國分功一郎のレビュー一覧
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本来国民の声を幅広く聞いて実行するはずの政治が機能していない。
特に身近に溢れているインフラ整備の問題などこれまでは自民党の主導で行われてきたが、ここにきてそれも限界を迎えそうな感じがする。
本書はそうした社会構造の矛盾を市民の側から変えていく自らが引き受ける民主主義を体現しようとした若き哲学者の声...続きを読むPosted by ブクログ -
なぜ私の考えは行政に反映されないのかという疑問をもつ人の為の本。私と主権がどうリンクしているのか、そして主権の在りかは行政にどう働きかけるのか。主権概念の来歴を追うことで、現在の政治のあり方や主権国家システムを相対化することができる内容になっている。
あまり古典の解説で聞かない内容があっていい。ホッ...続きを読むPosted by ブクログ -
民主主義の欠陥に迫った一冊。何度も頷かされました。ぜひ誰しもに一度読んでみて貰いたいです。
「哲学に携わる者の責任とは、配達されるべき言葉を配達することだ。」と筆者も言っているように、実にこの問題をデリダなどの思想と繋ぎながらわかりやすく伝えてくれています。
優しく、熱い一冊。必読です。Posted by ブクログ -
我々のこの民主主義・民主制は、ある種の欺瞞のもと、何か別のものが民主的と呼ばれているにすぎないのではないかーー。そのような疑問から出発し、政治哲学の大家たちの論を紐解きつつ、彼らの「自然権」「主権」「立法」「行政」などの用語法の細かな異同に目を配りながら、何百年も前に提起された諸問題が今もなお熟慮に...続きを読むPosted by ブクログ
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やや進歩史観的というか、過去の思想を「乗り越える」という形で単純化して書かれすぎているきらいはあるが、その点を踏まえても本書の試みが、その魅力が損なわれるということはない。
行政という観点に着目して読み直される政治哲学史は、掛け値なしに新鮮なものだった。
著者の『来るべき民主主義』と併読されること...続きを読むPosted by ブクログ -
こども・若者の社会参画について考えていて、間接民主主義やら投票率向上キャンペーンに限界があるんじゃないかでもどうしたらいいんやーみたいなことを考えていた時に先輩から勧められて読んだ。
まだ「はじめに」しか読んでないけど...
主権=立法権を前提にしている近代の政治思想や行政が決定している実態への指摘...続きを読むPosted by ブクログ -
小平市都道328号線問題のような住民問題は、マンションや道路、ダム、ゴミ処理工場、最終処分場など、問題の構図として必ずと言っていいほど、《住民対自治体(行政)》の構図が浮かび上がってきた。そして、行政をチェックする機能としての議会も、行政の取り組みを認可するだけの役割に成り下がるだけの役割しか見え...続きを読むPosted by ブクログ
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小平市の都道建設計画を見直す住民投票運動に参加した社会哲学者が、自分の専門である政治哲学と実践とを見事に結びつけた良書。日本の政治や行政に関する「理解不能」な部分をなるほどと解き明かしてくれました。行政権が大きな比重を占める日本では、主権=立法権という政治哲学の前提が間違っているので、住民投票やパブ...続きを読むPosted by ブクログ
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ドゥルーズやデリダなどの研究を専門にする哲学者が、自らが住む小平市の道路建設に反対する運動に関わる過程で得た現在の民主主義への違和感と課題についてまとめられた本。タイトルにもなっている「来るべき民主主義」は著者が専門とする哲学者ジャック・デリダの言葉だ。「現在の民主主義を見直し、これからの新しい民主...続きを読むPosted by ブクログ
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「平易な文章で、よくもここまで上手に説明するものだ」と驚かされた良書。実に面白い!
小平市の道路開発問題という超ローカルなネタを素材にしているが、議会制民主制に対する幻想・勘違いと限界、そして議会制民主制を補完する方策のアイデア、まで幅広く論じている。自分自身の「政治」に対する向き合い方が変えられる...続きを読むPosted by ブクログ -
テクストを読み解くスキルを活かし、哲学者が一般読者の人生相談に答えています。
アドバイスとして言っていること自体は良心的で、即問題解決に結びつくようなものではありませんが、しかしその「悩み」のどこが問題なのかを読み解き、なぜそのようなアドバイスをするに至ったのかを明確に述べています。
相談メールの中...続きを読むPosted by ブクログ -
相談の手紙に書かれていないところ、相談者が言っていないところに、本当の問題点があること。悩みも、解決策も常に個別・具体的であること。國分先生の、本質を見抜く見方・考え方や、鋭角的なアドバイスが、とても役に立っています。Posted by ブクログ
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働き始めてから、OFFの時間に難しいことを考えられなくなった。難しい情報処理を受け付けなくなった。
疲れた頭でも思わず読み進めてしまったのがこの一冊。
他人の人生相談を読みながら、普段、いい子ぶっている自分の行間に、図々しい自己主張があるのでは、とえぐられるようだった。
それにしても哲学はおも...続きを読むPosted by ブクログ -
一般的•抽象的なものはこの世に存在しない。存在しているのは個別的•具体的なものだけ(p175)と、相談者の文章から具体的な状況を読み取ろうという姿勢が素晴らしい。
情動と感情の関係、遵法闘争、運と無意識の選択、「観念の物質化」など面白い。
「言われていないことこそが重要である。人は本当に大切なことを...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトルの通り、哲学者の國分功一郎氏が、とあるメルマガにて連載していた人生相談を本にまとめたもの。
寄せられた相談に著者が、主に哲学の視点と著者独自の考えから答えを出している。
中でも私が一番面白かったのは、「モテない」という相談に対し、そもそも「モテる」とは何なのか、という著者の結論。
「『...続きを読むPosted by ブクログ -
豊かな社会の道しるべ : 「小さな参加の革命」(3/3) 山崎亮×國分功一郎
この対談記事を読んで、読んでみたくなりました。
民主主義の胡散臭さに自然と距離をおきたくなる自分と、民主主義国家と言われる国に住む自分にとって何らかのカタチで上手いこと理解し、自分のスタンスを固めたいと思う自分が交差す...続きを読むPosted by ブクログ -
封建国家による統治が限界を迎えた先にどのように近代国家の輪郭が形成されていったのか、その輪郭の骨子はなにかを、順に登場する各思想家の考えに沿って読み解いた本。
コテンラジオの「フランス革命編」を追体験し、より深く理解できたと感じる。
個人的におもしろかったのは、ぼんやりとしか捉えられていなかった封...続きを読むPosted by ブクログ