仁木英之のレビュー一覧

  • 僕僕先生
    wikiにはファンタジーノベル大賞受賞作に珍しく「ライトノベル的」だと評されていたが、キャラや展開のテンポで魅せるライトノベル的な話…ではなく。鷹揚に構えつつのほほんとしているけれど、中国モノの骨太さもある、読んでいて気持ちの良い文章だな、と思う。
    もちろん、僕僕先生はじめとするキャラクターも魅力的...続きを読む
  • モノノ怪 執
    アニメの大ファンだったので、スピンオフ小説は嬉しい。しかし、やっぱり映像あっての魅力なのかなとも思った。第二話の会津の話が一番面白かった。
  • レギオニス 勝家の決断
    森可成が藤吉郎と比べて悔しがった時、勝家は

    我らが攻めている城は藤吉郎が落とした城とは異なる。守っている将もその器量も違う。異なる戦場で誰かと比べることは何の意味もない

    下社の人たちの命を第一に考え領土を大きくしようとおもっていないその言葉に胸を打たれる。
    この人の書く勝家の行動は好きになる。
  • 神仙の告白 旅路の果てに―僕僕先生―(新潮文庫)
    え? え? なんでこう言うことになってるの? と言う戸惑いが読んで真っ先に浮かんできた。

    僕僕先生と王弁くんの長い旅が終わり、長安に戻ってきたはずなのに、彼が不可思議な眠りに陥り、それを目ざめさせるために薬種を求めに行く僕僕の前には、様々な相手が立ちふさがる。
    今までは敵と言ったら王方平やラクスぐ...続きを読む
  • レギオニス 勝家の決断
    本能寺の変は呆気ない扱いで、最後まで柴田勝家を追いかける内容。例え攻略して得た土地でも住民のことをよく考え、また配下の者たちにも必要以上に配慮する人格者として描きられていた。
    一方でどうやら仁木氏は秀吉に対して否定的な感情を持っているようだ、と感じます。
    歴史小説は誰の立場になって書くかによって物事...続きを読む
  • 恋せよ魂魄―僕僕先生―(新潮文庫)
    王弁のやれることがどんどん増える。
    本人は増長することもなく、そのときにやりたいと感じたことを一生懸命にやっているだけなので感じが良い。

    ここまでシリアスな場面でも登場人物(特に善人)の死はあまりなかったので、今回少し毛色が違うと言える。
    特に劉劤の死は途中からフラグたってたとは言え、しんどいね。...続きを読む
  • 仙丹の契り―僕僕先生―(新潮文庫)
    王弁くんの成長著しい本作。
    物語が終盤に向かっているのを感じる。
    自分は先生とのいちゃいちゃを見ていたいだけなんだけどね。

    今後、長安では胡蝶との戦いを控えているので仕方ないところではあるんだけど、メンバーが戦闘要員ばかりになったのは少し残念。ソウガコウちゃん可愛かったしね。薄妃さんはもて余してい...続きを読む
  • レギオニス 勝家の決断
    柴田勝家は、引き立ててくれた信秀への恩義を思い、織田弾正忠家のために尽くしてきた。野心などなく、出し抜かれ、裏切らながらも、最後は、お市と悲壮感なく、死を前にして重苦しさなく、最後を迎える。
    ある意味、なんと思い切りの良い、素晴らしい武将であることか。
  • レギオニス 秀吉の躍進
    美濃を征したあと、足利義昭を奉じて入京した織田信長。信長の信頼を取り戻し、柴田勝家は先鋒を命じられ、家中で存在感をましていく。
    本願寺門徒、浅倉、浅井を制圧し、柴田勝家は、ついに越前一体を信長より任せられ、国持大名となる。
  • レギオニス 興隆編
    柴田権六勝家が、織田信長の弟勘十郎信勝の傅役を言いつけられ、桶狭間にて織田信長が今川義元を討ち取るまでを、柴田権六勝家の視点にて描く。
    兄弟間の確執、今川から勝家への調略の誘い、盲信的にただ忠義を尽くすのでなく、自らの一族、下社衆をひきいる土豪の棟梁としての、新たな視点で、物語は進展。
    非常に面白い...続きを読む
  • レギオニス 信長の天運
    権六の控えめな性格や、地味だけど優しさと強さがある交渉術が魅力的です。
    今まで柴田勝家の人となりに関する知識が全くなかったので、どこまで伝承に基づいた内容なのか気になります。
  • 僕僕先生 零(新潮文庫nex)
    読む順番を間違えたかもしれない。

    僕僕先生のクライマックス前に読んでおくと、ラストの話がより楽しめます。

    蓬莱山の麓にいた頃の僕僕先生はこんなキャラクターだったんですね。もはや別人です。

    ストーリーに振れると、これまで以上に神仙と人間の違いに触れています。人間とは何なのか?常に不十分で限られた...続きを読む
  • 恋せよ魂魄―僕僕先生―(新潮文庫)
    『SLAM DUNKの最終話かと思った』

    前作から一気に読み込んでしまいました。
    薬師としての王弁、殺し屋として苦境に立つ劉きん。二人の葛藤に忸怩たる思いを残します。

    好きですね。
    どうすればいいのかわからないい。どう選択しても、明らかに誰かが不幸になる場面。
    そういう場になって、キャラクターが...続きを読む
  • 神仙の告白 旅路の果てに―僕僕先生―(新潮文庫)
    中国の有名人(人?)オールスター。大団円的なノリ、大好きです。

    これまでも玄宗皇帝のような歴史上の人物は出てきましたが、最終話に向けて一気に一軍メンバーを投入してきた。そんな印象です。

    中国史しらなくても、孫悟空や関羽はしってるでしょ?という大盤振る舞い。それほどの危機が天地に迫っているスケール...続きを読む
  • 鋼の魂―僕僕先生―
    1巻の次に面白かった。
    特に今回の物語の中心となる3人の新キャラはみんな魅力的だった。
    解説に書かれている通り、はじては「なんだ、こいつは」と思ったけども、読み終わった今となっては早く3人の今後を知りたい。
    次も楽しみ。
  • さびしい女神―僕僕先生―
    魃(ばつ)という、残酷で寂しい女神と、ただの人間に過ぎない王弁(おうべん)この2人のやり取りが愛くるしい物語。
    僕僕先生という人がありながら、精神的な浮気を見ているような、シリーズ第4巻です。

    シリーズものというと、1巻が一番印象深く、2、3と続くにつれて少しずつ頭がなれてしまう(感動が薄れてしま...続きを読む
  • 薄妃の恋―僕僕先生―
    5年ぶりに書いた二作目にして、以前の作風そのままに、目的のない二人(?)旅をする物語。一冊目同様楽しめました。

    以前と違うのは、話がオムニバス形式になったことでしょうか。1話完結で小さな物語が語られます。そしてその1つ1つが場所や登場人物を織り交ぜながらつながっていく。さながら中華風水戸黄門といっ...続きを読む
  • 僕僕先生
    優しいファンタジーです。

    中国☓ファンタジーとは、私の読書遍歴ではついぞ合体しづらいテーマでした。ファンタジーといったら、ヨーロッパ・北欧・中世のイメージだったからです。
    なので、巻末に「日本ファンタジーノベル大賞受賞」と書かれていたときには?どんなものやら見当がつけづらかった。
    過去の読んだこと...続きを読む
  • 先生の隠しごと―僕僕先生―
    本作は賛否分かれそうだけど自分は好き。

    虐げられるレジスタンスが立ち上がる話ってなんか堪らなく刺さるんです。
    『バーティミアス』とかゲームの『幻想水滸伝』とかみたいな。

    先生抜きでもがんばった王弁くんもえらかったし、他の仲間たちも各々の仕事をしていて良かった。
    特に劉劤は人間的に成長している。ピ...続きを読む
  • 師弟の祈り 旅路の果てに―僕僕先生―(新潮文庫)
    終わってしまったか。

    このシリーズを読むたびに、中国の神仙をもう一度触れておかなきゃと思いつつなかなかできていない笑。。。

    それにしても、終わりの2巻ほどもろもろ出過ぎてきておっつかないよ。
    読み終えての相関図的なものが欲しい笑。