國分功一郎のレビュー一覧

  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ
    スピノザの概念が実例を交えてて分かりやすい。
    後半のデカルトとの関連性も面白い。
    最後の方に語られる実践編についても聞いてみたい。
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    第1部はアガンベンのコロナ禍における主張を通して、哲学者の存在意義を説く。それは当たり前と思われていることに虻のようにチクリと刺す役割だ。

    第2部は、『暇と退屈の倫理学』に連なる、消費と浪費の違い、目的をはみ出す行為の存在を論じる。

    非常によく分かる講義だった。
    質疑応答も実りの多いものだった。
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    ・とてもよみやすい

    ・"贅沢はそもそも目的からはみ出るものであり、それが贅沢の定義にほかならない"
    →目的を見失ってしまうことや手段が目的になってしまうこと,手段に没頭することを悪しきものとせず,これを自覚したらその瞬間をもっと大事にしよう.それこそが贅沢なのだから.
    →合理的な目的設定,最短・経...続きを読む
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ
    思考を深めるにはとても良い本。小難しさ感がありそうで、ちゃんと理解できる。
    生き方・考え方について深い洞察が得られる。
  • 言語が消滅する前に
    ネタバレしてもいい。いいものはネタバレしてても感激する。
    というところもそうだな。
    レビューの内容が、感激を伝えてるかどうかではなく、ネタバレしているかどうかで評価されるレビューは果たしてどこ向けのものか。
    評価を下す人は、評価を下すことによって自分の手柄に(私有化)しようとしているのか。
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    『暇と倫理の論理学』の続き。
    コロナ禍で國分先生が考えたこと、現在進行中で考えていることについて、大学生・高校生への講義として話したことがまとめられている。

    目的が幸福を奪っている?

  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)


    アガンベン

    死んだ者たちへの敬意の喪失は、歴史への畏怖の喪失へとつながり、これまでに先人たちが積み上げてきた価値への無関心へとつながるのではないでしょうか。

    移動の自由が認められることが支配されないための最低条件

    現代社会では、生存だけを取り出して、「精神的な生の経験」無しの「身体的な生の...続きを読む
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    自分であり続けるために 考えること、すること、を放棄しないでい続けたい

    ---
    ものを考える中でチクリと刺したり、チクリと刺されたりということが起こってほしい

    あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく世界によって自分...続きを読む
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    タイトルからは何の本かわからなかった。

    今はコロナも5類になり、行動制限も緩和、というかなくなったに等しい。

    が、緊急事態宣言下、我々は政府の試行錯誤の政策で、学校の全面休校、

    夜の街の制限、移動の制限等、思い切り行動制限を受けた。

    コロナ禍の影響度合いがわからぬ中、やむを得ない措置であった...続きを読む
  • スピノザ 読む人の肖像
    新書としては分厚い。

    私はスピノザの『エチカ』を畠中訳で読んだことがある程度だった。

    勇気が湧いてくる本だった。また、頭のいい人が書いた人の本だった。
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    「暇と退屈〜」以来のファンであることからジャケ買いした一冊であった。またしても著者の思惑にハマってしまった。

    「目的への抵抗」というタイトルからは思いもしなかったが、「科学のための科学」という考え方がどの程度世論に受け入れられるのか、段々と自身がなくなり出していた自分にとって、思考の土台となる内容...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    そうそうたる顔ぶれがそれぞれに「利他」について説いているんだけど、何となく見えてくるものがある。特に、伊藤亜紗と中島岳志の利他論に学ぶところが大きい。すなわち……。
    利他とは、人のためになることのようなとらえ方が一般的だと思うけど、それを意識的にするのは「利他」ではない。何らかの気持ちのメカニズムが...続きを読む
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    「暇と退屈の倫理学」で指摘した「楽しむ」ということの重要性。
    人間は自由を求めているようでいて、自由になると暇になり、暇になるから退屈する。だから暇を嫌い、自由を拒否する。ここで忘れられがちなのが「楽しむ」ということ。広い意味での勉強をして楽しみ方を学んで、楽しめるようになることが暇の過ごし方だと國...続きを読む
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    哲学を思考の軸としてコロナ禍を論評した本作は『暇と退屈の倫理学』の続編として読むことができる。
    コロナ禍での政府対応については、誰もが自分なりの意見を持っていると思われるので、冷静な著者の見解に触れる意義は大きいと思う。
    個人的には「不要不急」についての考察が出色だと感じた。
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    暇と退屈の倫理学を読んで何か残ったものがある人は読むべき。

    ・コテンラジオで言うところの、宗教OSから国民国家OS,今は資本主義OSへと変遷していく中で、「大きな物語」を信じて生を全うする生き方ができなくなり、個人個人が自分の生きる意味や役割を考えなければいけなくなった(自分は、自分自身が一人で立...続きを読む
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    面白い。
    講義、生徒との対話がまとめられているので読みやすい。
    主題はもちろんだけれど、哲学的思考に触れられるのが面白い。
    引用されているガンジーの言葉が残った。
  • スピノザ 読む人の肖像
    『たとえば、三平方の定理のような数学の定理を証明する時のことを考えてみればよい。その証明が真であることは、何かに照らして真であるというより、その証明自体によって示されている。証明を終えた時、証明を行った本人にはそれが真であることが分かる。確かに三平方の定理自体は公共的に共有されうる。しかし、それが真...続きを読む
  • 近代政治哲学 ──自然・主権・行政
    各政治哲学者の思想が紹介されたうえで、「民主主義とは何か」を最後の問いを読者になげかける。
    あまりに当然であり自明であった「民主主義」がいいという無邪気な精神から、すこし距離を置くことができたと思う。
    あとがきのまとめ方が素晴らしく、読後感がすっきりする。
  • いつもそばには本があった。
    わずか125ページの小著だが、人文学的知とはどういうものなのかを教えてくれる。特に論文の引用数だけで全てを評価しようとする風潮に警鐘を鳴らしている。

    著者達が読んだ本を紹介しながら、往復書簡のように話が展開していき、たいへん勉強になる。
  • 言語が消滅する前に

    面白い!

    とても面白かった。対談本なのですらすら読めてしまうのだが、内容は決して軽いものではなくて、いくつも考えさせられる事柄があった。「ちょっとここのところを考えてから次を読もう」と思い、本を閉じて、考えるのだが、「もうちょっと読みたいなあ」と思ってしまい、考え切らずにまた読んでしまう、という本だった。多分...続きを読む