橋本治のレビュー一覧

  • いとも優雅な意地悪の教本
    残念でならない。つい先日、橋本治氏が亡くなられた。
    その報に接し、長らく書棚に積まれていた本書を読んでみた。ここまで事の本質が見えると人生楽しいだろうな。それとも裏側が見えすぎて逆に楽しめなかったりするのかな?
    いつものようにアチコチに話が飛んで、一言で『意地悪』がスッキリ解説されているわけではない...続きを読む
  • 橋本治のかけこみ人生相談
    なぜ、この人は、こんなにも人間のことがわかってしまうのか?と、
    ふと、思います。作家の想像力というか、橋本治氏の凄みというか。
    現存いる人間で、恐らく最も、知性を持っている一人でしょう。
    人に生き方をレクチャーできる数少ない人間です。

    あらためて読むと、橋本治氏の人生相談への回答は、
    相談者が書か...続きを読む
  • だめだし日本語論
    タイトルにあるほど『だめだし』はされていないが、やはり橋本氏と橋爪氏の日本語に対するスタンスの違いが際立つ対談になっている。どちらが正しいというものでもないだろうが、自分としては橋本氏の『複雑なものは複雑なまま理解すべき』というスタンスの方に共感する。

    この対談で何か結論めいたものを期待する向きに...続きを読む
  • 知性のテン覆 日本人がバカになってしまう構造
    橋本治さんの本は、一つ一つの文章が、なるほどね〜 そうだよね〜 という気持ちのよい納得感を持っていて、この本もあーあ!という暗めの現状を論じている本なのですが、読んでいてとても「快い」感があり、同時に自分ももう少しがんばろうと励まされました。
  • いとも優雅な意地悪の教本
    いとも優雅な意地悪の教本。橋本治先生の著書。意地悪は肉体的暴力や攻撃とは違う。意地悪は悪口や陰口、罵詈雑言とも違う。意地悪は本来は知的で優雅な行為。橋本治先生から優雅な意地悪の仕方を学べる良書。
  • 知性のテン覆 日本人がバカになってしまう構造
    もうこうなると哲学書のようだ。しかもかなり難解の。
    反知性主義が蔓延する理由を緻密な構成で考察しているのだが、正直よく理解できない。自分にはそんなに難しい話でなくて、経済成長による中流化で従来存在感のなかった大衆が『ヤンキー』に成り上がり、さらにネットの出現で彼らが自己主張を始めて目立つようになった...続きを読む
  • いとも優雅な意地悪の教本
    この人の書いた新書だからと、気楽な調子で読み始めましたが、期待を裏切る意地悪さで面白かったです。気の抜けた様子で書かれていて、「あれ?」とよく理解できなかったところを読み返すと結構考えさせられることが書いてあります。相当意地悪な本です。著者が書かれている通りに「内容がない」のか、わかっていないのか、...続きを読む
  • 「わからない」という方法
     すぐ「わからん」という奴はただの卑怯者だとずーっと思い続けてきたが、本書を読み、改めようと・・・。氏独特の思想と思考が非常に身に染みた。氏のレベルを大きく下げると自分の発想に近い気がした。よってそこは都合良く解釈し、今の傾向をブラッシュアップしたい。ただし、深さが全然足りないので、時間をかける。こ...続きを読む
  • 知性のテン覆 日本人がバカになってしまう構造
    本物の知性について、深く検討するものとみました。わかりやすく説いているようにみえて、さすがに深いですね。
  • たとえ世界が終わっても その先の日本を生きる君たちへ
    俺なんかもバブルの時になんか変だな、嫌な感じと思ってたから、そうだったんだぁ~!て膝を打てるけど、その頃ちっちゃかったり、まだ生まれてない人も今や大勢いるから、実感湧かない人もさらにもっといるんだろうな。
    人ってやってる最中は何やってんのかよくわからないことのほうが多い。特に状況がそうなっててその状...続きを読む
  • 知性のテン覆 日本人がバカになってしまう構造
    橋本治氏の俯瞰した社会を見つめ、語る文体が心地よいです。彼の生き方自体もマイノリティ側にあるのだろう。身構えずに、その語りに素直に心を傾けることができる。そして、何よりも分かりやすい。至極まっとうなことを言っているのに、あまり社会の中では触れることのない視点からの世の中の姿を言葉で映し出してくれる。...続きを読む
  • たとえ世界が終わっても その先の日本を生きる君たちへ
    心のない論理や心の論理で生きる人たちは、自分が絶対に正しいと思っている。でも、心のある論理の人は、自分の正しさを相手に認めさせたい訳でもない。
  • 上司は思いつきでものを言う
    反論せずにあきれろ
    上司をバカにせず、バカかもしれないということを考慮する(親も同じ)
    日本は特殊なことをしているから、国際○○に、簡単にルール変更されてだめになってしまう。

    上司は、部下の建設的な意見を却下する権利はないが、部下が単にバカで建設的な意見を言っていない場合も多々あるので、鵜呑みにし...続きを読む
  • たとえ世界が終わっても その先の日本を生きる君たちへ
    最近、「話す」人が増えて、「聞く」人が減った。
    「聞く」人は、「話す」人の話しを、ニーズだと思うようになった。
    自分にとって、利益があるか、ないか、その功利性が、「話し手」と「聞き手」、
    「私」と「他人」の境界を分ける要素となった。

     橋本氏は、本当に不思議な人で、「まぁ、とりあえず、俺の話しを聞...続きを読む
  • 「わからない」という方法
    私が、何度も読み返してしまう本です。
    出版されて結構年数が経ちましたが、内容は全く古びてありません。

    それは、読者に対して、橋本氏の一連の著作のメッセージが、「現在の自分は、どこにいるか?」を
    考えさせるものだからだと思います。

    橋本氏は、この本できっぱりと、「正解がある時代は、終わったよ」とさ...続きを読む
  • 失楽園の向こう側(小学館文庫)
    私は、人生に行き詰まったら、この本を読んでいます。
    平易なエッセーですが、日本の問題点とその本質を見事に語っているような気がします。

    この本は決して「ああしろ」「こうしろ」という指南本、マニュアルではありません。

    「いや、もう日本ってこれから先何も良い事ないよ、でも生きていこうね」
    と、さらりと...続きを読む
  • これも男の生きる道
    私が何回も定期的に読み返してしまう本です。
    男はどう生きるべきか、という「生き方」に関しての本ですが、
    「生き方」自体が、ほぼ死語となっている中で、
    こういうテーマで書けること自体が凄いことです。

    橋本治氏のような「知性」が、もっと日本にいたらいいのにと、
    個人的には思いますが、後にも先にも、出て...続きを読む
  • 貧乏は正しい!(1)(小学館文庫)
    個人的には、橋本治氏は、業績に比べて、
    日本で一番過小評価されている作家だと思います。
    作家という枠に、入れてしまうのも、どうかなと思うぐらい、
    創造的仕事をしています。
     この『貧乏は正しい!』も91年に書かれたとは、
    思えないほど、氏の日本に対する批評は当たっています。
    この一連の著作では、氏は...続きを読む
  • 知性のテン覆 日本人がバカになってしまう構造
    反知性をヤンキーのくくりで考えると、なるほど比較的すっきりくる訳ですね。作者があとがきで書いているように、論旨があちこちに飛んでいくから、なかなか捉えどころのないように感じつつ読み進めていたけど、なるほど最後2章くらいで、だいぶ理解がまとまりました。読みながら思い浮かんだのは”ぼくらの民主主義~”で...続きを読む
  • 失楽園の向こう側(小学館文庫)
     10年以上前の橋本氏の本。雑誌に連載されていたのは記憶にあったが、文庫になってたので入手。一種の哲学書のように思えてきた。人生の指針の書、というわけではないが、中年になって読むとまた心が痛むところ多し。ただ、某書評と同じく、何となく前向きになれる、という意味はわかった気がする。全体的にぼんやり感が...続きを読む