橋本治のレビュー一覧
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とっても面白かった!
古典は慣れること。書かれた時代、言葉が違うのだから難しいのは当たり前。
まずは冒頭を覚える。暗唱するまで。
余計な知識はいらない。
そして「をかし、あはれ」など、
当時の人たちが感じていた感情を同じように感じてみる。
月を見よう、梅の花を嗅ごう。(P228など)
P181 「...続きを読むPosted by ブクログ -
深い。深すぎる。これで橋本氏の著作は読み収めかと思うと何とも残念だ。こんなにも人々のモヤモヤを端的に表現できる人を他に知らない。
オヤジの権威低下という卑近な題材から始めて、ジェンダー論や政治論、更には組織論まで父権性の崩壊に由来する社会課題の本質を鮮やかに描き出している。1年にわたった雑誌連載だと...続きを読むPosted by ブクログ -
よくわかる、というよりは、古典に対する敷居の高さをぐっと低くするための好著。
古典のよみにくさのカギとなるのは、どう書かれていたかだと筆者は説く。漢文・ひらがなのみ・漢字×カタカナの書き下し文から、漢字×ひらがなの和漢混淆文へ至る文体の変遷を追うことで、上代から鎌倉後期までの文学史が辿れるというわけ...続きを読むPosted by ブクログ -
チャンバラ映画を軸にしてたどる、日本人の文化史・精神史の後編。ネットでは毎日のように「映画は娯楽なんだから!」VS「創作とは政治なんだから!」の論戦が囂しく繰り広げられるが、その辺の答えはこの上下巻に詰まっている。というか、「日本的なエンターテイメントとは何ぞや」という問いの答えは全て詰まっている。...続きを読むPosted by ブクログ
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分かりにくいことを分かりやすく語るには、途方もない文字数と、歴史的な補助線が必要になるのだなと感じ入る。それにしても、時代が進むごとに 「暗黙の了解」が廃れ、「説明」が必須になってしまったとの指摘には肯くしかない。だからこそ、始終「説明」まみれで余白の無いチャンバラ漫画『鬼滅の刃』が令和の今ウケてい...続きを読むPosted by ブクログ
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高校時代、古文の授業を受けながら「同じ日本語なのになんでこんなにわからないんだ。訳さなきゃ意味がわかんないなんてもう外国語じゃん」などと理不尽さを感じ、よくわからない怒りをおぼえていたものでした。
あれから数十年、大人になってもなおこの思いは持ち続けていましたが、読書を愛するようになった今、「日本...続きを読むPosted by ブクログ -
著者自ら言っているように、かなり面倒くさい語り口なのですが、あっちにこっちに振り回されながらもページめくる手は止まらない、という本でした。チャンバラ映画を語るということが、青年ということを語るという第四講の立て付けが面白かったから、なのか。ひさびさに出会う橋本治節が、心地よかったから、なのか。観客と...続きを読むPosted by ブクログ
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初読は高校生の時。
古典への世界が拓かれる1冊。
古典に苦手意識がある学生さんには是非読んでもらいたい。
何より橋本治の文体は読むやすい。Posted by ブクログ -
昭和から平成の終わりまでを、まるでドローン空撮のように、ある時はごく近くまでカメラが寄ったかと思えば、ぐんと離れて俯瞰するような。タイトルの回収はかなり腑に落ちた。名もなき火打ち石。「大太刀を振るって敵をかわすよりも、迎え撃つことの大事を。」立ち向かうということ。Posted by ブクログ
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塾の保護者向け定期冊子のオススメにあったので読んだ。
古典というものはそもそも難しくて投げ出したくなるものというのは仕方がないことというのがわかって良かった。
今の考え方と全く違う考え方をしていた時代もあると言うことを発見できるという面白さがあるということに共感した。
最近では毒親という言葉も流行っ...続きを読むPosted by ブクログ -
長女が古典好きで新古今和歌集を絶賛していて、かーさんも読め読め、定家はすごいぞと勧めてくれるのだが、古典苦手意識が強すぎて、まずはこれから。
新古今和歌集のことだけ書いてるわけじゃないけど、橋本治も定家絶賛でした。
現在の日本語というものが、どういう経緯で出来上がってきたのか。いや、「作られて...続きを読むPosted by ブクログ -
再読。
橋本治が亡くなって、もう、3年近くなるのだなあ。
訃報をネットで見た時は、すごく頼りになる親戚のおじさんが亡くなったような、随分と心細い気持ちになった。
この人の言っていることは一貫していて、「ちゃんと自分で悩んで、考えなくちゃいけないんだよ」てことに尽きる。
自分で考える、っていうの...続きを読むPosted by ブクログ -
氏が亡くなってからまとめられたもの。読書らしい読書は殆どしていなくて、勉強も、人が覚えるものを同じように覚える必要はなし、というスタンス。それでも、本書みたく地に足の着いた教育論が展開できるという凄さ。どうせバカだもん、ってすねてみせるのではなく、少しでもその知性に近づくべく努力を重ねる必要あり、っ...続きを読むPosted by ブクログ
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ああ、治さん君を泣く
この方はもう少し長生きして欲しかったなあ!
ヤンキーに本を読んでもらえないと本は売れない
じゃあヤンキーに読んでもらえるのはどういうものなのか
という発想がもう素晴らしい
そしてヤンキーって何?
自分の中のヤンキーを点検する辺り
反知性主義って何か、それが生まれる経緯の考察...続きを読むPosted by ブクログ -
歴史の事実を橋本さんが糸を通して紡いだお話しは、新たな見方を示して頂きました。面白い。この本は、橋本さんの『双調平家物語』のダイジェストでスピンオフと言う。また、『権利の日本』『院政の日本人』も関連本。これらも読みたくなった。Posted by ブクログ
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世界中が豊かになって中流になって、地球がそれを支えきれなくなって、みんなの足下が崩れ出して、みんな不機嫌になっている。
そんな訳でみんなが欲望を剥き出しにして品がなくなってしまった。自分のことは自分でなんとかするしかないのだけど、自分一人でなんとかできるわけではない。
いくつもの矛盾と問題と欲望のぶ...続きを読むPosted by ブクログ