國分功一郎のレビュー一覧
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原子力に関する問題を哲学の視点から考察する。戦後間もなく、核兵器反対の風潮は高まったが、核技術そのものへの問いかけはなされてこなかった。そんな中で1950年代といち早くそれに言及したのがハイデッガー。ハイデッガーの思想を応用し、原発や核技術管理について考える。Posted by ブクログ
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哲学者・国分功一郎によるスピノザの倫理学入門書。Eテレ『100分de名著』の増補改訂版とのこと。
冒頭から『組み合わせとしての善悪』『物がもっている力を本質と考える』と、今の社会にこそ必要ではないかという物事の捉え方が説かれていて、ここまででもう読んでよかった。
「はじめに」で「思考のOSが違う」と...続きを読むPosted by ブクログ -
政治への無関心が広がっていると言われて久しいが、行政がすべてを決めて我々市民は一つ一つの政策に関与できない体制になっていること、そして、いくら選挙で議員を選んだところで何も反映されないどころか、偉そうにふんぞり返っている議員ばかりで誰が信用できるのかなんて分からない、そんな状況じゃあ無関心になるのも...続きを読む
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「原子力時代における哲学」國分功一郎
哲学講義録。
フクシマ後の原子力を、ハイデッガーの著作を下敷きに、哲学者が講義する一冊。
著者によれば、原子力の平和利用についてこれまで語ってきた哲学者は少ない。そんな中、1950年代の原子力発電黎明期に、その技術論的な矛盾を説いているのがハイデッガーである。...続きを読むPosted by ブクログ -
この本は、ドゥルーズなど仏哲学を中心とした哲学研究者の國分功一郎さんと、雑誌編集者兼ソシュール研究者でもある互盛央さんが、昔読んだ本に関する文章を相互に交換リレーする形式で綴ったものである。フォーマットとしては珍しく面白い仕掛けだが、それが成功してこの本を特別な本にしたかというと、それほどまでではな...続きを読むPosted by ブクログ
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前期高齢者の男性が読んで、何だか暗澹としてくる現場の報告です。
自分の子供たちのことをきちんと考えなかったし、ましてや保育園とかについて実質的行動を何もしなかった「子育て」だったことに対して、まず振り返らないと、というのが一つ。
今、目の前の、お孫さんたちや、その母親、父親の置かれている社...続きを読むPosted by ブクログ -
原子力支援の提供側と被提供側双方に様々な思惑(経済的利益、周辺国への脅威等)があり、結果的に核兵器拡散につながった可能性が高いことが統計的分析により示された。IAEAにとって日本がよい事例(原子力支援を受けていながら核兵器保有を企図しなかった例)であることは興味深かった。Posted by ブクログ
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人が集まり、そこでできる、せざるを得ないルール作り。
それが、どんな「哲学」で成り立っているのか、それを整理する著書。
分かりやすい良著。Posted by ブクログ -
引用が上手。引用されてる本を読みたくなる。
関口存男の、世間が面白くない時は勉強にかぎる。 失業の救済はどうするか知らないが個人の救済は勉強だ。という文章が印象的。改めて読んで見たい。
人生相談の回答はなかなか良い。人間は間の抜けた自意識に振り回されてるんだなあ、と自分含めてこっぱずかしいものも多い...続きを読むPosted by ブクログ -
議会制民主主義においては、民衆の代わりとなる代議士が政治を行いますが、実際に政策などを実現するのは行政であり、その行政には独断的な強い決定権がある。つまり、この国を動かしているのは民衆が選んだ政治家ではなくて、公務員たち行政の側だというところに、日本の民主主義の欠陥があることを解説しています。そこを...続きを読むPosted by ブクログ
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タイトル通り近代政治哲学の主要な人物における理論、主張の概説なのだが、紹介されている7人の考え方にどのような差異があり、またどのように変遷を辿ってきたのか、そしてなおも解決されていない課題には何があるのか、という点に言及がある。結論といえるものはなく、最後はこちらへ投げる形で終えているのは、その先は...続きを読むPosted by ブクログ
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近代政治思想といえば、社会契約説がすぐに頭に浮かぶが、ボダン、スピノザ、ヒューム、そしてカントの政治論をそこに並べてみれば、ホッブズやロックの思想がまた違って見えてくる。Posted by ブクログ
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たまたま目に入って、気になったので読んでみる。
フランスのポスト構造主義のドゥルーズの訳者による政治哲学入門と思ったら、実は、こっちのほうが本業らしい。ほ〜。
かくいうわたしも、実は、政治学のM.A.だったりするので、メジャーな関心に近かったりする。
といっても、政治哲学をちゃんと勉強したわけ...続きを読むPosted by ブクログ