いくら事実を重ねても、人は自分が信じたい情報を信じてしまう。(ファクトは感情に勝てない)
根拠がなくても、結果が伴わなくても、力強く巧みな言葉に人々は動かされてしまう。(日本に呪文使いがいないことを喜ぶ)
いちいちマナー違反に目くじらをたてないことによって、文化は国際化していく。(伝統を
...続きを読む守る人が文化を破壊する)
気ままで私的な感情の集積が「世論」である。(「10年後」から振り返ってみる視点を持つ」)
民主制は既に「民」と認められた人にとって有利な決定ばかりがなされてしまう。「民」認定されていない人に対して冷淡だ。(「未来人の人権」は守らなくていいのか)
いちいち文句をつけていると疲れてしまう。最近はサービスに不満がある時は「この国や地域ではそういう流儀なんだな」と思うようにしている。当事者意識も大事だが余所者として暮らしていた方がリラックスして日々を送れる。(余所者だと思って生きていく)
歴史を学ぶことで僕たちは冷静になれる。似たような出来事を知ることで、客観的な視点を得られる。(世界は77年で一回りする)
など、コロナ化に連載された古市氏による斜め上からのコラム集です。
1テーマにつき3ページと紙幅が少ないため、1つか2つの事例だけをもとにして結論を出している点や、筆者の意見について、賛否があるでしょうが、私はこういう自分にない視点からの切り口を知れることは好きです。
また、社会的な事例に対してこうやって自分なりの考えをまとめられることも凄いなぁと思いますし、読んでいると影響されて、自分も身の回りのこと、ニュースでのことについて考えるようになります。
タイトルにもあるように「正義」というのはやっかいだなぁと思います。そして、「正義の味方が苦手です」というのは秀逸だなぁと思います。
インターネットやテレビでは、一側面しか報道されていないのに(一部分しか知らないのに)、自分は当事者でもないのに、あたかも「こうである。」「こうすべき。」「こうしている人はダメだ。」と正義を振りかざすコメントをよく見ます。
そんな辟易している自分の気持ちを代弁してくれているところも気に入っています。