橋本治のレビュー一覧

  • 橋本治と内田樹
    本にマーカー引きすぎてえらいことになっている。
    それくらい「そうだよな!」とか「そうだったのか!」が詰まっている。

    身体知は大事。
    水泳ばかりやってたら水泳に有利な身体になるように、
    文句ばっかり言ってたら文句を言うのに有利な身体になる。
    この前読んだ「ミラーニューロン」も、
    人間が形か...続きを読む
  • 二十世紀(下)
    素晴らしく面白い。各年に関して、象徴的なトピックを、とりあげそれを解説する形式の本。下巻だけ読んだ。

    ある程度予備知識や、背景知識があると、ここの歴史的事件にかんする図式化の明瞭さが素晴らしく思えてお得。

    腑に落ちない二十世紀史を幾分かでも理解した形で読み込むのにうってつけ。現代史をひととおりや...続きを読む
  • 双調平家物語9 平治の巻1(承前)
    どの巻でも思いますが、この本すごい。平家物語といいますが、完全創作です。大化の改新からはじまって、平治の乱まで9巻かかってます。清和源氏の潔さと人間くささに惹かれます。
  • 「わからない」という方法
    どこかに正解が存在していて「わかる」ことが当たり前だった20世紀とは異なり、「わからない」が前提となった21世紀にどのように立ち向かうかについて著者独特の語り口で述べられている。一度読んだだけでは、何となくわかったような気になっていたが腹に落ちていなかったので再読。「わからない」という前提に立って自...続きを読む
  • 乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない(橋本治流ビジネス書)
    集英社新書から出版しているアンチ・ノウハウ論、サラリーマン論に引き続き、今度は経済について考察しています。とは言っても、著者の事ですからいわゆる「経済学」の土俵にのって経済を論じるわけではありません。なので、いわゆる「経済学」を期待した読者からは、概念定義がちょっと違うだとか議論や過程が乱暴すぎると...続きを読む
  • 上司は思いつきでものを言う
    今回はサラリーマンにとってキャッチーなテーマを取っ掛かりにして、結局はまた日本社会論まで突っ込んでいます。
    著者の小説は過去に何冊か読んだことあるのですが、評論となるとあの語り口調が気になってしまい、いいことを言ってるんだけど…と敬遠してました。本書を読んでみると、往年の癖ある口調は後退したものの...続きを読む
  • 「わからない」という方法
    いわゆる伝統的なマニュアルが失われた二十一世紀という時代の新たなマニュアル。つまり、とにかく自分の頭で考えて、自分の体で体験する、という著者自身が体現している信条がこの時代にいかに有効かを説明しています。この考えは、著者の著書にも貫かれ、自分の言葉で自分の考えを語っているという姿勢にも反映しています...続きを読む
  • 蝶のゆくえ
    橋本治は、ああでもなくこうでもなくの、力の抜けて、かつ的確な時事評論で知ることになったのだが、これまで小説は読むことがあまりなかった。この2-3年、巡礼、リア家の人々、橋などの
    オリジナルを書き下ろしているが、そのさきがけとなっているのが
    この短編集である。

     どの話も、短編の中に細部までの...続きを読む
  • 「三島由紀夫」とはなにものだったのか(新潮文庫)
    橋本治が、三島由紀夫という異彩を放つ作家の依拠する論理(ロジック)の特異性を、各作品のテクストから丹念に読み込みながら解き解していきます。特筆すべきは、ほとんど他の文芸評論家の引用や孫引きもなく、ひたすら自分の言葉で 「三島由紀夫」論を展開している点です。作家論が成功しているか否かは読み手の判断に依...続きを読む
  • 上司は思いつきでものを言う
    内容はお題の通り上司が思いつきでものをいう理由について、日本の体制やはてまて聖徳太子の時代にまでサカノボリ、(いくぶんくどい展開や表現があるが)懇切丁寧に説明したもの。どうやら、部下が建設的な提案をした場合でも現場を離れている上司は
    (1)現場がよく見えないため、昔現場にいた頃に則して時代遅れの指...続きを読む
  • 橋本治と内田樹
    対談集の苦手な私が珍しく楽しめた。
    たとえば文学者の語る公共の概念が特に面白い。
    社会学者や政治学者ではなく、文学(研究)者と文学(執筆)者が語る公共:一人ひとりが自分のできることを「お互いさまだからね」と差し出すこと。相手のそれを受け取ること。
    橋本治が「理解できないことを書かない」「理解してから...続きを読む
  • 貧乏は正しい!(1)(小学館文庫)
    超おもしろい、超楽しい橋本治さんの著作のなかでも、飛びぬけた力作。なんたってコロコロコミックに連載してた経済論をまとめたというから驚き。私はコロコロを読んでいなかったけど、彼に啓蒙された男の子も多かったと思う。経済学に興味なくても問答無用でおもしろいシリーズの第一段。
  • 宗教なんかこわくない!
    誰にも真似できない、橋本治さんの宗教論。オウム事件から宗教をあぶり出して、安易に批判すると思いきや、仏教の知識はかなりのもの。彼の宗教の考え方がとても好きです。
  • 橋本治と内田樹
    とてもおもしろかった。頭のよい(独自の視点を持ち深くよく物事を考えておられる)ひととひとの、忌憚なくなされるおしゃべりを一緒に聴く楽しみ。
  • 「三島由紀夫」とはなにものだったのか(新潮文庫)
    橋本治の「『三島由紀夫』とはなにものだったのか」(新潮社 2002年)を読んで(全体の20%しか読まなかったが)ホッとしたところである。

    三島由紀夫は1925年に生まれ1970年に死んでいる。
    私は彼の著作を殆ど読んでいない。彼は文学者としてスター作家であり常に時の人であった。ましてやあの死にざ...続きを読む
  • 双調平家物語8 保元の巻(承前) 平治の巻1
    やばいです、がっつりはまってます。
    8巻に来て初めて、武士同士の戦になって、
    武士の名乗りとか読むと、その語調だけでぐっと世界に引き込まれます。
    電車待ちのホームで読み始めて、電車に乗り過ごしたことも3回。
    (特急乗り過ごしは痛かった。。。)

    フィクションかどうかは歴史に強くないのでわかりませんが...続きを読む
  • 双調平家物語13 治承の巻2
    清盛の先を頼もしく思った。清盛のためにならどんなことでもやってやろうと思い、そのようにして来た邦綱である。今更の他人行儀はおかしい。二十数年前も昔の話を持ち出して、無理なこじつけをする必要はない。清盛は、そのような人物ではなかったはずだ。しかし、清盛は変わった。



    盛衰は、起こっては消え、消えて...続きを読む
  • 双調平家物語12 治承の巻1
    「朝廷中枢での官を上せる以前、受領の性に従う平氏の一族は、地方の任国を一つずつ増やしていったのだ。清盛の以前に、このように権勢を目指して勤勉なる男は、一人もいなかった。」


    「清盛は争わなかった。彼が争う以前に、彼の行く道を塞ぐ男達が、争って斃れた。清盛はその後を行った。清盛が栄華を望まなかったわ...続きを読む
  • 「わからない」という方法
    最初の方は何を言っているのかわけわかめだけど、後半まで読んでいくと作者が何を言わんとしているのか大分わかってくる。
    そこで「あ、最初はそういうことが言いたかったのね」ということに気づく(わかる)。
    それでいいのである。
    作者は自ら言わんとすることをこの本の構造そのものから示してみせた。

    飾らない橋...続きを読む
  • 貧乏は正しい! ぼくらの資本論(小学館文庫)
    読む前まではあまり期待していなかったし10年以上前の書籍だが、内容は期待以上!
    現代の相続、土地、銀行、担保、抵当、ローンなどを用いて見事に現代の資本原理を解き明かしている。

    出てくる単語は日常の中でも聞く単語ばかりだが実は知らないことが多い。金融や経済の根幹である闇の権力による悪魔主義を理解せ...続きを読む