亀山郁夫のレビュー一覧

  • 人生百年の教養
    亀山氏というと、ドストエフスキーの翻訳が有名だね。いくつか本を読んでいるし、佐藤優氏との対談も読んでいる。本書は、亀山氏の読書を中心とした知の変遷。興味は惹かれつつ、ドストエフスキーとかロシア文学から感じられるカタサのようなものから、退屈なんじゃないかなぁなんて思ったものだけど、予想よりも面白かった...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻
    暫く間が空いたが、今日5巻を読み終えた。感想は?と聞かれると少し躊躇する。あまりにも表現が、気持ちが、そして神とのつながりや断絶が強すぎ、理解できない部分が多い。作者の神経の繊細さと激しさ、愛への狂おしいほどの猛進。兎に角もう一度読まないと理解は半分かもしれない。ロシアの人名や地名の難しさ。特に人名...続きを読む
  • 未成年2
    ドストエフスキー五大長篇のひとつ。カラマーゾフの前の4番目の作品。

    1巻を読んで間が7ヶ月空いているので、記憶を呼び起こすのが大変だったが、亀山郁夫さんによる「読書家ガイド」に1巻の振り返りがあったので助かった。

    内容は、登場人物が全員一筋縄では行かない人たちばかりで、だれに感情移入したものやら...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉
    ひとまず1巻目。
    橋田壽賀子ドラマもかわいく思えてくる、長ゼリフのオンパレード。
    その一つひとつが激しくて、蒸気機関車がかわるがわる頭の中を走り抜けていくような読み心地。
    グルーシェニカの悪女っぷりがすごいな。
    カテリーナさん(なんか、「さん」つけたくなる)がかわいそうじゃないか……。
    アリョーシャ...続きを読む
  • 罪と罰 2

    話が動いてきた

    あい変わらず登場人物の感情や行動はよく解らないところがあるが、
    まぁ現実世界でも他人の考えてることは解らないのだから
    そういうものかもしれない。
    話が動きだして面白くなってきた。
    マルメラードフの件はなんとなく身につまされるものを感じる。
    それはともかく、ラスミーヒンはいい奴だ。
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉
    ロシアの文豪ドストエフスキーの最高傑作といわれる長編小説。モームの世界の十大小説にも数えられる超名作。

    キャラ立ちが濃すぎるカラマーゾフ一家の面々に、金と女と信仰がからんでドロドロな世界観が出来上がっている。難しいイメージの本作だが、興味深い人間関係やリアルさのある各人物の心情に入り込みやすいため...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉
    第4巻は、かなり文学的な、じっくり読める内容。それにしても、よくずっーと高揚した物語が続くものだ。だが、アリューシャの影が薄い。12歳?のコーリャだってほとんど大人と変わらないぐらい心を顕にしてるのに。後半のイワンも凄い。でも、賢く理性的だったはずのイワンもミーチャと凄く似てきた。カラマゾフ家ののろ...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉
    池田健太郎訳 中央公論社で検索したが、探せなかった。たぶん内容に違いはないと考えての感想。
    最初はアリューシャの話だが、性格がよくわからない。周りはアリューシャの純真さ、崇高な心を褒め称えるが、読んでいて、よくわからない人物。
    だが三巻は大半がミーチャの話。異常なほど真面目なのか、乱暴者なのか、金銭...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉
    ゾシマ長老死後のアリーシャの動き、フョードルが殺されミーチェが護送されるところまでの3部。

    アリョーシャの人間的な変化(進化?)が、内面の動きに加えて実際のグルーシェニカに与えた「救済」という外部的な動き含めて、機微が非常に詳細に描かれており、冒頭から引き込まれ、そのままグルーシェニカが今度はミー...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉
    大審問官とゾシマ長老の伝記的内容が「対」になっているようにも見えたが、訳者の解題の通り、イワン陣営VSアリョーシャ陣営で見るととても構造が理解しやすかった。

    キリスト教が15世紀間の間に前提とした条件などが変わることで、既に実用に耐えうることができなくなっているという投げかけや、キリスト教が課した...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻
    ついに読み終わりました。
    読み終えた自分を褒めたいです。
    後半はとても面白く読めましたが、
    それでも難解で、解説を読んで補っています。
    登場人物が一筋縄ではいかない感情起伏の激しい人々ばかりの中、アリューシャは、ホッとする存在でした。最後の言葉が意味するものは何なのか?
    しばらく考えています。
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉
    読書ガイドから抜粋

    僧侶は、妻帯を禁じられた黒僧、妻帯を許可された白僧の2種類に分かれ、19世紀半ばではだいたい2対5の割合で存在し、どちらの種類の僧侶も、僧衣の色はほぼ黒と定められていた。教会で地位を築くには黒僧になるのが必須だったため、アリョーシャが婚約したのはかなり攻めていだとも言える。

    ...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉
    1巻、2巻は難しい内容で、わからないまま読んでいましたが、この第3巻は怒涛の展開で、とても面白かったです。
    ミーチャの言葉や行動がようやく理解でき、応援したくなりました。真相はどこにあるのか?4巻が楽しみです。
  • 悪霊 1
    ドストエフスキーの本、以前挑戦した時は名前の法則の難しさ、(リーザとエリザヴェータは同一人物か?)などが把握しづらく挫折したが、本書の巻末の「読書ガイド」にて解説が添えられている。

    ヴェルホヴェンスキー氏とワルワーラ夫人の関係がよくわからず、不思議だった。はじめは夫人の子供の家庭教師だったのか?と...続きを読む
  • 罪と罰 2
    推理ものを見ているようかの気分だ。ラスコーリニコフは冷静ではなく、聞いてもいないのに自分に不利になるような挙動を取り続ける。罪の意識は人間をこんなにも非合理に走らせるのだろうか。
  • 未成年1
    いつもながらの複雑な人物相関に翻弄される。
    キレイには頭に入らない。
    「ロスチャイルドになる!」と宣言したあたりからは一気に読み易くなる。
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻
    エピローグ。
    ドミトリーとカテリーナの和解。
    (引用)こうして二人は、ほとんど意味もなく、狂おしい、ことによると真実とかけはなれた言葉をたどたどしく交し合っていたが、この瞬間にはすべてが真実であり、ともにひたむきに自分の言葉を信じていたのだった。

    この二人はその場の情熱で自分にも嘘を吐くし、似たも...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉
    4巻の冒頭「少年たち」。1巻冒頭の「著者より」や亀山先生の100分de名著での解説が無かったら、またドストエフスキーの悪い癖で、主題に関係ない道草かと思ってしまう処。
    チョッと小生意気な少年、コーリャの登場と不幸な少年イリューシャの死期。彼らとアリョーシャのやり取りが次の物語の開始となる。

    次兄、...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉
    3巻目。なんと!話は3日目。長男ドミートリー(ミーチャ)に関して言えば、2日から3日目の話。他のドストエフスキー長編のように主題からズレることなく、グイグイ進むので、恐れていた読み辛さは少ないかな。ミーチャの段については流石に長いなと感じる。日本の出版から編集者を遣わしたいと思う処。

    最初はゾシマ...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉
    1巻を読んでいる時は、分からない宗教の話が続いて挫折しそうになったが、個人的には面白いと感じる事がようやく出来た2巻目だった。
    主人公達を取り巻く主要なサブキャラ達がしっかり出てきて特徴を掴めてきたから面白さを感じられたのかもしれない。
    キリスト教ではないし、ロシアの歴史はほとんど知らないが、読み進...続きを読む