橋本治のレビュー一覧

  • 浄瑠璃を読もう
    「あまでうす」などと名乗っているくらいだから私は西洋の音楽が大好きで、とりわけモザールのオペラなどを見聞きしていれば上々の気分なのですが、それよりも好きなのがなにを隠そう浄瑠璃なのでありまする。

    浄瑠璃、すなわち三味線の調べに乗って太夫が「語る」江戸時代の音曲、あるいは歌舞伎の下座音楽に耳を傾ける...続きを読む
  • 虹のヲルゴオル
    すごく面白かった!
    古典の人だと勝手に思ってたけど、映画にも造詣が深いんですね。何よりその洞察力に驚きました…口調は砕けてるけど、普通の人はこんなことまで思い至らないと思う。すごい。
    映画見たくなりました。そして同時に、美人になりたいと強く思う。
  • 双調平家物語13 治承の巻2
    重盛が死んじゃった。宮仕えをしている今の身としては重盛に一番共感。変人と呼ばれていても、いなくなってその人の働きがわかるって目指したいところですね☆
    (大河ドラマは見ていないけど)あー、ちょうど同じくらいのところですね。重盛の病状悪化から後白河法皇の幽閉までほぼ1巻でした。エピソードもだいぶ違うみた...続きを読む
  • 小林秀雄の恵み(新潮文庫)
    橋本治さんの思考は、とても粘り強くて、とても深くて、とても色んな道があって、とても恥じらいがあって、とてもしなやかです。
    だからとてもゆっくりです。

    橋本治さんは、この本の中で小林秀雄さんのことを
    「おじいちゃんのよう」と表現されています。
    そしておじいちゃんである小林秀雄の恵みとは
    ...続きを読む
  • その未来はどうなの?
    自分の「常識」を、揺るがすような本に出会うのは、この年齢に至ると結構なストレスを感じる。それでも、この本を読むことができたのは、幸いでした。こうした高い知性を保っている物語書きがいるのが、今のこの国の財産な気がする。何が「右傾化」だ。
  • その未来はどうなの?
    相変わらず、日本社会に対する批判の書であろうとは思う。そして、相変わらずわかりにくい。結局、何をいいたいのかよくわからない。そんな印象もある。

    橋本治の本は、筆の向くままにいろいろなテーマが繰り出される。それに対して、丁寧に説明したりしなかったりする。しなかったテーマはそのまんま宙ぶらりんである。...続きを読む
  • 乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない(橋本治流ビジネス書)
    バブルがはじけた後、どうしたらいいかわからない日本人はそのまんまだった。そんな時に、”勝ち組”と呼ばれる人は、既存秩序の外にフロンティアという未開の市場を拓き成果をあげた。

    初めはそんな”勝ち組”に反発したその他大勢も、勝ちが確定するとその下にぶら下がることで生き残りを図った。結局、何も変わらない...続きを読む
  • 双調平家物語13 治承の巻2
    途中で源氏物語とか読んでいたらしばらく双調を放置状態になってしまいましたが、ようやく続きを読み始めました。重盛死にました(涙)しかしこれだけ複雑な源平ドラマを一年間大河で取り上げようと思ったNHKさんはたいしたもんです。最後の方、正に今(2012年11月)大河でやってるところでした。以仁王の令旨が出...続きを読む
  • 双調平家物語12 治承の巻1
    人名のややこしさMAX!でもとってもおもしろいです。清盛と重盛の間が徐々にズレて行く様がじっくりと描写してあります。しかし成親は黒いですね!平治の乱絡みの貴族って、処世術しか取り柄のない人が多いような…だからこそ貴族の力が弱体化してきたのでしょうか。後白河法皇が不気味な存在感を発揮しています。最近源...続きを読む
  • 「三島由紀夫」とはなにものだったのか(新潮文庫)
    おもしろい論考です。難しいことを平明な文章で語らせたら橋本さんは本当に巧い。三島は全作品読んだわけではないのですが、幸い本書で取り上げられているいくつかの作品は既読で、何とかついて行けました。こうなると「豊饒の海」シリーズ読みたいですよね〜。三島の文体が装飾過剰なのは「それはそんなもの」とアッサリ考...続きを読む
  • 橋本治と内田樹
    大好きな橋本治と、最近興味を持った内田樹の対談集ということで読んでみました。

    橋本治が自信を持ってあちこち話題が飛ぶのを、内田樹が常識でつなぎとめようという感じの対談でした。

    たとえば、橋本治は桃尻娘を書くときに、

      俺が知っている十二年分、彼女が知らないんだな。そういう引き算をしちゃ...続きを読む
  • 小林秀雄の恵み(新潮文庫)
    いつものように、橋本治の思考過程を追いながら、小林秀雄は何を考え、当時の人はそんな小林の文章を何故ありがたがったのかが分かります。

    けど、この本の中で、私が、一番好きなのは橋本治が小林秀雄の『本居宣長』を読んで「そうか、学問とはいいものだったんだ」って思ったってところです。
    愚かな孫は小林秀雄...続きを読む
  • 橋本治と内田樹
    タイトルそのまんま、お二人の対談集。
    5年くらい前の対談ですが、内田先生が言っていることが震災後も全然ブレてないのがすごい。
    二人が掛け合うごとに話がどんどん広がっていって、面白い。橋本さんの著作は読んだことがないのですが、すっかり橋本先生のファンになりました。

    橋本さんの「教養というのは、くだら...続きを読む
  • 双調平家物語10 平治の巻2 平家の巻
    戦シーンに迫力ありました。信頼の愚かしさというか小人物ぶりが何とも悲しいです。しょせん寵されてしか生き得ない人だったのでしょうか。個人的には重盛と成親の淡い恋の行方(?)が気になりまくりです。義朝は悲しいですね…無念の最期だったことと思います。
  • 夜

    違う男の話が一人の男の話に思えるのはなぜか、違う女の話が一人の女に重なることはあるのか。と思う私の中にも夜の曖昧さの中は心地良いかもしれないと思う気持ちがある。
  • 双調平家物語8 保元の巻(承前) 平治の巻1
    ついに左府様がお亡くなりに。ちょっとツメが甘くていいキャラだったので残念です。最後までファザコンでした。

    信西が徐々に頭角をあらわして来ました。悪いです。たたきあげで成り上がって来た人ならではのしたたかさとアクの強さを感じます。清盛は何だか影が薄いです。ハラハラドキドキします。早く続きを読みたいで...続きを読む
  • 双調平家物語7 保元の巻
    頼長スペシャルって感じでした。いろいろ度肝抜かれました。恋のおまじないしたりする左府様が何ともかわいらしい(?)です。ちょっとぐったりするくらい濃かったです。つくづくキャラ立ちのすさまじい世界だと思いました。何も言えねー!って感じです。
  • 双調平家物語6 院の巻(承前)
    おもしろかったです。一気に読めました。平家物語というか、本当に完全創作ですね。エネルギッシュな世界でした。読み返したいです。
  • 日本の行く道
    2005年出版。
    しかし内容は震災と原発事故、悪化する一方の経済に喘ぐ
    今の日本にますますふさわしい。

    タイトルからは「何らかの解答」が示されているように思えるけれど、
    これは「ほとんど解決不能な問題を前にしたときの考え方」
    について書かれた本。

    そんな問題に直面した時には「これからどうしよう?...続きを読む
  • 上司は思いつきでものを言う
    当たり前の疑問を発見し、当たり前に答えている
    おもしろい
    固定概念にとらわれた思考を解放してくれるあ