橋本治のレビュー一覧

  • 橋本治という立ち止まり方 on the street where you live
    『どうしてかというと、「本を読む」ということは、「読んだ結果をどうするか」ということとからんでいると思うから』―『本の未来、人の未来、社会の未来』

    すごいなあ、やっぱり。橋本治は。一見したところ突飛に思える話の流れの裏側で、橋本治の脳内細胞が活発に結合している様が見えてくるようだ。例えばここで引用...続きを読む
  • 上司は思いつきでものを言う
    サラリーマンが言う愚痴の代表格である「上司が思いつきでものを言い、自分たちは振り回されている」というところに着目して書かれた本。面白いです。

    面白すぎて第一章など数秒で読んでしまったのではないかと思うほどでした(そんなわけはないのですが)。
    何がこんなに面白いのだろう? と考えてみて思い至ったのは...続きを読む
  • 父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない
    日々報道され「その言い訳は通るの???」と思う数々のできごと

    それが起こってしまう日本の体質
    しみついているものは制度が変わっても実質変わらず、一部が変わった場合様々な齟齬を引き起こす

    その体質が解き明かされるようで面白い
  • 知性のテン覆 日本人がバカになってしまう構造
    すごい本を読んだ。【いろいろなところに入口を持つ迷路の道の一つで、そのゴールは「知性」という中央広場】という箇所が最も全体をあらわしているのではないか。「難解」という感想に落ち着きそうになるが決してそれだけではない。手の届く「解る」から「なんとなく解る」「解りそうでわからない」「さっぱり解らない」ま...続きを読む
  • 九十八歳になった私
    大笑いしながら読んでいます
    デイサービスで働いていますが利用者さんの心のうちを類推したりして
    年重ねるのが怖くなくなります
  • 橋本治のかけこみ人生相談

    気持ちが楽になりました。

    色々な悩みに、どの悩み相談にも的確にユーモアのある回答で楽しく読めました。
    そもそも、人は悩むのが好きなんでしょうね。解決する事など少なく、また、解決しても次の悩みが出てくる。あとがきにあった通り、解決しない事は悩まない、バカになって楽しむのが一番と言うのが正しい気がします。
    下手な考え休むに似...続きを読む
  • これも男の生きる道
    仕事も含めて、「できないのは、わからないから」「わからないのは知らないから」と著者は説く。それは、人間関係も含めて。
    素直にできない、わからない、知らないを認めて、一旦落ち着くことを提唱する。出来ないことを認めるとは、すぐに出来るようになきゃならないというのも違うと言う言説に、少し安心。
    家庭も、会...続きを読む
  • 生きる歓び
    短編9編を収録しています。

    著者はみずから執筆している「解説」のなかで、本書に収録されている作品についての発言を引用するという手の込んだことをおこなっているのですが、そこで著者は「人生の断片は、それ自体が美しい断片であってしかるべきだと、私は思うんですね」と語っている。本書に収められているのは、市...続きを読む
  • 宗教なんかこわくない!
    氏は、宗教は、もう日本人には、あまり必要とされてないと言う。自立して考えればいいじゃんと、もうとっくに、そういう時代だよと言う。
    日本人が自分自身に対してプリンシプルを持たない、持てないというのは、今だからこそ、より深刻な問題として日本を覆っている。何が良いのか、悪いのは、他人をキョロキョロ見ないと...続きを読む
  • これで古典がよくわかる
    世界価値観調査によると、日本人の世俗性は世界トップクラスです。
    世俗性というのは、言い換えると、ミーハー(新しいモノ好き、古いものはダサいと思う)で、
    また、物事に対して、損か得かの判断をとても重視するということです。

    この特性からいうと、古典を学ぼう、学びなおそうという人は、
    確実に少数派になり...続きを読む
  • これで古典がよくわかる
    高校生の頃出合っていたかったなぁ。
    なんで古典が読みにくいかが分かる。
    橋本治さんは、噛み砕くように説明してくれるし、例えも面白い。いつかどこかで出会う、過去の私みたいな誰かに勧めたい本。
  • 「わからない」という方法
    これおもしろかったなー。知性する身体。思えば、簡単なノウハウにしがみついて、なんでもググってわかった気になれる現代において、1つのことをひたすらやることで、身体的に「わかった!」となることが少なくなっている気もする。
    ひたすら繰り返すこと。経験と身体と友人ね。時間をかけるということにもっと積極的な意...続きを読む
  • いとも優雅な意地悪の教本
    地域によって売れる本、並べられている本が違うので、旅先の本屋に立ち寄ることが多い。

    そんな矢先、本屋で見かけたのがこの本だ。

    自分の中で、「優雅」と「意地悪」は、随分とかけ離れたもの同士で、それらは両立しないものだと思っていたので、どんな本かと思い、購入。

    「意地悪」と「暴力」の違いという、対...続きを読む
  • 福沢諭吉の『学問のすゝめ』
    現代語訳と迷いましたが、こちらを選んで良かったのは、時代的背景も知れたと言うことです。
    著者のメッセージにも心動かされました。
  • 父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない
    何もないくせに何故か偉そうで、やたら迷惑なオヤジ。彼らは一体何処から発生し、社会で何をしてきたのか?何処へいくのか?男のサポートという役割から飛び出した女の論理とは?
    映画の話なんかも交えながら軽妙に語られる、男社会の成り立ちと崩壊と。めちゃくちゃ面白かったです。
    腹立つことばかりの日本の社会や政治...続きを読む
  • いつまでも若いと思うなよ
    始めにいきなり「老いとはまず他人事である」との命題が提示されるが、結局これが老いとは何か?に答える究極の結論なんだと気付いた。
    自分は昔から老けているので、実年齢が上がるとそれに応じて見た目の年齢と近づいて行くから歳を取るのは嬉しかったりする。それでも『老人』という響きにはやっぱり抵抗がある。それは...続きを読む
  • 蝶のゆくえ
    老若の女性を主人公にした6作の短編小説集。収録最初の短編「ふらんだーすの犬」があまりに衝撃的で言葉を失う。

    巷で繰り返される母親による子への虐待事件。報道を見るたびに思うのは、自分が生み育てた子をどんなきっかけで、なぜ虐待できるのかということ。それが本作品で少し理解できた。虐待までのプロセスが論理...続きを読む
  • いとも優雅な意地悪の教本
    掴みからして面白いんですけど!
    まとめたいけど、まとめられない!
    莫大な知識量を惜しげもなく。

    人は言葉が足りなくなるとキレて暴力に走る。言葉の数が少ない決めつけだからこそ強く響く。「バカ」は二音。言葉の数のセンテンスが長くなると人は一瞬自分が何を言われているのか分からなくなってカッとなる事が避け...続きを読む
  • これで古典がよくわかる
    橋本治節ッはこうでなくちゃヾ(≧∀≦*)ノ〃

    壮大な知識人をまた一人見送らなくてはならない悔しさというか、無念さ…

    溢れ出んばかりの想いと知識及び独特な見解がこの一冊に詰まっている。
    とっても贅沢な作品。
    橋本先生を感じることができる作品。
    だから紙の本は止められない(笑)

    古典好きにはたまら...続きを読む
  • ちゃんと話すための敬語の本
    "ちゃんと話すための敬語 = いいかげんにテキトーに使う敬語"

    敬語というものは、人と人との間に距離があることを前提とした言語である。

    それ故に、人と距離を縮めたたいと感じたとき矛盾が生じる。

    目上の人と仲が良くなりたいために敬語を崩して会話すると、相手からは敬語が聞けない無礼者という認識...続きを読む