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Posted by ブクログ 2020年03月28日
「平成くん」「百の夜」に続く古市憲寿さんの最新小説。今作の主人公は人気絶頂時にステージから転落し、半身不随の体(だが意識はある)で、その後の17年間を生きることとなった人気歌手・香織の「奈落」の歴史。半身不随後の17年間を1年目から追っていく形、家族は好き放題し香織を使って金儲けに走り、恋人はライバ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年03月12日
ライブ中にステージから転落し、指先さえ動かせない寝たきりになってしまった歌姫。
意識はあるのに声も出ず、指も目も動かず、誰にも伝えられない。
反応がないのをいいことに、周りは人形のように好き勝手に扱い、不仲な家族が彼女の名前で荒稼ぎする。
彼女の救いは夢の中だけ。
最後の一行を読み終えて、思わず涙...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年03月29日
わたしとはまるで違う。
欲しいものも、美しいと感じるものも、生き方も。
窮屈でたまらないこの家族と町から
一日も早く逃れたい。
わたしが居るべき場所はここじゃない。
音楽が救ってくれた。
歌手として生きる道を選んだ。
ついに手に入れた、自由。
みんながわたしを求めている。
わたしはいま、生きている。...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月25日
『怒り』のエネルギーって本当に強くて、その強さが今回は生きるエネルギーになってしまったんだけど…
あまり良い感情ではないと思うんだよな…
個人的には…
でもそのエネルギーで生きた人もいるだろうし、実際に凄まじいエネルギーなんだよ…
届かない怒りほど虚しいものはない。
古市さんの話は、感情を学べる...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月21日
突然の事故で体が不自由になってしまう主人公。
その苦しみやもどかしさがリアルに綴られている。それも、オーバーな表現はなく淡々と。
他人事とは思えないようなリアリティ。
誰もが現実で感じうる些細なストレス、それを丁寧に掬い取って表現している。
古市さんの特徴であるフラットな文章に慣れていくと、最後...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月24日
代理ミュンヒハウゼン症候群を1番に思い出した。
本当に終始鬱になりそうな内容だが、なぜが読み進めてしまう…そんな本。
本当に自分の意思が伝えられない患者さんがいるのかもしれない…そう思うと心が痛む。患者に寄り添う治療とはなんだろう?自己決定支援制度ってなんだろう?アドボカシーってなんだろう?たくさん...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年12月01日
初めての作家さん。
出だしの数字がわからなかったが、すぐに意味がわかります。
表現できないとはこんなに苦痛なのかを思い知らされます。
絶望の中、生きていく苦しみ。
これが人生なのかもしれない。
辛いのが苦しい人にはお勧めできませんが、この本を読めるということは、主人公より恵まれている...と考えて慰...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月17日
古市さんの小説3作品めです。
冒頭から引き込まれました。
ある日、急に人生が変わることはあり得る…
輝かしいスターだった主人公が奈落の底へ落される、自由にならない身体と正常なままの意識のはざまでの何十年という日。
主人公目線で読んでいたのでラスト近くでちょっと衝撃を受けました。勝手に持っていたイ...続きを読む
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