スクールカースト上位のリア充高校生が、知識・経験ゼロの状態から美大を目指す青春物語です。
第1巻では、それまでやりたいことも情熱を注ぐようなものもなかった主人公が、絵を描くと自分の好きなものと向き合うことができる、と気づくシーンが印象的です。
彼は、美術の授業で「私の好きな風景」という課題を与えられ、「まどろみの中で青く見える早朝の渋谷」が好きだが、それを好きと言うことを怖がっていた自分を自覚します。
そして、完成させた絵を褒められたことで、彼は美術に関心を抱き、実質倍率200倍(!)の超難関大学である東京藝術大学を目指すことになるのです。
「好きなことは趣味でいい」とよく聞く大人の理論がありますが、それを言い訳にせず、好きなことに人生を賭けようとする主人公の若さとひたむきさが眩しい作品です。
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匿名
真田さんって本物だね。芸術家。
八雲たちの過去のお話、新鮮だった。
個人的にこの巻で何回も読み返したページは
68ページの
「作品で苦労自慢大会したいわけじゃない」
だった。
八雲くんの言葉。
これを過去の私が読んでいたら何か違ったのかなとグサリときた。
過去に芸術ではないけど文化というか表現の場で周りの薄っぺらい悩みに吐き気がして他にも色々理由はあったけどそこから逃げた。
自分の重さを言葉でまとめられなくて不幸だと思って改めて人生が辛く感じて嫌になったから。
でも逃げて良かったこともあるけど(時間ができて別のことに没頭した)あの時この八雲のセリフを読んでたら、そういうことを比べるんじゃなくて純粋に作品そのものを見れる自分に、作れる自分になってたかもなぁって思った。八雲強いね。かっこいい。
Posted by ブクログ
57筆目~61筆目
広島に行った話から。
一緒に制作をしている仲間たちがこぞってコンペに出品やデビューするといった話をしているのを聞き、「オレって場違いじゃね?」と思い始めてしまう八虎くん。でも結局、コンペ出品を決めたよう。
志の高い人といるといい刺激になるというか(志が違いすぎるとしんどくなりますけど)、自分の志も引き上げられるのでいいですね。美術に限らず文章を書くのもそうだと思いますが、あえて志の高い人と交流してみるのもいいかも。実際に一緒に制作したり交流し合うのは似たり寄ったりぐらいの人のほうが精神的に追い詰められなくて済みますけどね。
中盤からあとは八雲くんの話。
貧乏な過去から絵を志したこと、真田さんとの出会い、そして死。
この巻のラストの八雲くんの言葉が気になる。次の巻いったいどういう始まり方するんだろう。
Posted by ブクログ
八雲くん、鉢呂くん、桃代ちゃんの過去編。貧乏でハードモードの八雲くんの過去が沁みる…。
当たり前だと思っていると恵まれてることを自覚するのも中々難しいし、感謝するのも難しい。お金ってすべてではないけどメチャクチャ大事だよ。