田辺聖子のレビュー一覧

  • 春情蛸の足
    見たことのある、食べたことのある料理が
    これ以上なく、美味しそうに描かれている。

    語彙の豊かさ、的確にしてとびきりうまい
    言葉選びによって、現れる料理の
    艶っぽく、ほくほくで、滋味溢れ、
    味わい深いこと。
    視覚で与えられ、脳内で膨らみ、
    口の中に玄妙な味が広がる。

    料理だけでなく、
    男女の情愛、...続きを読む
  • 上機嫌な言葉 366日
    ふとした時に目を通したい本
    家に置いておきたいから買おうかな

    どうしてこんなに深い言葉を考えつくのだろう

    心にずしっとささるフレーズが多々あった

    人間は、自分がしてもらうだけでなしに、相手にしてあげる面白さ、喜びをおぼえた方が、愉快である。

    いい友達を持ってる、いうのが、人間のいちばんのお手...続きを読む
  • 女は太もも エッセイベストセレクション 1
    長いこと時間をかけて読む羽目になってしまった。
    「この雰囲気をなんと言うべきか」と考えてみたが、女性が集まった時に、彼とのナニを詳細に語る程の下品さを備えているかと言われれば違うな、と。
    どこか、お笑い芸人の、どぶろっくさんの歌のような雰囲気か、とちょっとずれているように思ったが、頷けるような気がし...続きを読む
  • 孤独な夜のココア
    面白い。最後の1ページの端をよく折った。やっぱり知らない世界の男女の駆け引きがいい。「雨の降ってた残業の夜」と「ひなげしの家」がとくに好き。
    「人間のきもちは、さざ波の波紋のようなものだから」
    「可能性のギリギリまで自分を表現して、せい一ぱい人生を生きているように、自分で誇らしかったのである」
  • 苺をつぶしながら
    田辺聖子さんの本を初めて読みました。
    主人公の乃里子さんはおしゃれで自立していてとても明るい性格。ポジティブで考えもしっかりしており憧れます。
    物語が良いのは言わずもがな、文体はキラキラした光の粒が弾けるようでとても素敵でした。
    40年の時を経ても色褪せない、はたらく女性のバイブル。読むことができて...続きを読む
  • ジョゼと虎と魚たち(下)【電子特典付き】
    アニメの映画から知り短編の原作も拝読しました。上巻の絵がアニメと変わらず美しく、映画では見逃してしまうシーンを何度も見ることが出来ました。ジョゼと管理人のひたむきな愛情が素敵です。
  • おちくぼ物語
    長孫が読みたくて購入した本。孫のあとで読みました。孫はこの後どんどん古典小説にはまっています。私はまあまあ面白いとも思いましたが、
    昔昔、源氏物語に若い女性がはまり、みんな読んでいました。今は瀬戸内寂聴さんだけれど(孫の読の読むのは)私の時はやはり女流作家の…思い出せない

    田辺聖子さお訳は、わかり...続きを読む
  • ジョゼと虎と魚たち
    田辺聖子作品の女性のしたたかさ、素直さ、両脚でしっかり立ってる感じ、好きだ。舞台の昭和終盤に想いを馳せながら読むのも好き。(この本の初刊は私の生まれ年に出てる)
  • 人生は、だまし だまし
    なかなかいい。ほどほどにいい 人生の指南書にしてみっか。
    「多くの事を中途半端に知っているより、何も知らないほうがいい」サルトル
  • 苺をつぶしながら
    1982年に刊行された作品。今ではおひとりさまなんて、普通のことすぎて、わざわざ「おひとりさま」なんて言葉も使わないくらい当たり前なことになってるけれど、女性一人愉しく生きていくっていう感覚は、当時はかなり新しい視点だったんだろなぁと思わされる。
    「一人ぐらしの楽しさは、この孤独の恐怖と、うらおもて...続きを読む
  • 田辺聖子 十八歳の日の記録
    2019年の6月6日に亡くなった田辺聖子さんのご遺族が、遺品を整理している時に発見したという、聖子さんの昭和20年4月1日から、昭和22年3月4日までの日記。
    樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大学)在学中の満十七歳から、卒業までである。

    学徒動員で工場にて飛行機の部品を作り、大阪大空襲では家を焼...続きを読む
  • 孤独な夜のココア
    小さな宝石箱に、ひとつずつ大事にしまっておきたいような恋の記憶。
    柔らかい関西弁で綴られた、甘くてほろ苦い12編の短編集。
    全部読んでしまうのがもったいないくらいだった。
    ここに出てくる男性に、私も同じように恋をしたような気持ちになって、こまやかな描写に心が震えてしまった。
    出てくる女性も、とても可...続きを読む
  • 言い寄る 1

    リアルな恋愛模様

    思わず読み込んでしまいました。軽快な流れなのでパラパラと読めますが結構な濡れ場も入ります。大人の漫画という印象です。
  • 苺をつぶしながら
    《言い寄る》三部作でこれが一番すきです。
    乃里子が剛と結婚を解消してからの物語。

    乃里子が生き生きと暮らしている姿を想像するだけで楽しく《まあ何てことでしょう》事件は笑えました。

    三作目にして初めて剛の良さがわかった気がします。
    乃里子と剛の関係性がすごくいい!

    時々乃里子が自分の服装を書いて...続きを読む
  • 【無料お試し版】「ジョゼと虎と魚たち」試し読み合本

    魅惑の作品

    「ジョゼと虎と魚たち」は恋愛小説のなかでも有名作品であり、独特のそのファンタジー性が読者を物語の世界へ自然に引き込む魅惑的なお話だといえます。この作品では小説に加えてコミカライズされたキャライラストも連載されており、ファンにとっては是非読みたい一冊だと思います。
  • 言い寄る
    毎月一冊文庫本を買う!わたしのマイルールです。
    フォローしている方のレビューを読んで、読みたいと思っていたこの本が今月の一冊です。

    主人公乃里子はとても魅力的な女性です。
    なので、男性に言い寄られるのですが、乃里子が愛している五郎にだけは自分からはどうしても言い寄れない!

    そんな乃里子がとても可...続きを読む
  • 春情蛸の足
    食と恋の短編集、ただし登場するのは出汁で食べさせる大阪の味とコテコテの関西人しかも中年。美味しそうな料理とユーモアと関西弁が満載です。
  • 甘い関係
    相変わらず美しくて可愛い恋する働く女性たち。食事なり金なり男なり、どん底に落ちた時の回復方法をそれぞれ心得てるのが頼もしい。その人しかいないって思う場面も、そこから冷めてしまった自分に気づく悲しい瞬間も、恋の全フェーズが詰まってる。惨めな時もユーモアの隠し味があって、最近は田辺節しか読めん。。
  • 苺をつぶしながら
    人生の「事実」は「お話」に昇格してこそ値打ちがある、っていうのは2019年ぐらいからわたし思ってたことそのまますぎる
    最後の解説読んで涙がほろり…こんなに孤独を乗りこなすのに最適な物語はない。人生のその場その場の役割に没入できないのが今のわたしの問題だなと思ってたけど、多少浮世離れしてても全身で今を...続きを読む
  • 私的生活
    後書きに人生の全てが詰まってた。愛の苦瓜のような小説。ずっと同じ気持ちで一緒に居続けるのは無理に近いし、居続けていたとしてもだましだましっていう言葉がしっくりくる。あと一冊で終わっちゃうのが悲しすぎて