國分功一郎のレビュー一覧
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思考においてエビデンス偏重をしているのではないかと言う側面と、その対称としてスピノザによる体験としての真理、主体の成長を伴う確信などについて。
医学においては経験や理屈偏重の治療に対する反省でエビデンス至上主義みたいな時期があり、今はいずれも尊重している印象がある。触れる機会も多いので、個人的にはエ...続きを読むPosted by ブクログ -
17世紀、社会の分岐点となった時代に生きた哲学者、デカルトとスピノザ。人類が歩んできた近代はデカルトの思想を中心に発展を遂げた。(全部を疑い万人に理解されるものだけが真理であるというエビデンス絶対主義)
スピノザの思想は現代を生きる我々と「思考のOS(考える前提)」が異なり、わかりづらい部分も多い。...続きを読むPosted by ブクログ -
そうだよね、めざすものなんだよね。
何にでも当てはまる話。
思想というのは、それほど普遍的なのだと教えてくれた。Posted by ブクログ -
近代国家成立までの歴史や基本的な概念について。ホッブズ、スピノザ、ロック、ルソー、ヒューム、カントの思想がコンパクトにまとまっており読みやすい。一般の教科書では「ホッブズは絶対王政を擁護した〜」とか「ロックは抵抗権を認めてた」のような記述がよく見受けられるが、解釈としてミスリーディングな部分もあり原...続きを読むPosted by ブクログ
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むかし難解すぎて挫折していたスピノザ。著者がとてもわかりやすく整理してくれました。
最初にデカルトとOSが異なると言ってくれたので、読み進めやすくなった。
自由のところは特に共感した。私たちは自由の意味を履き違えているのかもしれないと。
そして最後の章のデカルトにあたる回収の部分もとても興味深く...続きを読むPosted by ブクログ -
対談形式は諸刃の剣みたいなもので、両者の対話がマッチしているとすごく良いが、そうでない場合はあっさりと読む気を失ってしまう。中間はあまりなくて、良いか悪いかどちらかに偏る傾向がある。
本書はお二人の相性がよく、それぞれが良い味を出している前者の好例だと感じた。Posted by ブクログ -
「器」のような人に自分はなれるだろうか?
人間は意志の保有者ではなく、思考が留まる「場所」なのだということ。自分が人生に対して抱いている不可抗力的な恐ろしさの断片を言語化してくれているように感じた。Posted by ブクログ -
とっても面白く、わかりやすかったです。
スピノザの倫理学のロジックをしっかりと理解できたつもりになりました。
「物の本質は「力」である」、「自由意志は存在しない」などなど今までのものごとの捉えかたをひっくり返されるような内容が次々とでてきました。
自分であれやこれや考えながら、概念を自分のものにして...続きを読むPosted by ブクログ -
最大多数の最大幸福を意識した利他の考え方…同じお金があるなら、なるべく効果的に使おうとする考え方が新鮮。
贈与は支配に容易につながりうる(pityが伴う)という点が印象的だった。
第3.4章は哲学的で私の理解が追いつかず…Posted by ブクログ -
「相談」って難しい、と思う。
誰に何をどんなふうにどこまで伝えたらいいのかが分からない。そして、誰かに何かをどういうふうに伝えられたときにどう返したらいいのかも分からない。
人と人との関係があって初めて成立するコミュニケーションであると感じる。
本書で相談者は、インターネットを利用して仮面を被った状...続きを読むPosted by ブクログ -
「利他」の気持ちは、見返りも期待せずに、自然と沸き起こるもの。
このことを仏教、ギリシア語、民藝、小説の作家法などの多様な観点から各論者が主張している。いわば「決定論」であり、自由意思否定論が根底にあると思われる。この意味でも、とても興味深かった。Posted by ブクログ