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LGBTのリアルや想いが分かる漫画おすすめ11選

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※2021/2/5に『うちの息子はたぶんゲイ』『わたしが女の子を好きになった日』『同居人の美少女がレズビアンだった件。』『ゲイ風俗のもちぎさん セクシュアリティは人生だ。』『ぼくたちLGBT』を追加しました。
世界的に同性婚ができる国が増え、日本でも渋谷区の同性パートナーズシップ制度など、LGBTに対する理解が浸透しつつある昨今。でも、身近にLGBTの方がいない場合は、真の想いはなかなか分かりづらいですよね。

今回は、LGBTの気持ちや関係性に注目した11作品をご紹介いたします。理解を深めるもよし、想いに共感するもよし、純粋にストーリーで泣き笑いするもよし。気負わず読んでみてください。

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※当記事に記載の内容は全て「ぶくまる編集部調べ」です。また、当記事には一部ネタバレを含みます。

『うちの息子はたぶんゲイ』

うちの息子はたぶんゲイ

ⒸOkura/SQUARE ENIX

『うちの息子はたぶんゲイ【デジタル限定カバー】』 1~3巻 おくら / スクウェア・エニックス

ゲイの息子を見守る母の優しい視線にほっこり

恋バナをすると「彼氏ができたら〜」とこぼしたり、机の上に男性が表紙の写真集を置きっぱなしにしていたことに焦ったりと、「たぶんゲイ」な息子を見守る母親と家族、息子の友人たちの日常を描いたほのぼの漫画。

息子・浩希の「気になる同級生からのメールに一喜一憂する」「家族共有のPCでエッチなキーワードを検索してしまう」といった行動は、誰しもが思春期に経験したものばかり。親友・ダイゴへの秘めた恋心にも共感しかありません。
ストーリーが進むほど、「うちの息子はたぶんゲイ」というオチではなく、純粋に我が子の恋愛事情にワクソワする母目線や、浩希の青春メモリアルにキュンとさせられる展開が増えていくのが、「令和のLGBTマンガ」という感じで推せる! 浩希に片思いしている幼馴染の女子・明日美や、母の職場のゲイ男性・遠野さんといった登場人物も増えてきて、読み応えも右肩上がり。いろいろなことを考えさせられつつ、これからの展開が見逃せません!

おくら先生自身、本作執筆をきっかけにゲイであることを母親にカミングアウトしたそう。ゲイであることがもっと自然に受け入れられる世の中になってほしい。そう願わずにいられなくなる、温かな作品です。

『うちの息子はたぶんゲイ【デジタル限定カバー】』を試し読みする

『わたしが女の子を好きになった日』

わたしが女の子を好きになった日

完結『わたしが女の子を好きになった日』 全1巻 竹内佐千子 / 竹書房

元祖「レズビアン漫画家」が自身の半生を振り返る

『ハニー&ハニー 女の子どうしのラブ・カップル』(KADOKAWA)や『男になりタイ! 私の彼氏は元オンナ』(KADOKAWA)『迷走ラブゲーム』(竹書房)といった作品で、女性の恋人やFtMの恋人とのエピソードをつづり、セクシャリティをテーマにしたエッセイコミックの先駆者として知られている竹内佐千子先生が、自らの人生を幼少期から振り返り、「いつ私はレズビアンになったのか」を思索する自伝的作品。

幼少期の竹内先生は、集団行動が苦手でお泊り保育を脱走する、交換日記をしていた仲良しの女友達にブチギレて日記をビリビリに破くなど、個性的な子どもだったことがビシバシと伝わってきます。では、セクシュアリティはというと、初恋は同じクラスの山本くんだったり、中学生の時には山田さん(♀)と佐々木くん(♂)に同時に片思いしていたり、BLにハマっていたりと、同性愛者とも異性愛者とも判断がつかない状態。高校生になってから、バンギャの同級生に恋をしたり、浪人生時代に彼女ができたりしたときも「レズビアン」という自覚はなかったそう。そう言われてみれば、多くの人が「自分は異性愛者だ!」という自覚のもと誰かを好きになるわけじゃないよな……という当たり前のことに、ゆる〜くコミカルなタッチで気づかせてくれます。

ちらほら挿入される、「夢遊病だった父が夜中に徘徊していた」「父がおねしょに悩まされていた」「父がぷ◯ぷよにハマりすぎて目から血を出していた」といった、破天荒な父親エピソードも妙に心に刺さります。竹内先生に彼女ができたタイミングで、腹違いの姉(隠し子)の存在が発覚した竹内・父の人生に幸あれ……!

『わたしが女の子を好きになった日』を試し読みする

『同居人の美少女がレズビアンだった件。』

同居人の美少女がレズビアンだった件。

完結『同居人の美少女がレズビアンだった件。』 全1巻 小池みき・牧村朝子 / イースト・プレス

「レズビアン」という言葉に囚われない生き方

『百合のリアル 増補版』(小学館)の編集者である小池みきさん目線で、同書著者の牧村朝子さんとの出会いから、牧村さんとフランス人の恋人・森ガール(通称:森ガ)が結婚するまで、そして『百合のリアル』が刊行されるまでを描いたエッセイマンガ。

当事者が著者になることが多いセクシュアリティがテーマのエッセイマンガにおいて珍しい、“ノンケ”が著者の作品です。およそ30名の男女が入れ代わり立ち代わり住まう、渋谷のシェアハウスで知り合った「まきむぅ」こと牧村さんと、「みきさん」こと小池さん。恋愛経験は皆無だけどその分セクシュアリティに対する偏見もない、みきさん視点でストーリーが展開していくためか、「まきむぅの物語」として読み進めることができます。みきさんの近すぎないけど、誠実な距離感も心地よいです。

森ガのことが好き過ぎて恋する暴走乙女と化するまきむぅのかわいさにニヤニヤしたり、見た目は王子様系美人なのにオタクな森ガにキュンとしたり……。とにかくかわいいカップルの話が読みたい人にも全力でおすすめです!

『同居人の美少女がレズビアンだった件。』を試し読みする

『ゲイ風俗のもちぎさん セクシュアリティは人生だ。』

同居人の美少女がレズビアンだった件。

『ゲイ風俗のもちぎさん セクシュアリティは人生だ。』 1~3巻 もちぎ / KADOKAWA

ゲス優しいエピソードにくやしいけれど感動してしまう

ゲイ風俗やゲイバーで働いた日々をコミカルかつ、どこか切なさや諦念も入り交じるリリカルなタッチで描き、SNSで多大な人気を集めた著者のコミックデビュー作。毒親である母から逃げるためボロボロのスクーターに乗ってやってきた東京で、ゲイ風俗に入店し、「ごんざぶろう」という源氏名をつけられて――と、シビアな現実を突きつけられたり、突拍子もないゲイ風俗エピソードに笑わされたり。人生の奥深さというものを思い知らされます。

ゲイ風俗、ゲイバーの世界に興味が湧いたら、お仕事エッセイ的要素強めの『ゲイバーのもちぎさん』(講談社)もおすすめ。もちぎ先生はこの他にも「ゲイ風俗のもちぎ」以前のエピソードを描いた『あたいと他の愛』(文藝春秋)、性暴力や虐待をテーマにした初の小説『繋渡り』(KADOKAWA)といった注目作を続々刊行している、今一番要チェックの作家さんです!

『ゲイ風俗のもちぎさん セクシュアリティは人生だ。』を試し読みする

『ぼくたちLGBT』

ぼくたちLGBT

完結『ぼくたちLGBT』 全2巻 トミムラコタ / 集英社

バツイチ子持ちバイの作者が描くLGBTsの人々のリアル

アニメ化した人気作『ギャルと恐竜』(講談社)の作画を担当しているトミムラコタ先生は、バツイチ子持ちのバイセクシュアルとカミングアウトして以来、周囲のLGBTsの人から打ち明け話をされることが増え、それをきっかけに本作の連載を始めたそう。

レズビアン専用の出会い系サイトに入り浸った青春の日々や、ゲイ男性に「慣らし運転」感覚で交際を申し込まれた経験といったトミムラコタ先生自身のエピソードから始まり、男装喫茶の元同僚とその彼女ののろけ話、男装ホストクラブの体験レポート、男友達との女装バー体験記など、LGBTsにまつわるエピソードが幅広く集められていて、LGBTsマンガ入門にぴったりな作品です。

※LGBTs…LGBTにそれ以外の様々なセクシュアリティを意味する「s」を加えた性的マイノリティの総称のひとつ。

『ぼくたちLGBT』を試し読みする

『弟の夫』

弟の夫

完結『弟の夫』 全4巻 田亀源五郎 / 双葉社

突然やってきた“弟の夫”と紡ぐ家族の絆

親が残してくれたアパートの大家をしている弥一は、小学生の娘・夏菜と2人暮らし。そんな父子家庭に、ある日、カナダ人のマイクがやってきます。実は、弥一には双子の弟・涼二がおり、カナダでマイクと結婚していたのでした。しかし、涼二は亡くなってしまい、マイクは家族を訪ねて日本へ。夏菜の一言から、弥一は不本意ながらもマイクを自宅に滞在させることになります。

作者の田亀源五郎先生は、日本のみならず世界のゲイカルチャーシーンで絶大な人気を誇るアーティスト。本作は初の一般誌掲載作品ということで、連載当初から大きな話題となりました。

“弟の夫”をどう受け止めたらいいのか分からない弥一、カナダ人の“おじさん”に屈託なく接する夏菜、そして、“リョージ”を想い続ける優しいマイクの、少し奇妙な共同生活。本作では一般人のゲイに対するイメージや先入観、実際とのギャップや誤解なども描かれています。戸惑う弥一のモノローグを見て「もし直面したら、自分も同じように思ってしまうかも」と、同調する読者も多いでしょう。マイクをなかなか受け入れられない弥一とは違い、夏菜(と時にはその友達も)は、屈託なくマイクに接します。その姿に、偏見や差別についても考えさせられます。

夫・リョージの思い出をたどるマイクと接することで、弥一は弟・涼二の想いにも考えを巡らせるようになります。ごく普通の感覚の日本人男性の前に現れた、“弟の夫”。そこに描かれているのは、多様な家族の姿と、根本的には変わらないパートナーや家族の絆です。“家族の愛”には性別など関係ない――読むと、そんなことにも気づかされます。エピソードの端々でホロリとさせられ、弥一、マイク、夏菜の3人を愛おしく感じるようになりますよ。また、実際のゲイや同性婚などの実態がコラムで紹介されているので、LGBTのリアルを知りたい方にも読んでいただきたい作品です。

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『ニューヨーク・ニューヨーク』

ニューヨーク・ニューヨーク

完結『ニューヨーク・ニューヨーク』 全2巻 羅川真里茂 / 白泉社

ゲイカップルの一生を描き切った名作

ニューヨーク市警に勤めるケインは同性愛者。それを隠し、マンハッタンのゲイ・ネイバフッズ(ゲイ地域)で一夜限りの相手を探す日々を送っていましたが、いつものように訪れたバーで、メルという青年と運命的な出会いを果たします。両親の元で愛情深く育ったケインとは対照的に、悲惨な幼少期を過ごしたメル。そのためかゲイであることを隠そうとしないメルと、世間体を考え誰にもメルとの関係を話せないケインは、ぶつかり合い、傷つけ合いながらも絆を深めていきます。

本作では、ゲイが家族や周囲からの理解を得ることの難しさがよく分かります。息子がゲイであることをなかなか受け入れられないケインの母親。彼女を責めることができる人は、そう多くはないでしょう。連載当時のNYのゲイ事情(ゲイが集まるエリアや、つきあい方など)やエイズ問題などにも触れられており、フィクションでありながらリアルな一端を垣間見ることができます。

やがて、ケインの両親にも受け入れられ、永遠の愛を誓った2人ですが、幸せの絶頂で衝撃的な事件に巻き込まれてしまいます。ギリギリまで追い詰められる2人。しかし、それすら乗り越え共に生きていく後半生は、本当に感動的です。

作者は『ましろのおと』など、多彩なヒット作を生み続ける羅川真里茂先生。パートナーとの幸せの形を、しみじみと考えさせられるストーリーです。

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『スメルズ ライク グリーン スピリット SIDE-A』

スメルズ ライク グリーン スピリット SIDE-A

完結『スメルズ ライク グリーン スピリット SIDE-A』 全2巻(SIDE-A/SIDE-B) 永井三郎 / ふゅーじょんぷろだくと

心が乙女の2人が思春期に桃源郷を探す、ヒリヒリする青春

ド田舎に住む高校生・三島は、女の子のように髪を伸ばしていて、“ホモっぽい”と同級生からいじめられる男子。三島いじめのグループのリーダー・桐野に、女装するために伸ばしていた髪を切られてしまいますが、三島はその頃から桐野への違和感を覚え始めます。そんなある日、自分がなくした口紅を桐野が塗ろうとしているところに遭遇。実は、桐野も「心の中は女の子」で……。

華奢でかわいい三島を、うらやましくもねたましく思っていた桐野ですが、その日をきっかけに2人は秘密を共有し、友情を深めていきます。閉鎖的な田舎町で本当の自分をさらけ出せない2人は、自分たちがありのままに生きられる桃源郷を夢見ます。残酷な同級生、世間の目、親の期待。男なのに男が好きなこと、女の子のようになりたいという悩みと戸惑いが痛いほど伝わってきます。

続く『スメルズ ライク グリーン スピリット SIDE-B』では、秘密を持つ教師・柳田、いじめグループのメンバーだった夢野が2人に大きく関わり、急展開を見せます。それぞれの母親が背負っているもの、息子たちとの関係、その先に待っている三島と桐野の決断。2人がそれぞれの道を選ぶシーンには、大人になって久しい人ほどこみ上げるものがあり、涙なくしては読めません。

「自分とはなんなのか」、思春期は誰もが悩みます。永井三郎先生はBL漫画も描かれる方ですが、本作ではゲイである主人公を通じて青少年期の葛藤が鮮やかに描かれており、BLは読まないという方にもぜひ読んでほしい作品です。

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『きのう何食べた?』

きのう何食べた?

『きのう何食べた?』 1~17巻 よしながふみ / 講談社

中年ゲイカップルのリアルな日常

実年齢よりも若く見える40代の弁護士・筧史朗は、安売りスーパーでの食材調達と美味しいごはん作りに命をかけつつ、美容師の矢吹賢二と同棲中。ひょんなことから一緒に暮らすことになり、カップルになった2人は、お互いを思いやりながら生活しています。

数々のBL漫画でも知られるよしながふみ先生ですが、本作は青年漫画誌である『モーニング』で連載されています。落ち着いた関係の中年ゲイカップルの日常が、美味しそうな料理と共に描かれ、男性にも人気の作品です。

レシピも詳細な料理漫画として、非常に評価の高い本作ですが、今回ご紹介したいのは「ゲイを描いた漫画」としての魅力! ゲイカップルが直面する世間体、両親との関係、周囲の人たちとの関わりが丁寧に描かれています。息子がゲイであることを受け入れられなかった母親の言動や、イケメンで女性にモテそうな史朗が「ゲイにはモテない」話など、説得力がありながらも思わずクスッとしてしまうエピソードが満載。ゲイである本人だけではなく、ゲイの子供を持つことになってしまった親の戸惑いや葛藤にもリアリティがあります。また最初は、周囲にゲイであることを知られることに強い抵抗があった史朗が、賢二の気持ちや自分の年齢のことを考えながら、次第に考えを変えていく過程では、思わずジーンとしてしまう場面も。性的な描写はなく、あくまで人間ドラマとしてのゲイの日常を浮き彫りにしているところが、男女ともに幅広く受け入れられている理由の一つでもあるでしょう。

作中の時間は現実世界と同じように流れ、巻が進むと、史朗が老眼鏡をかけるようになったり、賢二が薄くなった頭髪を隠すために金髪&短髪になったりします。若い時の燃えるような情熱はもう無くとも、「ともに白髪の生えるまで」……そんな言葉が浮かんでくる、ゲイカップルの確かな絆を感じる作品です。

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『しまなみ誰そ彼』

しまなみ誰そ彼

完結『しまなみ誰そ彼』 全4巻 鎌谷悠希 / 小学館

尾道の自然と「談話室」で見つける本当の自分

『隠の王』『少年ノート』の鎌谷悠希先生による作品です。自分がゲイであると気付いた少年の葛藤が、尾道を舞台にちょっと不思議なテイストで描かれています。

ホモ動画を見ていたことをクラスメイトに知られてしまった主人公・たすく。ショックのあまり自殺を図ろうとしますが、女性が飛び降りるのを目撃してしまい、思わず思いとどまります。周囲から「誰かさん」と呼ばれるその女性は「談話室」のオーナーで、たすくも談話室に話をしに来るように誘われます。

「なんでお前らの顔色見て生きてかなきゃいけないんだよ。なんでこんなに串刺しにされなきゃいけないんだよくそ!!」

誰かさんに促され、たすくはクラスメイトへの想いをぶちまけます。その談話室でレズビアンのカップル、春子と早輝(さき)と知り合い、悩んでいるのは自分だけではないということに気がつき、ゲイである自分を次第に認められるようになっていきます。

泣きながら、好きな男の人がいると告白した後のたすくのモノローグにはとても考えさせられます。それは、性別や性癖に関係なく、誰もが持つべき「自己肯定」について。一方で、夢のように掴みどころのない“誰かさん”はいったい何者なのか? まだまだ謎も多く、今後の展開が楽しみな作品です。

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『大人の問題』

大人の問題

完結『大人の問題』 全1巻 今市子 / 芳文社

ゲイカップルの結婚話を軸に考える多様な家族のあり方

本作はBL誌で連載されていたのですが、ゲイと家族の関係をメインに描いたファミリーコメディ的な内容なので、BLが苦手な方でも読むことができる作品としてご紹介します。

主人公・直人の両親は、5歳の時に離婚。原因は父親がゲイに目覚めたこと。他人には言えない家族の事情を抱えながら、15年間、母と2人で暮らしている直人の頭には円形脱毛症が。父は男と別れる度に母に泣きついてきて、その上、今度は若い美形の男と再婚したいと言い出し……。

直人の父親・原嶋と、ハンサムなのに名前が残念な恋人・海老悟郎(えび ごろう)の結婚話を機に、直人の母、悟郎の兄や家族が入り乱れて、いい年をした大人たちの幸せ探しがスタート。ドタバタのストーリーの中、家族がゲイであるという事実を受け入れることの難しさが、ペーソスのあるお笑いとともにしっかり描かれています。

後半、直人の母の再婚話も加わり、結婚や家族のあり方の変化についても考えさせられます。理解し合えないからといって家族の不幸を願っているわけではない。登場人物たちのそんなジレンマが描かれていて、読み終わると家族に会いたくなる温かい作品です。

『大人の問題』を試し読みする

最後に

セクシャルマイノリティであることの悩みや葛藤、家族や周囲との関わり方など、綺麗事だけではない実情や感情が描かれている作品をご紹介しました。漫画として楽しみながら、人としての愛の形を見つめ直すきっかけにもなるのではないでしょうか。

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