垣根涼介のレビュー一覧

  • 室町無頼(上)(新潮文庫)
    無頼。
    手元の辞書を引いてみると(一回やってみたかったやつ)
    1 正業に就かず、無法な行いをすること。また、そのさまや、そのような人。
    2 頼みにするところのないこと。
    とある。

    思うに「無法」とは世のルールではなく自らの流儀に従うことなのだろう。
    世が乱れている時代は、法の正しさを担保する政権の...続きを読む
  • ワイルド・ソウル(下)
    想像を超える展開が続いてドキドキハラハラ。
    過去や復讐に取り憑かれていた登場人物たちは自己欺瞞という呪いから解き放たれて自由になる。
    結局、その呪いをかけていたのは過去や他者ではなく自分自身だったと気付いた。
    政府、外務省、警察に勝ったのではなく、自分に打ち勝ったんだと思った。
    自分の生き方の舵は自...続きを読む
  • 信長の原理 上
    262の原理パレートの法則を自軍と蟻の動きにより気付き理解する信長
    戦のシーンはほぼ無く、信長の一人称と思考で自身や家臣たちを考察していく進め方がとにかく面白い
    彼らの複雑な内面を分かりやすく読ませてくれる

    とても分かりやすく信長の考え方や性格、それによる対処を描写していて楽しい

    蟻の群れを軍に...続きを読む
  • ワイルド・ソウル(上)
    タイトル通り、大きな裏切りや悲しみにあいながらも己の魂の火をたぎらせ続け、苦境に立ち向かっていく姿は読んでいて熱くなる。
    人間1人というのはとてつもなくちっぽけな存在だけど、だからこそ大きなものに立ち向かってやるという意志の強さがかっこいい。
  • 借金取りの王子-君たちに明日はない2-
    借金取りの王子の話には流石にうるっと来た。
    この本にはそれぞれのストーリーがあって、その世界観に思わず入ってしまう本で意外とお気に入りです。
  • ワイルド・ソウル(上)
    アツすぎる。
    壮大な映画を一本分観るくらいの面白さがあって、非常に濃厚なテーマとストーリーがある。
    著者が書く、登場人物一人一人の心の声やその背景などの表現が好きで読んでいて心を奪われる。
    電車の中はもちろん、家に帰っても、気付けばトイレの中にまで持ち込んで隙間時間を見つけては読み進めていた作品。
  • ワイルド・ソウル(上)
    日本史でも、ほとんど日本人の南米移民に関する話題に触れられてこなかった記憶があるが、
    それも政府が関わった負の歴史として未だに隠蔽されていることも沢山あるのではないかとおもった。
    ワイルド・ソウルはフィクションだけれど、
    少なからず似たような経験をされてきた方達が存在すると思うと、自分達の歴史として...続きを読む
  • サウダージ ヒート アイランドIII
    主人公の耕一が日系ブラジル人ということで、
    自分の今身近にある話題であることからも
    すぐに物語に引き込まれていった。
    コロンビアputaのDDのわがままぶりも、
    南米ではありそうだと思ったし、
    感情豊かで、耕一への想いが溢れているところは
    羨ましいとも思った。
    対照的に、アキとその彼女の和子は少し自...続きを読む
  • サイドストーリーズ

    しゃれた構成のアンソロジー

    煙草をテーマに有名作家の有名小説の番外編ばかりを集めたという大変にしゃれた構成のアンソロジー。
    もとの小説を読んでいれば読み返したくなるし、読んでいなければ読みたくなるという、出版社 作家の術中にはまってしまうたちの悪い本。
    番外編ではあるが元の本の色合い香りを程よく保った佳作が多い。
  • ワイルド・ソウル(上)
    戦後、日本政府の募集でブラジルに渡った約4万人の人たちは入植先で極めて過酷な運命に遭った。
    上巻の前半では、未開拓の入植先がいかに過酷な環境だったが記される。道路、電気、水道のインフラはなく、土地は酸性で痩せていて、開墾した側から洪水で流される。マラリアなどの伝染病が襲いかかる。
    中盤から後半ではそ...続きを読む
  • ワイルド・ソウル(下)
    上巻後半からのスピード感と熱量のまま、一気に駆け抜ける展開。
    緊迫する場面が続いているはずなのに、ブラジル的な陽気さというか能天気さがずっとあって、完璧で周到なはずの作戦がフラフラ蛇行している感じがおもしろい。
    ラストについても、日本で生まれ育った者ではないな、と思わせる納得のものでした。
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)
    内容的に暗い話になるのかと思ったが、そうではなく次も読んでみようと思える内容だった。主人公の人間性などがそうさせているのだろう。こういう職業もあるんだな、と興味深く読める。
  • 君たちに明日はない
    内容的に暗い話になるのかと思ったが、そうではなく次も読んでみようと思える内容だった。主人公の人間性などがそうさせているのだろう。こういう職業もあるんだな、と興味深く読める。
  • 迷子の王様-君たちに明日はない5-
    君たちに明日はないシリーズ最終巻。
    働く=お金を稼ぐだけではないということを改めて考えさせられました。
    日本の未来は真っ暗だけど、なんとか生きていきたいですね。
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)
    学生時代に読んでいた本を改めて。
    もう15年も前に出版されているから、今の時代には合わないこともあるけれど。
    社会人経験を積んでから読むと、よりリアルな気持ちに。
    リストラ=不幸ではなく新たな道のスタートとなるような希望も持てるストーリー。
  • 君たちに明日はない
    学生時代に読んでいた本を改めて。
    もう15年も前に出版されているから、今の時代には合わないこともあるけれど。
    社会人経験を積んでから読むと、よりリアルな気持ちに。
    リストラ=不幸ではなく新たな道のスタートとなるような希望も持てるストーリー。
  • 室町無頼(下)(新潮文庫)
    才蔵の強さが際立った下巻。読みやすくて歴史小説の入門にもってこい。才蔵が亀仙人前後の悟空ばりの成長を遂げ、男の子としてはワクワク。兵衛と道賢はトラとライオンのようにカッコ良いけど、下巻は才蔵を楽しむためのもの!
  • 信長の原理 下
    初歴史小説でした、面白かったです。信長と家臣たちとの関係、それぞれの気持ちが絡み合い、天下統一に向かっていく。信長だけでなく裏切る家臣や成り上がる武将の駆け引きが面白くて引きこまられました。スピード感もありあっという間。
  • 信長の原理 下
    面白いです
    純粋な歴史小説としても読み応えがあり
    信長やその家臣たちの心の動きが鮮明である

    なにより光秀が謀反を起こすに至った経緯をロジカルに表現している
    なるほど
    そういうことなら、あり得る
    と思える
  • 涅槃 下

    渾身の一作

    歴史上悪役とされる人物は数多い。宇喜多直家もその一人。彼に興味を持ち、関係する城跡をめぐったりして情報を手に入れようとしても人物像を明確にできていなかった。情報量が少なすぎる。
     本書で彼の人間形成、業績の過程をここまで綿密に書き上げられたことに敬意を表するとともに、描き出された直家の人生に感動した...続きを読む