教えてあなたの#キッカケマンガ【アニメディア×ブックライブ 特別連載企画】 第4回 梶裕貴さん 人気声優に好きなマンガとそのキッカケをインタビューする特別連載企画!直筆サイン入りポラロイドのプレゼントも!

電子書籍の魅力をお届けする、雑誌『アニメディア』と電子書籍ストア「ブックライブ」とのコラボ企画第4弾。今回は数々の人気作品で活躍する梶裕貴さんが登場! マンガだけでなく小説も含めて本好きという梶さんに、好きな作品やお仕事で関わる作品への思いを語っていただきました。

梶裕貴 PROFILE【かじ・ゆうき】
9月3日生まれ。東京都出身。ヴィムス所属。主な出演作は『進撃の巨人』エレン・イェーガー役、『七つの大罪』メリオダス役、『僕のヒーローアカデミア』轟焦凍役、『からかい上手の高木さん』西片役など。

役者としての糧にもなると思うからこそ貪欲に“読みたい”と感じます

梶裕貴さん

――この企画ではハマったり影響を受けたりした書籍についてうかがいます。梶さんが子ども時代にリアルタイムで楽しんでいた作品は、どのあたりになりますか?

僕はちょうど「週刊少年ジャンプ」で『ONE PIECE』(尾田栄一郎/集英社)や『NARUTO―ナルト―』(岸本斉史/集英社)の連載が始まったあたりの世代ですね。あとは、小学生のころにアニメが放送されていた『シュート!』(大島司/講談社)とか。僕は『シュート!』がきっかけで、実際にサッカーを始めたりしましたから。
マンガを読んで、その登場人物になりたい! と思うことはよくありました。結果として、今させていただいている声優の仕事で、それを役として疑似体験できているのは、非常にありがたい環境なんだと思いますね。

梶裕貴さん

――読書がお好きと伺っています。日ごろから書店にはよく行かれるんですか?

本屋さんへ行くこと自体が好きですね。今、何が求められていて、何が評価されているのか……「売れているもの」には必ず理由があるはずなので、そういう部分にも注目してベストセラーをチェックしています。ひとりの作家さんからはじまり、その方のほかの作品も読んでみようと思ったり、このジャンルが好きだから、次はこっちの作家さんの作品も読んでみようかなと思ったり。そういった形で好みの幅を広げていく感じですかね。あと、よく見かける「書店員さんのオススメ」も、本当の本好きの方が選ばれているものだから間違いないだろうと思い、積極的に読んでみたりしています。

梶裕貴さん

――声優としてマンガ作品に関わることも多いかと思います。お仕事がきっかけでハマることはありますか?

もちろんあります。関わらせていただくことで当然原作ファンにもなっていきますし、キャラクターを演じさせていただく以上は、誰よりもその役を愛し、誰よりも理解していたいなと思いますから。
でも、仕事で関わるものだからこそ、逆にマンガをあまり読まなくなってしまった部分もあると思います。いずれその作品がアニメ化して、自分が関われなかったとしたら、すごく悲しいだろうなと思ってしまうので……。オーディションを受けるとき、役を掴むために原作を読んで、思わず好きになることが多いんですけど……ある程度のところで気持ちを止めてしまいますね。だって、勝手に好きになってフラれるのは、つらいじゃないですか(笑)。

梶裕貴さん

――時には、お好きな作品とお仕事がつながることもあるのでは……?

進撃の巨人』(諫山創/講談社)は、原作の第1巻が発売されたときから話題になっており、僕も読んでいた作品だったのでオーディションに合格したときは本当にうれしかったですね。『からかい上手の高木さん』(山本崇一朗/小学館)も、面白いマンガはないかなと調べて見つけ出した作品で、実際に読んでみたら本当に面白くて。偶然にもその直後にアニメ化が発表され、オーディションを受けさせていただいた結果、ありがたいことに役をいただけたという感じでしたね。
でも、そうしたありがたいケースの10倍以上は、日々オーディションに落ち続けているわけで……僕らの仕事は基本そういう感じですから。なので、小説のほうが積極的に読もうと思えたりしますね(笑)。本当はもっと気楽にマンガが読めたらいいなと思います。

――梶さんは少年マンガ原作のアニメへのご出演も多いですね。

「週刊少年ジャンプ」で『ワールドトリガー』(葦原大介/集英社)や『僕のヒーローアカデミア』(堀越耕平/集英社)、「週刊少年マガジン」で『七つの大罪』(鈴木央/講談社)、「週刊少年サンデー」で『マギ』(大高忍/小学館)と、さまざまな少年誌でメインの役どころを任せていただけたことは大変光栄に感じています。それぞれの雑誌にカラーがあり、その多くを経験できたのはかけがえのない財産ですし、今後も関わらせていただけたらうれしいですね。
『マギ』は少し前に最終回を迎えて……僕としても非常に感慨深いものがあります。一度関わらせていただいた以上、原作の最後まで演じたいなと思うのは、どの作品も同じです。どれも思い入れがあって好きな作品ばかりなので、もし再アニメ化などの機会があれば、いつでもそのキャラクターに戻れるように準備はしていたいなと思っています。

梶裕貴さん

――読書好きの梶さんにとって、本との触れ合いはどういったものですか?

「楽しい」「悲しい」などいろいろな感情を疑似体験できたり、その場にいながら違う場所へ行けたりする魔法のツールですね。いろいろな登場人物の気持ちになるのはとても体力がいることですが、なにより楽しいですし、役者として、ひいては人間としての糧にもなっていると思うからこそ、貪欲に“読みたい”と感じます。
僕は何をするにも「役者としてもっと成長するには何をすればいいのか?」ということが根底にあるタイプなので、その意識は読書に関しても大きいかなと思います。舞台や映画を観ること以上に想像力を働かせる分、自分の心や感性を動かすものがあるような気がしています。

梶裕貴さん

――普段、電子書籍をご利用されることはありますか?

電子書籍は仕事で使うことが多いです。出演作は基本的につねに携帯していたいですが、巻数が多いものに関しては紙の場合全巻持ち歩くのが難しいですし、現場で急に「ここに至るまでにどういうドラマがあったかな」と、すぐに確認しなければならない状況もあったりします。なので、そういったときに、電子書籍だと手軽に読めるのが便利ですね。
あと、たまたま長い空き時間ができてしまったときなどにも、スマホにダウンロードしている電子書籍があると救われることもあります。仕事のために読む本だけでなく、個人的に読みたい本も沢山ありますから。読書の時間を作るのはなかなか難しいことですが、電子書籍も上手に利用しながら、これからも色々な作品を読んでいけたらいいなと思います。

梶裕貴さん

My Favorite BOOKS

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章/作画:藤原カムイ 脚本:小柳順治 設定:川又千秋(スクウェア・エニックス)

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章/作画:藤原カムイ 脚本:小柳順治 設定:川又千秋(スクウェア・エニックス)

僕が小学生のときに触れた作品です。続きが読みたくて少ないおこづかいを握りしめ、本屋さんへコミックスを買いに行ったのを覚えています。当時「ドラゴンクエスト」シリーズは男子なら一度は通る道で、ゲームでしか遊べなかったものがマンガで読めちゃうんだ! と感動し、めちゃくちゃハマっていましたね。
僕は中学生のときに声優を目指しはじめたのですが、そのときにも自分のなかには『ロト紋』の印象が強く残っていて。主人公はアルスという名の勇者の男の子で……いつか、そんなアルスのようなキャラクターを担当できる声優になりたいなと。そんなこともあって、今でも僕のなかでは「勇者(主人公)=アルス」というイメージが漠然とありますね。選ばれし者ではあるけれど最初から強いわけじゃなく、出会いや別れを通して、仲間と一緒に成長し、みんなから頼られる人になっていく。そういう人が「勇者」であり「主人公」なんだと身に染みて感じた、いわば、人格形成に大きな影響を与えた作品です。僕自身、そうありたいと思う根っこにいるのは、きっと今でも『ロト紋』のアルスなんです。

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション/浅野いにお(小学館)

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション/浅野いにお(小学館)

夢中になって読んでしまう作品です。浅野いにお先生ならではの独特の世界観があり、キャラクターはすごくかわいらしいんだけれど、描いているのは人間の生々しい部分という、そのミスマッチさ・アンバランスさに魅了されます。連載中の最新作ということもあり本作を挙げさせていただきましたが、浅野先生の作品は『ソラニン』や『おやすみプンプン』など過去の作品も全部大好きです。
浅野先生の描かれるマンガの好きなところは、エグいくらいに人間の心を生々しく表現されているところ。そこから生まれるドラマや心理描写に、役者として本能をくすぐられる部分が多々あります。『ロト紋』に関しても綺麗事だけじゃない世界観というものに刺激を受けたので……僕はやっぱり「生々しさ」に惹かれるんですね。自分がお芝居をするうえでも、やはりそういう作品は魂が震えますし、演じていて楽しいなと思うことが多い気がします。

梶裕貴さん

蜜蜂と遠雷/恩田陸(幻冬舎)

蜜蜂と遠雷/恩田陸(幻冬舎)

ピアノのコンクールを通し、キャラクターそれぞれのドラマを丁寧に描いた作品です。僕も過去に音楽をテーマにした作品に関わらせていただいたりしましたが、本作は文字だけにも関わらず曲が聞こえてくる、そんな雰囲気が感じられる作品です。物語の軸になるキャラクターの誰もが魅力的で、温かい印象を受けつつも、人の心の葛藤とか歪んでいる部分も描かれていて、そこがとても好きだなと思いました。
「優勝者=ひとり」という過酷な賞レースで、それぞれ生い立ちの違うキャラクターたちがどのようにコンクールと向き合っていくのか? 芸術はもともと点数がつけられるものではないけれど、そこに優劣をつけるのがコンクールなわけで、その難しさ厳しさを痛いほど感じましたね。声の仕事にもどこか通じるものがあり、何が大切なのかを考えながら読んでいたところはありますね。芝居もそうですけど、技術があればそれでいいというわけではなく“何が伝えられるか”が一番大きいと思いますから。

何者/朝井リョウ(新潮社)

何者/朝井リョウ(新潮社)

朝井リョウ先生の作品が好きで、ほとんど読ませていただいています。こちらも、やはり人間の生々しさやリアルな表現が好きなポイントですね。『何者』はTwitterなどのSNSが加速度的に流行した当時の作品。そういった現代社会に生きる普通の人たちをリアルタイムで感じとり、それを小説という形にしてしまう、朝井先生のその嗅覚がすごいなと思いました。
それぞれのキャラクター像も本当にリアル。朝井先生は男性の作家さんですけれど、女性の気持ちもとても深く描かれていて、リサーチにかける時間や労力の大きさ、果てしない想像力の偉大さも同時に感じました。心の動きを掴んで文字にされるのがとても巧い方なので、そのアンテナの強さに毎回驚かされます。

進撃の巨人/諫山創(講談社)

進撃の巨人/諫山創(講談社)

原作ファンのひとりであり、アニメで主人公のエレン役をやらせていただいている作品でもあります。先日ふと「この作品にもいつか終わりが来るんだな」ということを感じて、それを考えると非常にさびしい気持ちになりました。もはやライフワークのように感じているところもあるので、どこかでずっとやっていけるものだと錯覚してしまっていたのですが……あらためて、本作もいつか確実に終わりがやってくる「物語」なんだなと。
それでも、マンガは本として、アニメはパッケージとして形が残るので、リアルタイム世代以外の方々にもいつか読み返してもらったり、観ていただけたらうれしいですね。自分がおじいちゃんになったとき、その時代の中学生くらいの子に「『進撃の巨人』って面白いね!」と言ってもらえたら幸せだろうなと思います。

【特別コラム】マンガや小説以外も読みまくる読書家の梶さん

ジャンルを問わず興味を持たれるという梶さん。そこで、マンガや小説以外でお気に入りの本も挙げていただきました!

話題になっている本は、わりとなんでも読みますね。『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健/ダイヤモンド社)というアドラー心理学の本があるんですが、これは哲学者と悩みを抱えた青年との対話形式で書かれています。そんな登場人物である青年と自分との共通点が多すぎて、思わずマネージャーに「僕のことが書かれているので読んでください!」と薦めてしまうほどでした(笑)。
『いのちの車窓から』(星野源/KADOKAWA)は、役者でありミュージシャン、さらには文筆家でもある星野源さんのエッセイです。過去にほかの本も楽しく読ませていただきました。星野さんは日ごろから本当にいろんなことを考えていらっしゃる方で、人間の綺麗な部分だけじゃなく、歪んでいるような部分も臆さず文字にされているんですよね。そういったいろんな感情や考え方を持っている方だからこそ、お芝居や楽曲を作ったときの表現も、あれだけ多彩で人の心に届くものになるのかなと感じています。読んでいて、純粋に面白い作品です。

梶裕貴さん

梶裕貴さん特別グラビアつき『アニメディア2018年3月号【ブックライブ特別版】』

アニメディア2017年10月号【ブックライブ特別版】

『アニメディア2018年3月号【ブックライブ特別版】』は販売終了しました。

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