田辺聖子のレビュー一覧

  • 朝ごはんぬき?
    再読。何回も読んだ作品。1976年刊行。
    人気女流作家の日常を住み込みの秘書兼お手伝いの女性 ・マリ子を通して描いたユーモア小説。
    きっかけは昼の連続ドラマ、女流作家役は園佳也子さん。
    読み始めた当時は、普段は亭主をほったらかしにしていながら、亭主がちょっと家を空けようものなら烈火のごとく怒るくせ...続きを読む
  • ひねくれ一茶
    雀や蛙のような小さな生き物を詠んだ親しみやすい俳句で知られる一方、親の遺産をめぐって争ったことや、「七つ下がりの雨は止まない」を地で行くようなヒヒ爺いぶりについてのエピソードで有名な小林一茶を主人公にした物語です。

    一茶の人間くささが田辺聖子の筆によって生き生きと描き出されていて、おもしろく読めま...続きを読む
  • とりかえばや物語
    とりかえばや物語。このお話が平安時代に生まれているのがすごい。「女としての生き方」とか「男としての生き方」というごく現代的なテーマで。ハッピーエンドだし。面白かったー。
  • どんぐりのリボン
    やっぱ田辺聖子大好きです。
    五月はわたしと同じくらいの年齢。
    この小説が書かれたのはわたしが生まれる前。
    なのに、なのに、ナンデこんなにわたしのこと書いてんのよっっ!!!!と思うほど共感。
    もちろん、わたしが住んでいるのは大阪でもなく、村に住んでいる気になる人もいないのだけど、
    でも考え方とかさ、ぜ...続きを読む
  • 人生は、だまし だまし
    【本の内容】
    生きていくために必要な二つの言葉、ほな、とそやね。

    別れる時はほな、相づちには、そやねといえば、万事うまくいくという。

    本書は田辺ことばと共に楽しめる究極の人生の哲学満載である。

    [ 目次 ]
    究極のあわれ
    金属疲労
    惚れる
    寝首
    いい男
    家庭の運営
    上品・下品
    憎めない男
    老い...続きを読む
  • 残花亭日暦
    田辺聖子さんの日記というので、たいへん興味深く
    読んでいったのだが、パートナーのおっちゃんの
    容体がどんどん悪くなってしまうという、読んでいて
    ツラくなる日記だった。聖子さんはおっちゃんに対して
    ずっと恋愛感情を持っていたんだなと思った。せつない。
  • むかし・あけぼの 下 小説枕草子
    中宮が死んでしまうのは歴史的事実。それはわかっているけれど、中宮がしんでしまい、安泰だと思っていた清少納言の人生もかわっていく。清少納言は落ちぶれた、と言う話がおおいけれど自らその道を選んだような気もする。
    栄枯盛衰だなぁと思った。
  • とりかえばや物語
    女らしい男の子と、男らしい女の子の兄弟が、入れ替わって生活して、なんやかんやで、最後は男の子が男の生活、女の子が女の生活に戻り、万事丸く収まるという、まあ都合のいい平安時代の物語。
    平安時代の昔から「男性社会」に不満をもっている女性がいることが新鮮でした。
  • 田辺聖子の古典まんだら(上)
    古典(古事記、土佐日記など)をお聖さんが解説した講演をまとめたもの。
    講演が元になっているものなので、とても読みやすいです。

    私は清少納言が大好きなので、枕草子のところは涙なしには読めませんでした。
  • 新源氏物語(上)
    上中下で源氏の一生部分を描いた現代語訳。
    原文と離れた部分もあるけども読みやすくて柔らかい。
    「あさきゆめみし」が好きならかなり読みやすい。
    「あさきゆめみし」は大分この源氏物語を参考にしたんだろうなと思われる。源典侍のエピソードとか。
    あ、末摘花はもうちょっと良い感じで描かれてます。

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  • 歳月がくれるものまいにち、ごきげんさん
    女性としての基本の「き」に立ち返らせてくれる、優しいエッセイ。心がほぐされるような著者の言葉がすっと入ってきました。
  • ヨーロッパ横丁たべあるき
    この本は、かの、おっちゃんとの会話体が載っている
    という貴重なもの。この冒頭からして面白い!
    そのあと聖子さんの回想記が続くのだけど、ものの例え
    やら言い表しかたがやたらおかしい。
    ヨーロッパを大阪人が語るというカンジをすごくだして
    くれていて、最高!
    ぜひ、新装で復刊して欲し~い。
  • 田辺聖子原作シリーズ 1 金魚のうろこ
    『あんたが大将』、『見さかいもなく』、『金魚のうろこ』、『達人大勝負』、『夢笛』の5編収録。
    田辺聖子の原作を鴨居まさねが描く。

    「女はフットワークが軽くなくなったら終わりやな」(見さかいもなく)や「笑えっ 笑わんかい いっぺんでも数多く笑(わろ)たほうが人生は勝ちやねん」(夢笛)のように、『金魚...続きを読む
  • むかし・あけぼの 下 小説枕草子
    「枕草子」をもとに、清少納言の生涯を描いた伝記的小説。
    臨場感に溢れ、喜怒哀楽がすなおに染み込んで来る内容です。

    聡明で優しい中宮定子(一般にはていし、ですがこの作品では、さだこ)のもとに仕え、この上ない幸せをかみしめていた清少納言こと清原海松子。
    995年、定子の父・道隆が亡くなり、その弟の道長...続きを読む
  • 歳月がくれるものまいにち、ごきげんさん
    田辺聖子さんが今、どうしていらっしゃるのか
    ずっと気になっていたので、この本が出てホッとした。
    去年のインタビューをまとめたとあるので。
    女性誌で連載していたことを全然知らなかった。
    こうして本にしてくださって感謝!です。
    聖子さんの優しい語り口調に、私は冒頭から涙です。
    とっても胸に沁みました。
    ...続きを読む
  • むかし・あけぼの 上 小説枕草子
    清少納言の生涯を描いた傑作。
    なめらかで自然な文章で、すっかり引き込まれました。

    歌人として評価されていた家系で、清原元輔の娘。
    本名は不明だけど、この作品では海松子(みるこ)。
    父親っ子で当時の女性としてはレベルの高い教育を受けていた。

    橘則光と結婚。
    この作品では、他の妻が産んだ子供を育てる...続きを読む
  • 夢のように日は過ぎて
    タヨリさん大好き!「アラヨッ」のかけ声もスキ。
    もう3回くらい読み返してる。何度読んでもたのしい。
    タヨリさんのたくましさ、お茶目さ、面白さ。たのもしい!
    自分に元気がなくなってくると読みたくなる小説です。
  • 歳月がくれるものまいにち、ごきげんさん
    この一冊を読む間に何度泣いたことか。ぐっと心に迫ってくる言葉のあまりの優しさにたまらなくなってしまうこと多々。嗚呼。おせいさんに言わせると、私なんてまだまだ子どもなのだろうな。1年後、5年後、10年後、20年後…少し経験を積む度に引っ張り出して、再度この優しい言葉たちに包まれようと思う。永久保存必至...続きを読む
  • とりかえばや物語
    男女入れ替わりの原型ともいえる名作。
    宰相中将のぶれないクズさがいい味を出してる。
    特に終盤などはかなりご都合主義なところもあるけど、男装した宮廷人が月一回実家に戻るとか、ところどころにある妙に現実的な描写が面白い
  • 私的生活
    このひとの言葉遣いが好き。
    向き不向きを、向き向きといっていたり。
    何だかとても人生を、
    女を謳歌している姿
    ひとつの場所に留まらないところ
    見習いたいなと思う。