亀山郁夫のレビュー一覧

  • 未成年1
    いつもながらの複雑な人物相関に翻弄される。
    キレイには頭に入らない。
    「ロスチャイルドになる!」と宣言したあたりからは一気に読み易くなる。
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻
    エピローグ。
    ドミトリーとカテリーナの和解。
    (引用)こうして二人は、ほとんど意味もなく、狂おしい、ことによると真実とかけはなれた言葉をたどたどしく交し合っていたが、この瞬間にはすべてが真実であり、ともにひたむきに自分の言葉を信じていたのだった。

    この二人はその場の情熱で自分にも嘘を吐くし、似たも...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉
    4巻の冒頭「少年たち」。1巻冒頭の「著者より」や亀山先生の100分de名著での解説が無かったら、またドストエフスキーの悪い癖で、主題に関係ない道草かと思ってしまう処。
    チョッと小生意気な少年、コーリャの登場と不幸な少年イリューシャの死期。彼らとアリョーシャのやり取りが次の物語の開始となる。

    次兄、...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉
    3巻目。なんと!話は3日目。長男ドミートリー(ミーチャ)に関して言えば、2日から3日目の話。他のドストエフスキー長編のように主題からズレることなく、グイグイ進むので、恐れていた読み辛さは少ないかな。ミーチャの段については流石に長いなと感じる。日本の出版から編集者を遣わしたいと思う処。

    最初はゾシマ...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉
    1巻を読んでいる時は、分からない宗教の話が続いて挫折しそうになったが、個人的には面白いと感じる事がようやく出来た2巻目だった。
    主人公達を取り巻く主要なサブキャラ達がしっかり出てきて特徴を掴めてきたから面白さを感じられたのかもしれない。
    キリスト教ではないし、ロシアの歴史はほとんど知らないが、読み進...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉
    この本について知りたかったら、訳者の亀山先生のNHK100de名著、または本書の後書きの「読書ガイド」を読めば十分だと思うけど。

    今まで読んだドストエフスキーと違い、構成がしっかりしている。勿論、嫌になるほど饒舌で長いけれど。この第2巻はまだ2日目のことなんだよ。驚いたことに。
    長男ドミトリーと美...続きを読む
  • 罪と罰 1
    3部まとめての感想。

    この文庫本は最後に訳者からのヒントみたいな解説が載っているので、満遍なく理解できた。

    その上で...全編飽きることなく面白かった。
    ドストエフスキーの表現だったり構成がとても面白いと思うのだけど、日本語にしても面白いのは訳者の努力だと思う。
    ドストエフスキーの表現力というの...続きを読む
  • 白痴4
    ムイシキン公爵とアグラーヤの諍いはアグラーヤがハリネズミをプレゼントして収まる。公爵を紹介するために開かれたエバンチン家主催の夜会で、公爵は恩人・パヴリーシチェフの改宗の話を聞いて興奮、自説を弁じたのちに発作を起こし、中国製の花瓶を割ってしまう。

    アグラーヤとナスターシヤが面談、2人はロゴージンと...続きを読む
  • 白痴3
    3巻で目立つのは幼さが残るもう1人のヒロイン・アグラーヤとイッポリート。

    ムイシキン公爵を含む、エバンチン家の別荘に集った人たちは野外コンサートに行くが、会場にナスターシヤが現れる。大騒ぎになる中、ロゴージンがナスターシヤを連れ去る。公爵の誕生日祝いでイッポリートは「わが必要不可欠な告白」を朗読、...続きを読む
  • 白痴2
    作者が語り手となり始まる第2巻。第1巻の半年後から始まる。この半年の間の出来事は後から薄っすらと提示される。

    遺産を手にして大金持ちになったムイシキンは公爵はロゴージンと再会し十字架を交換するが、ホテルでロゴージンに襲われ癇癪の発作を起こす。別荘に移り住み、訪問客に囲まれた公爵の前に、遺産の正式な...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉
    宗教的な内容や人の呼称など、日本人には取っ付きにくい内容が多いが、内容は面白い。
    続きを読みたいと思う。
  • 白痴4
    ムイシキン公爵、ロゴージン、ナスターシャ、アグラーヤの4人をめぐる恋愛小説である。ナスターシャが殺され、アグラーヤの素直な性格のみ際立つ感じがする。皆が幸せになっていない分、幸せとは何かを考えさせられた。
  • 未成年1
    ちょうど新潮文庫版を読み終わったところに新刊として出たので、確認のための再読がてら読んでみた。一人称が「ぼく」なのはよい。新潮版でいちばん違和感があったのは「わたし」の持つ冷静さや大人感。こちらの訳だと、語り手の青くさいところや激高しやすいところ、現実をよく知らないくせにわけわかんないオレオレ理論に...続きを読む
  • ドストエフスキー『悪霊』の衝撃
     私にとって『悪霊』はドストエフスキー作品への入り口であり、大学の講義のテキストとして強制的に読まされたにもかかわらずその破滅的な物語の魅力に今でもとりつかれている。この本は亀山郁夫先生とリュドミラ・サラスキナさんのトークセッション及び後日亀山先生がメールで送った質問表と、サラスキナさんの回答で構成...続きを読む
  • 悪霊 3
    最後の最後まで作品からの圧力が凄かった
    滅茶苦茶だった あまりにも人が死にすぎた
    昔のロシアでこんな物凄い作品が書かれていたことに驚いた

    読者ガイドにもあるように、ヴェルホヴェンスキー氏は面白おかしく人間味あふれる人物だった
    彼が出てくるシーンは何故かホッとしていた
  • 白痴1
    ムイシキン公爵とロゴージンと美女ナスターシャをめぐる三角関係の話。ロシア人は登場人物が欲望のまま行動するところは興味深いと感じた。幸せとは何か?を考えさせられる。ドストエフスキーの抱えていた苦悩もよく表現されていると感じた。
  • 悪霊 2
    登場人物それぞれが個性が強くて面白い
    いびつでカオス
    どうやって終わるのか楽しみ
    いつかまた読み直す
  • 罪と罰 3
    1人の青年の破滅と再生を描く作品 「優れた人間が世のために行う殺人は正当化されうるか」というテーマを取り扱っている。 ドストエフスキーの作品全般に言えることであるが、とにかく登場人物のバラエティの豊かさに驚かされる。 どんな作品でも、登場人物は大なり小なり作者の影響を受けるため、なんとなく共通した雰...続きを読む
  • 悪霊 1
    他のドストエフスキー作品と同じように、初めは名前を覚えるのが大変だった
    序盤はそうでもないが、途中から段々と変な雰囲気になってきた
    登場人物の一人一人に細かい設定があってすごいなあ
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻
    3兄弟と父殺しのいきさつ、下男のスメルジャコフ、2人の女性グルーシェニカ、カテリーナとゾシマ長老が登場するこの話は登場人物のキャラクターが興味深い。キリスト教的な死への恐怖、ロシア人の女好きな男ども、ドミートリーの大審問官等描いている人間の本性はとても奥深い。名著と言われるゆえんだろうか?