた「城のなかの人」から開幕し、奇妙な親子関係が織りなす成り上がりストーリィ「春風のあげく」、時代劇の悪役の定番・由比正雪に意外な人物がからむ「正雪と弟子」、SFショートショートに近い味わいを持つ「すずしい夏」を...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年05月28日

    短編やSFで有名な著者の歴史小説。これがまた面白い。どうしてかというと、SF短編と同じく一本のテーマが軸として物語をしっかりと貫いているからだ。それゆえに横にそれず救われない物語もあるのにある意味爽快感を味わえるという一冊。また、時代の空気や人の繋げ方が見事で、こう来たのかと唸らされる。

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    Posted by ブクログ 2010年09月28日

    2010年09月 03/73
    ショートショートの星さんの歴史小説。
    期待以上の傑作ぞろい。特に豊臣秀頼を描いた「城のなかの人」は必読。

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    Posted by ブクログ 2009年11月20日

    豊臣秀頼とか名もなき藩とか、史実創作どちらも読めます。そしてどれも面白い…!!! この人の時代小説も凄く好きです。本当にショートショートって技術ないと書けないジャンルなんだなぁと普通の小説読むと痛感させられますね。星新一さん大好きですvvv

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    大好きな星新一氏が書いた時代小説というので飛びつきました。

    面白いです。星ワールドなのに時代小説w
    秀頼の話、由井正雪の話、小栗上野介の話などなど5話短編集。

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    Posted by ブクログ 2023年06月09日

    SFの印象が強い星新一の歴史小説集ということで気になりよんでみた。戦国最後の戦から始まり江戸時代の3つのエピソード、最後に幕末の動乱の始まりが語られる時系列に沿った配列になっている。

     表題作である「城のなかの人」特に気にいった豊臣秀頼の生涯を描いた小説だ。激動ながらも静かな秀頼の人生を、彼と関わ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年05月22日

    星新一氏の歴史物は初めて。本人の自伝的要素もあるという表題作については、星新一氏のことをよく知らないのでなんともいえないが、秀頼の考えとして、あり得る話だし、面白いと思った。由井正雪と文左衛門の想像力などはさすが。

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    Posted by ブクログ 2022年03月06日

    星新一のショートショートはかなり読んでるが、時代小説は初めて読んだ。
    「城の中の人」城の中が全世界だった秀頼を、秀頼視点で描く。
    「周りの者が自分を見る眼は"旗印"を見る眼だ」という秀頼の思いは、星製薬の御曹司だった星新一(浅場通明「星新一の思想」)の思いとも通ずるのだろう。

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    Posted by ブクログ 2021年03月30日

    星新一さんといえば、SFのイメージがありますが、本書はそんな星さんの珍しい(?)時代モノ短編集です。
    5編が収録されていますが、どの話も展開の絶妙さといいますか、持っていき方が上手くて、皮肉の効いたオチとなっております。
    第四話「すずしい夏」は、内容的に結構残酷で、正直、地獄なのですが、展開の仕方が...続きを読む

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