亀山郁夫のレビュー一覧

  • カラマーゾフの兄弟〈4〉
    4巻まで来て達成感を覚えつつある。

    クライマックスの緊張感に圧倒されつつ、第10編のコーリャとアリョーシャの問答、11編のイワンとスメルジャコフとの対話が印象的。

    スメルジャコフってよくないね、と思った。
  • 悪霊 3
     もう一度読んでみたい。 一度読んだだけでは、作者が意図することを読み取る力が足りない。訳者あとがきを読んで初めて、あーそういうことだったかと少しわかった気になる。だからもう一度通して読んでみたい。
  • 悪霊 1
    ドストエフスキー。物語が動き出すと格段に引き込まれるのだが、前半の人物描写の部分(大いに伏線があるのだ)が、なかなか退屈で読み進まない。そこを超えると面白くなってくる。
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉
    第3部で展開されたストーリーが第4部では総括される形になった。純文学として読み始めたがいつの間にか犯人は誰なのか、と考えている自分に気づき、いつの間にかミステリーの世界に迷い込んだ感覚がした。とは言ってもやはり純文学。カラマーゾフの兄弟が示す命題は読者の数々だけあると言っても過言ではないほど考えさせ...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉
    第1部、第2部に渡って神はいるか、いないか、などを挙げ、宗教面を引き合いに出したりアリョーシャを通して相関関係を我々読者が(カテリーナの件についてを除いて)説明的に理解していたったのは全てこの第3部のためにあったと感じた。 また、第3部まではアリョーシャが軸となっていたわけだがゾシマ長老の件があっ...続きを読む
  • ドストエフスキー 父殺しの文学 (上)
    下を読んでいないので、確定ではないのだが、著者のドストエフスキー作品への肉薄は並々ならぬものがある。父殺しという結論は正しいのかわからないのだが、そこにせまる過程は鬼気迫るものがあり、思わず引き込まれてしまうのだ。
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻
    エピローグ自体は静かなもので、第2小説、つまり、アリョーシャがより主人公として動く物語があってこそ完結することを伺わせた。

    解題で、ミーチャ、イワン、アリョーシャの特徴、性格があらためて指摘され、多くの気づきがあった。これで☆5つ。
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉
    検事と弁護士のやりとりは息が詰まるような切迫感。結論は出ないのが文学か。スメルジャコフを含む4兄弟が織りなす悲劇。女性の描き方の見事さ。父親という存在の重要性を描いたのは、母性神話がある現代ではかえって新鮮。
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉
    まぁ圧巻でしたわ。
    大審問官における「自由とパンとは両立しえない」と、人間に選ぶ自由を与えた神を責める巧みさには舌を巻く。
    これはもう人間の弱さにつけ込んでくる悪魔そのものの思考だと思ったね。
    ひとはパンだけで生きるものじゃないと聖書に書いてあるのは、それがどれほど難しいことか神ご自身が良くご存知だ...続きを読む
  • 罪と罰 2
    この粒だった登場人物たち。ひとりひとりの末路はどうなるのか?
    (みんな名前は覚えにくいけど...)
    殺した犯人は、司法的に、そして気持ち的に、許されるのか?逃げ切るのか?
    テーマがセリフで厚塗りされて、その左官作業の果てに、ひとりひとりが人間らしく跋扈しはじめます。
    分厚い。分厚いです、ドストさん。...続きを読む
  • チャイコフスキーがなぜか好き 熱狂とノスタルジーのロシア音楽
     数年前、急遽、チャイコフスキイの弦楽セレナードで舞台に乗ることになった。1カ月で合奏から脱落しない程度に難しい譜面をさらわなければならず、文字通り気が狂ったように練習した。自分のパートをさらうのはきつかったが、合奏練習に行くとそれは喜びに変わった。冒頭のノスタルジーをかきたてられる旋律、見たことも...続きを読む
  • 新カラマーゾフの兄弟 下
    西ヶ原の回想が懐かしい。東京外語OBには必読かも。亀山先生と原卓也先生とはこんな関係だったのかと思うと、改めて興味深い本である。
  • 新カラマーゾフの兄弟 上
    西ヶ原の回想が懐かしい。東京外語OBには必読かも。亀山先生と原卓也先生とはこんな関係だったのかと思うと、改めて興味深い本である。
  • 悪霊 3
    一番好きな小説。自分が歳をとったからなのか、亀山さんの訳が分かりやすいのか、これまで何度も読んできた本のはずなのに、新たな気づきも多く、世界も広く感じられた。
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉
    ミーチャの出番が多く、350ページあたりからやっと父殺しが発覚する三巻。
    その辺りからはテンポもよく、かなり読みやすくなったように感じた。

    ミーチャは高潔なのかもしれないけど、身近にいたら断じて関わりあいにはなりたくないタイプだと思う。
    素直で純粋な面も多いが、それ故にかあまりに直情的すぎて危険に...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉
    2015年13冊目。

    4部に渡る大傑作の最終巻。
    父殺し事件における長男ドミートリーの罪の有無を巡る裁判がついに行われる。
    その有罪無罪を巡る検事イッポリートと弁護士フェチュコーヴィチの弁論は、これまでの物語の中で現れてきた(あるいは現れてはいなかった)事実の解釈が一気になされ、とても見所のあるク...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉
     第二部第四篇〜第六篇を収録。カテリーナとグルーシェニカの口論、イワンによる物語詩「大審問官」、ゾシマ長老の回心の物語。アリョーシャを狂言廻し役としながら、「信仰」と「秩序」との関わりという物語の中心的な主題が姿をあらわす巻。
     こうして見ていると、「民衆」をめぐる思考という点で、「昭和10年代」の...続きを読む
  • ドストエフスキー 父殺しの文学 (上)
    【読書その104】ドストエフスキーの数多くの著書の翻訳を手がけた亀山郁夫氏の父親殺しというテーマwp中心に分析した本。当時の時代背景や著者の人生の歩みを知るとこんなにも小説に深みを感じることができるのかと感動。
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉
    一年ほど前に購入済みでしたが、長い間放置してたのをやっとまた読み始めました。
    一編・二編が…キツくて…。
    修道院での会合もなんか掴みにくくてそのあたりで投げ出してしまった。
    が、そこを過ぎて三編からはだいぶスイスイと読めるようになってそこからはあっという間に読めました。

    まだこれからどうなるのかは...続きを読む
  • 悪霊 2
    高校からかれこれ5回は読んだ。
    そのうち4回は江川氏の訳
    亀山訳はすこしセンチメンタリズムに走っているような気がする