教えてあなたの#キッカケマンガ【アニメディア×ブックライブ 特別連載企画】 第2回 谷山紀章さん 人気声優に好きなマンガとそのキッカケをインタビューする特別連載企画!直筆サイン入りポラロイドのプレゼントも!

電子書籍の魅力をお届けするべくスタートした、雑誌『アニメディア』と電子書籍ストア「ブックライブ」とのコラボ企画。第2回は谷山紀章さんが登場! 好きな作品について語り出したら止まらないほどのマンガ好きという谷山さんに、愛読書への深い思い入れを語っていただきました。

谷山紀章 PROFILE【たにやま・きしょう】
8月11日生まれ。山口県出身。賢プロダクション所属。主な出演作は『進撃の巨人』ジャン・キルシュタイン役、『文豪ストレイドッグス』中原中也役など。音楽ユニット・GRANRODEOのボーカルとしても活躍。

自分の声優という職業とマンガは、完全に切り離して考えています

谷山紀章さん

――この企画では、ハマったり影響を受けたりした書籍についてうかがっていきます。まず、谷山さんが影響を受けた作品はなんですか?

自分自身がマンガの影響を受けたという意味では『スラムダンク』(井上雄彦/集英社)の主人公・桜木花道以外にないですね。花道はバスケに対して「素人の強み」みたいなものを持っていて、それが今の仕事における自分の“指針”になったと思います。GRANRODEOを結成したとき、「俺は(音楽の)素人だから、知らないことを強みにしよう」という思いがあって、それはまさに桜木花道イズムだったなと。彼の姿で、自分のボーカルとしての立ち位置が決まりました。いまだに楽譜を覚えようとしないし、音楽の専門用語も知らないけど、ただ「歌う」っていうことを強みにしようと思えたのは、勝手に花道を自分に投影していたからですね。もちろんマンガ自体もリアルタイムで連載を読んでハマっていたけど、そういう意味でも花道は思い入れのあるキャラクターです。

谷山紀章さん

――今回は好きなコミックスについて、別で語っていただいていますが、ほかに好きな作品は?

岡崎京子先生の作品も好きですね。作品を初めて読んだのは友達に薦められた『リバーズ・エッジ』(岡崎京子/宝島社)で、衝撃的でした。『東京ガールズブラボー』(岡崎京子/宝島社)もよかったです。あと『レベルE』(冨樫義博/集英社)、『AKIRA』(大友克洋/講談社)、『MASTERキートン』(浦沢直樹・勝鹿北星・長崎尚志/小学館)、『真説 ザ・ワールド・イズ・マイン』(新井英樹/KADOKAWA / エンターブレイン)とか、ゆうきまさみ先生の『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』(ゆうきまさみ/小学館)も好き。あれはヤバイ。競馬の基本情報もすごいけど、恋愛マンガとしてもめっちゃキュンキュンする。あと、自分の中にあだち充マンガのランキングがあるんです。みんなもそういうのあるでしょ? 俺はぶっちぎりで『ラフ』(あだち充/小学館)が大好き。

谷山紀章さん

――今回挙げていただいた作品と出会ったきっかけは?

若いころはよくマンガ雑誌を買っていて、当時は「ビッグコミックスピリッツ」、「ヤングサンデー」、「ヤングマガジン」、「ヤングジャンプ」を読んでいたかな。今回挙げた作品は、そのときにハマったものが多いです。最近は読むものが減ってきちゃっているんですけどね。今ってどんな感じなのかなと書店を覗いてみて、店頭でお薦めされているのを買ってみたら面白かったというパターンもあります。

――好きな作品を友達に薦めるということも多いようですね。

やっぱり薦めたくなるんですよね。僕が挙げたような作品は、ちょっとマイナーなものが多いから、みんなに読んでほしくて、その面白さを知ってもらいたいなと思っています。

谷山紀章さん

――声優はマンガとの関わりも深いお仕事かと思いますが、“マンガ愛”が強い谷山さんはその辺りをどう捉えていますか?

自分の声優という職業とマンガは、完全に切り離して考えていますね。とくに好きな作品に関しては、いちファンとして「アニメ化してほしくない」っていう気持ちもどこかにあって、そこが自分の仕事と二律背反みたいで、もどかしいんですよ。僕はお笑いタレントとマンガ家を崇拝に近い気持ちで見ているところがあって、どちらも才能がないとできないものだと思っているから、一時的な流行りやアニメ化だけでは単純にキャッキャできないというか。だからこそ自分がマンガ好きであることを、あえて声高にアピールしたくないし、仕事とマンガを気持ちのなかで切り離している部分はありますね。自分でもめんどくさいやつだなと思うんですけど(笑)。

谷山紀章さん

My Favorite COMICS

花園メリーゴーランド/柏木ハルコ(小学館)

花園メリーゴーランド/柏木ハルコ(小学館)

柏木ハルコ先生の作品は基本的にエロが根底にあって、女性のエロスを描かせたら右に出る者はいないと思いますね。僕は土着信仰をベースにしている怖い話が大好きなので、そこにエロが加わったこの作品は、好み的にドストライクだったんです。雑誌連載中から読んでいたんですけど、もうたまらないですね。
巻き込まれ型の主人公の少年が、自分のルーツを求めて山村の奥地まで先祖代々伝わる刀を取りに行くけど、そこから帰れなくなってしまい、ある一家に居候することになる。でも、その村には様々な昔からの慣習があり、さてどうなるのか……というお話です。男女問わずお薦めの作品ですけど、特に男子諸君は「こういうの好き!」っていう人がいっぱいいると思うので、ぜひ読んでいただきたいです。

新装版 度胸星/山田芳裕(講談社)

新装版 度胸星/山田芳裕(講談社)

宇宙兄弟』という人気作もありますけど、僕にしてみたら宇宙モノといえば『度胸星』だろうと。僕は作者の山田芳裕先生を「マンガの構図を変えた人」だと思っていて、その人の傑作です。ロケットで宇宙へ行くお話だけど、僕は元々そういうのが好きなんですよ。火星に行ったNASAの宇宙飛行士たちが音信不通になってしまい、その調査のために世界中から選抜された若者たちの物語です。主人公は「度胸」という名前で、寡黙でおとなしいけど一本筋が通っていて、過酷な試練にもまれながら、意志の強さで最終メンバーに選ばれていく。
もっと続きが読みたかったけど、終わってしまって本当に残念でならない。高次元の「超ひも理論」という物理学の難解な理論を取り入れた作品だけど、時代が早すぎたのかなと。宇宙モノが好きな人には自信を持ってお薦めしたい作品です。

ヴィンランド・サガ/幸村誠(講談社)

ヴィンランド・サガ/幸村誠(講談社)

幸村誠先生も才能の塊ですね。本当に達者な方で、マンガの天才です。代表作の『プラネテス』とどっちにしようか迷ったけど、連載中の作品ということでこっちを選びました。11世紀の北欧のヴァイキングたちの話で、実在する人物も出てくるけど、キャラクターの掘り下げがとにかく面白い。まさに血湧き肉躍る作品です。主人公と双璧をなす大事な登場人物が死んでしまうという衝撃の展開があるんですけど、作品の勢いが落ちることはなくて、それは作家の地力のすごさだと思いますね。バトルものの要素がありつつ、ヒューマニズムあふれるドラマも描かれていて、伏線の張り方や演出も本当に巧み。
僕は幸村先生とお会いしたことがあるんですけど、まさに“マンガの虫”という感じでした。王道をちゃんと王道として描けるすごい人です。

谷山紀章さん

ペット リマスター・エディション/三宅乱丈(KADOKAWA / エンターブレイン)

ペット リマスター・エディション/三宅乱丈(KADOKAWA / エンターブレイン)

奇才・三宅乱丈先生の作品です。三宅先生は今『イムリ』という長編を連載中で、短編もいっぱいありますけど、僕の中での最高傑作は『ペット』ですね。平たく言うと超能力のお話です。三宅先生は僕のなかではNo.1の作家で、ここでは説明しきれないくらい異質な才能を持った人だと思うので、これは「作家」という視点で選ばせていただきました。
『ペット』は女性マンガ家ならではのテイストがあって、根底にはBL的な要素も入っているんだけど、それが全然臭くないというか、どちらかというとエンターテイメントにきちんと昇華されている感じ。絵柄は好みが分かれるかもしれないけど、騙されたと思って読んでほしい。本当に才能にあふれた作家だと思います。

俺と悪魔のブルーズ/平本アキラ(講談社)

俺と悪魔のブルーズ/平本アキラ(講談社)

監獄学園(プリズンスクール)』で知られる平本アキラ先生の作品で、ギャグマンガも面白い人ですけど、これは平本先生の画力がとにかくすごい。
実在したロバート・ジョンソンっていうミュージシャンが主人公のモデルで、元々そんなに巧いミュージシャンではなかったけど、ある日クロスロード(十字路)の真ん中で悪魔と契約して、そこから人が変わったようにギターが巧くなる。そこにボニー&クライドという実在する人物をぶつけてくるセンスのよさと、圧倒的画力が加わったサスペンス&ホラー風の物語になっています。僕が元々そういうジャンルを好きなこともあって、とにかく手に汗握らされる筆力のある作品です。コミックスが4巻まで発売されたところで、ずっと未完のままだったけど、一昨年8年ぶりに5巻が出て、また描いてくれるんだと続きを楽しみにしているところです。

谷山紀章さん

【特別コラム】谷山紀章さん、電子書籍初体験!

今回挙げたお気に入り作品のなかで『花園メリーゴーランド』 は手元にコミックスがないという谷山さん。すでに書店では入手しづらい作品なので、取材中に急遽、ブックライブで電子書籍版を購入してみることに。電子書籍の購入は初めてということで、ブックライブスタッフのサポートのもと、支払方法から専用アプリの使い方まで、ご自身のタブレットで体験してもらいました。これでどこでも手軽に好きな作品が読めるようになり、谷山さんは大喜び!
「今まで好きなマンガは紙で買っていたけど、これ(電子書籍)を覚えちゃったら、好きなものを片っ端から買っていきそうな気がする」……というわけで、谷山さんの電子書籍ライフはこの日からスタートしました。

谷山紀章さん

谷山紀章さん特別グラビアつき『アニメディア2017年11月号【ブックライブ特別版】』

アニメディア2017年10月号【ブックライブ特別版】

『アニメディア2017年11月号【ブックライブ特別版】』は販売終了しました。

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