國分功一郎のレビュー一覧

  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    消費社会は贅沢を避けようとする。贅沢を避けようとするのは「もったいない」と思っているからではなく、全てを目的と手段に閉じ込める消費社会の倫理を徹底するため。

    ワタシは贅沢を適度に取り入れられる状態でありたい。
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    大学での講演2本をまとめたもの。

    暇と退屈の倫理学を政治的な側面から考察したものと捉えられる。

    序盤、学生に向けたメッセージが印象に残る。

    将来への不安に対して、目の前のことに懸命に取り組むことと遠い未来を漠然とでもイメージしておくことの2つが大切であるという。
    近い将来の出来事は思うようにい...続きを読む
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    『暇と退屈の倫理学』の続編的なもの。大学の講話が話し言葉で掲載されているのでとても読みやすい!
    私は考えるのが好きなので考える本を読んじゃう。それが楽しくて目的は特にない。國分さん、もはやファンです。
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    『暇と退屈の倫理学』よりもさらに、わかりやすくて面白かったです。

    コロナ禍に自分が考えていたことを振り返るのにちょうどいいきっかけになりました。

    これからはもっと「考えること」を大切にしていきたいと思いました。
  • スピノザ 読む人の肖像
    「エチカ」を中心とし、それ以外の著書も解説しつつ、スピノザの哲学を肌感覚でも理解できるように書かれています。単にその著書の中身の解説というだけではなく、それが書かれた時代背景や、スピノザの置かれた状況も考えを伸ばし、その著書が書かれた順番にもできるだけ忠実に合わせて読解するようにされています。それに...続きを読む
  • 近代政治哲学 ──自然・主権・行政
    ジャン・ボダン、ホッブス、スピノザ、ロック、ルソー、ヒューム、カント。
    スピノザもこの流れに入るんだ。ロックは哲学的じゃなかったんだ。
    細部に驚きがあった。
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    講話録ということでとてもわかりやすかった。暇と退屈の倫理学の解説も、改めて理解が深まった。目的に従属的な消費より、行為自体のための浪費をしよう、それが人間本来的な幸福な生き方のひとつのあり方、という話。一つのあり方というのが大事。全てを帰そうというのではない。考えてみたいのは、資本主義、貨幣経済が必...続きを読む
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    第一部において、コロナ禍におけるアガンベンの問題提起という事例を通して哲学の役割について考察し、第二部において、これまたコロナ禍における''不要不急''の排除という事例を通して「目的」「手段」「遊び」と人間の自由との関係性について考察しています。講和という形式で語り口もやさしく、読みやすいですが、折...続きを読む
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ
    岩波文庫のキャンペーンで「エチカ」が対象になっていたので、コレを読む前に解説本としてこれを読んだ。

    まず薄くて良い。解説もわかりやすい。このままエチカを読んでみる
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    全体
    読み物としてはわかりやすい
    →途中、読みきれないところもあったけど
    学生への講義方式だから言葉は簡単に書いてる
    それでも、内容が内容だけに咀嚼が必要とも思える
    國分功一郎先生の考えが面白いので少し他のも読んでみる

    前半
    考えること、疑うことを辞めてはいけない
    死者を敬うことよりただ生きること...続きを読む
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
    会社、ある組織を例にすれば、その組織を良くしたいという目的に対して手段や犠牲を正当化することなく、目的からはみ出て自由であることこそが組織の幸せであり楽しみが見出せる、つまり良くなることなのだろうか。
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ
    スピノザを扱った本としては例外的に読みやすいのではないだろうか?近代とは思考のOSが異なるというその本質が飲み込めたような気にさせてくれる。コナトゥス、自由、変状など、確かに身の回りに当てはめても説得力のある解説だと感じた。
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ
     NHK出版「100分de名著」の改訂版。スピノザは一応「エチカ」のみ既読だが、例によって内容はほとんど忘れてしまっているため、薄くて内容もやさし目の本書で復習を目論んだのだが、流石はプロの研究者、本書を軽く通読するだけでエッセンスが理解出来てしまう。僕なんぞが「エチカ」を100回読んでもここまで明...続きを読む
  • スピノザ 読む人の肖像
    國分先生の説明力をもってしても「ぜんぜん文章として頭に入ってこね〜!!!」とパニクる部分も多々ありつつ、スピノザの知性のオーパーツぶりがなんとなくわかったかと思う。すべては相対、すべてはグラデーション、単純な二元論に逃げるやつはバカ。
  • 「利他」とは何か
    中3生の模試の国語で、伊藤亜紗さんの『「うつわ」的利他』の一部が題材として出題されていて、興味をもったので読んでみました。
    「利他」は「偽善」「自己満足」「押しつけ」と紙一重で、特にネットではそんな言葉で全く関係のない赤の他人から揶揄されたり非難されたりする可能性もあって、最近はうっかり親切な行動も...続きを読む
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ
    【星:4.0】
    哲学者「スピノザ」について分かりやすく説明している。
    この本を読んでいると「スピノザ」について興味を持って欲しいという著者の思いが伝わってくる。

    とは言ってもどうやらこの「スピノザ」の考え方自宅が難しいからだろうが、哲学初心者の私にはピンと来なかったところがあるのも確かである。

    ...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    以前に『借りの哲学』を読んだので、恩を受けると負債の考えが生じるというのは何となく理解してました。利他は自己満足を満たすため、というのも。震災で炊き出しをしていた某有名人に対して「偽善」、「売名か?」というコメントを思い出します。

    思いやりに満ちた世界の方が良いに決まっていても、なかなか利他には難...続きを読む
  • 来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題
    立法と行政の観点から、民主主義について改めて考えさせられた。実質行政権が決定権あるのではと言う点について、感覚としてはわかっていたが、明確に言語化して整理ができたと思う。
    民主的と民主主義の違いについて、感覚的、概念的と言った視点違いでの説明など、スッと腑に落ちる理解ができた。
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ
    かなり自分と考えていることと近くて、すっと読めた。

    自分は密教的なのかもしれない。
    たしかに、他者を説得しようとあんまり思ってないもんな。だからいけないのでは…?

    真理について、いかに客観的に他者を説得するかに重きを置いたデカルトと、真理に向き合う主体にフォーカスしたスピノザ、現代の基本はデカル...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    「利他」について5人が違うアプローチで切り込んでくる。「利他」を推奨するような本なのかと思っていたが、純粋に「利他」を科学している内容で、これはこれで大変興味深い。仏教的なアプローチはありそうだが、言語的なアプローチなど思いもしなかった。能動でも受動でも無い「中動態」も考えさせられる内容だった。おす...続きを読む