星新一のレビュー一覧

  • マイ国家
    星新一の変遷がこの一冊でわかる。多分今まで読んだ作品は比較的新しい(晩年に近い)ものだったのだろう。簡潔明瞭な叙述は研磨されたものだったんだな。星新一の物語って匿名性が高いんだね。それは無駄な記載が一切ないことの裏返しで。だからどこかしら童話のような普遍性も帯びている。この人の才能がそうさせたんだと...続きを読む
  • 声の網
    現代でも通用する内容かつ、これが1970年代に書かれた作品と知り、もう一度読むと、驚かされること間違いなし。読みやすく、短編集となっているので、ゆっくり読めるので待ち時間などにおすすめ。
  • 白い服の男
    『特殊大量殺人機』各人が所有しているだけで相手を牽制できる点が面白い。

    新潮文庫版『午後の恐竜』と作品名の載せ方のレイアウトや作品の収録数に似通ったところがあるなと気付いたが、早川書房版『午後の恐竜』の後半10編を収録したから、新潮文庫版『午後の恐竜』と同じレイアウトにしたのかなと思案。
  • ひとにぎりの未来
    『古びた旅館で』『にこやかな男』『成熟』『爆発』『かくれ家』『感謝の日々』『番号をどうぞ』『はい』『自信にみちた生活』『涙の雨』がお気に入り。

    『爆発』を読んで、世にも奇妙な物語の『水を預かる』を思い出しました。
    『はい』の世界まであと2年。
  • ちぐはぐな部品
    『凍った時間』『変な侵入者』『神』『ネチラタ事件』『鬼』『出入りする客』『壁の穴』がお気に入り。

    『壁の穴』このナイフすごく欲しい!
  • 盗賊会社
    『雄大な計画』

    『新しい社長』

    『名案』

    『ぼろ屋の住人』

    『渋滞一掃』

    『あるロマンス』

    『明日は休日』

    『盗賊会社』

    『殺され屋』

    『あわれな星』

    『やっかいな装置』

    『程度の問題』

    『趣味決定業』

    『装置の時代』

    『気前のいい家』

    『最初の説得』

    『仕事の不満』...続きを読む
  • おせっかいな神々
    星さんの本はどれも素晴らしいですが、このお本もかなりクオリティの高いストーリーが多い。そのうえ全て読み終えるとタイトルの「おせっかいな神々」が上手いなるほど!と思えるからなお気持ちがいい。はじめから用意してあったタイトルなのだろうか?結果的には作品集としての纏りも感じる。一番好きな作品は「箱」とても...続きを読む
  • 白い服の男
    皮肉、社会風刺が強めに思います。子供にも読める星新一の掌編はたくさんありますがこれは大人向けでしょう、白い服の男。
  • つぎはぎプラネット
    星新一の未収録作品、入手困難作品などが収められ、デパートの広告や、企業の広報誌に載った作品も含まれます。子ども向けのお話も多数ありますが、子ども向けと言っても、切れ味の良さは変わりません。個人的には、「知恵の実」と「魅力的な噴霧器」が面白かったです。収集にあたっての苦労話も解説に書かれており、読み応...続きを読む
  • つぎはぎプラネット
    久しぶりに星さんの作品を読んだが、この方の発想力は素晴らしいものがある。1篇読んだだけでもそのすごさがわかると思うが、この作品数を考慮して読むとなおさら実感する。本当にこれから起こり得そうなことが書かれているものもあったが、これを最近ではなく何十年も前に執筆しているというのが本当にすごい。
  • 夢魔の標的
    ショートショートが有名だが私は長編もオススメしたい。ショートショートでは味わえない、何が現実なのか、何が幻想なのか、判別のつかない不可思議な世界にじわじわと惹きこまれていく。この作品も全てが幻想と切ることも出来るのだが、そうしたくない魅力がある。
  • おのぞみの結末
    「親しげな悪魔」が一番気に入った。人間の私利私欲が一番、悪魔の所業に近いかもしれないな。悪魔はそそのかすだけで事足りる。その誘惑に負けさえすれば、誰でも悪魔になり得る。これは星新一作品でも往々にして出てくる思想であると思う。
    0から有は生まれない。0からエネルギーは生まれない。何かが消費され犠牲にな...続きを読む
  • つぎはぎプラネット
    様々なテーマによるショートショートが集まっていて、それぞれの短編が掲載された最終的な目的やテーマを知ったとき、思わず唸ってしまうようなスパイスがあったり、心がほっこりするようなものもあり、マイペースに楽しく読んだ。SF川柳・都々逸も、後から本人のツッコミがありおもしろかった。
  • つぎはぎプラネット
    星新一の様々な年代の未収録の作品をまとめた文庫。
    年代がばらけているし、発表している媒体も様々なので、作品の面白さはまちまちです。
    が、(私にとっては)新作を今になって読めるとは思っていなかったので、これらを集めた努力に敬意を評します。
    ありがとうございます。
  • ひとにぎりの未来
    半世紀も前に書かれた話だが、今でも未来観としては共有できる部分が多いのではないかと思う。コンテナの話とか。

    人口が爆発的に増えすぎた世界の話が10年以上前に読んだときから引っかかっていた。当時の社会が人口、経済活動ともに成長期にあったからこその話で、今の世の中ではそのような未来観は生まれないだろう...続きを読む
  • にぎやかな部屋
    高利貸しの主人、占い師の夫人、一人娘の3人が住む
    マンションの一室の中で繰り広げられる星さんの戯曲。

    家族3人に客のふりをして訪れた相談者、詐欺師、強盗、それぞれ
    一人一人の背後についている白およびブルーの濃淡の霊魂。

    バラバラでまとまりのない家の中で陽気で勝手な人々。
    辛い、悲しい、退屈と嘆き...続きを読む
  • 竹取物語
    言わずと知れた古典、竹取物語の星新一訳。
    実は、有名作家が古典を訳したものを読んだのは初めてで、且つ星新一さんの作品を読んだのも初めてで何とも言えない。
    古典入門には良いのかも。
  • おのぞみの結末
    どれも傑作だったけれど特に好きなのは「わが子のために」、「ある占い」
    、表題作の「おのぞみの結末」。
    思いがけない展開で読んでいてとても気持ちよくなります。
    星新一さんの他の作品もどんどん読んでいきたいです。
  • 明治・父・アメリカ
    「人民は弱し・官吏は強し」を読んで、さらに星一に対して興味がわいたので、読んでみました。
    星一の行動力や困難にも立ち向かって乗り越えていく姿は、ある種の漫画の主人公的な感じで、読んでいてワクワクしました。
    また、歴史上の有名な人物も出てくるので、そのような偉人たちとも交流があったんだと感心しました。
  • 人民は弱し 官吏は強し
    出身大学の創始者の話だったので読んでみました。
    作者の父親の話ということもあるので、父親よりに偏りがあると思うため、どこまでが本当の事実なのか分かりませんが、読み物としてはとても面白かったです。
    野口英世やエジソンなど、歴史上の人物も出てきて、何故かわくわくしました。