スクールカースト上位のリア充高校生が、知識・経験ゼロの状態から美大を目指す青春物語です。
第1巻では、それまでやりたいことも情熱を注ぐようなものもなかった主人公が、絵を描くと自分の好きなものと向き合うことができる、と気づくシーンが印象的です。
彼は、美術の授業で「私の好きな風景」という課題を与えられ、「まどろみの中で青く見える早朝の渋谷」が好きだが、それを好きと言うことを怖がっていた自分を自覚します。
そして、完成させた絵を褒められたことで、彼は美術に関心を抱き、実質倍率200倍(!)の超難関大学である東京藝術大学を目指すことになるのです。
「好きなことは趣味でいい」とよく聞く大人の理論がありますが、それを言い訳にせず、好きなことに人生を賭けようとする主人公の若さとひたむきさが眩しい作品です。
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匿名
きみねちゃんメインの巻!!
通り魔太陽…わかる…きみねちゃんの性格で同じとこと違うとこがあって沁みる。
八虎もそう。どのキャラもいいなぁ…文化祭の準備スタートの巻だった。
きみねちゃんと八虎が話してるとこは泣いた。
祭りだぁ!
課題であったり、学祭準備を通して個性的なキャラクターにもスポットが当たることでみんなのことが知れました!
食わず嫌いは良くないですね……!
新たなステージ!
夢を追い、一生懸命頑張る人たちはやっぱりかっこいい!!ドキドキハラハラ、面白くて読む手が止まりませんーー!!
入学後の矢口
今まで順調に進んでいた矢口が壁にぶつかっているシーン、貴重ですね。受験後の話なので、受験前のドキドキ感はありません。それでもワクワクします。
受験が終わっても面白い
受験が終わって芸大編になりましたが、やっぱり面白いです。
文化祭という大学ならではの行事で主人公の成長が試されており、受験では発見できなかったことが発見できそうな感じですね。これからの主人公の成長が楽しみです。
考えれば考えるほどわからなくなっていってドツボに嵌まる感じが分かる。
文化祭の神輿を作るシーンもリアルあるあるだな、と思った。
何かを作るって大変。
Posted by ブクログ
藝大の先生から、作品を作ることの意味を指導される場面が印象的。課題は「渋谷」だった。「モチーフ」ではなく、「テーマ」として提示されたものだった。
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君は渋谷で何を表現したいの?いや、渋谷の何を表現したいの?渋谷を何に表現したいの?渋谷を何で表現したいの?
「ソレ」を人に伝えるためにはどんな「思いつき」がピッタリくる?どんな描き方?どんなモチーフ?どんな素材?どんな大きさ?どこにどうやって置く?
ソレが本当に伝えたいことにピッタリくるのか。吟味して、検証して、繰り返して、君が選んだものが君の作品になるの。
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美術館で作品を見るとき、私は、いつも、その問いかけをしていた気がする。しかし、Don’t think, feel!という言葉が降りてきて、後ろめたい気持ちを覚えるとともに、自分には美術を味わえる素質がないと思ってきた。
しかし、少し、自信がついた気がする。作者は、色々なことを考え抜いた上で、作品を作り上げていたのだ。その気持ちを感じようとする気持ちを恥じることはないのだろう。
作品の必然性を味わいたい。作者にとっては、その作品が必然だったはずなのだから。それを知った上で、自分の心が震えるかを確認しても遅くないだろう。
気になって初めに1巻だけ買って読んだのですが、主人公の何か一つの好きなことに打ち込む真剣な姿がとても良ったです。私はたった一つの打ち込めるものにまだ出会っていないので読んでいて最初の主人公の気持ちに感情移入して感動し、8巻までまとめ買いしてしまいました!!とても面白くて、絵も綺麗なのでおすすめです!!
文化祭準備会
文化祭準備会です。大学特有のだらっとした惰性な話がメインです。作者自身も受験までの勢いある話から、一気に疲弊して疲れてる感じがします。専門的な知識、考えの内容が面白いのですが、今回はキツい、だるいの描写がメインで内容が薄く面白さは半減しています。
モラトリアムの功罪
ヤトラが芸大に入って最初の作品作りから文化祭準備までのお話。
受験という難関を乗り越えた解放感も手伝っての大学一年生のモラトリアム感が漂う一冊。受験という目標を失って何をしたらいいか分からず、何もせず過ぎゆく日々。そうしたヒタヒタとした焦燥感はあるけれど、なんとなく内容が薄目の印象。
自分はこれまで美術に縁が無く、これまで見たことの無い世界を覗ける面白さと、自分の全てを傾けて作品制作に臨む青春群像が好きなので、新キャラが出揃って物語が回り始めるであろう次巻以降に期待かな。