遠藤周作のレビュー一覧

  • 海と毒薬
    平野氏の解説にある、「罰は恐れながら罪は恐れない日本人の習性」という言葉にはっとしてしまった。
    非日常が集団意識を強め、暴力性をはらむというのは、現代の社会問題とも通ずる。
  • 女の一生 二部・サチ子の場合
    信仰、愛・・・形はないけれども人間にとって大切なもの。忙しい毎日を過ごしていると忘れてしまいそうな時に手に取って読むようにしています。出不精の自分がどういう訳か単身ポーランドのビルケナウ強制収容所に赴くことになってしまったくらい世界で1番好きな作品。
  • 深い河 新装版
    登場人物や概念、起こる出来事など、対応関係(対比関係)に置けるものがかなり多かった気がする。また、無駄な文がなく表現のひとつひとつにちゃんと意味があった。それによって全体的によくまとまった仕上がりになっているので、かえってインドの混沌とした世界が際立って、良いと思った。
    ガンジス河の流れを死者の領域...続きを読む
  • 深い河 新装版
    30年の時を経て読むことが出来た作品。
    十代の私では読み終えられなかった。
    この本を紹介してくれた女性に感謝します。
    ありがとう✨
    祈りと信仰を深いレベルで考えさせられる作品。オススメです❗
  • 死について考える
    ◯どういうきもちになる
    ・死生について考えるきっかけになる
    ・生活ではなく人生と捉えるようになる。やるべきことが見えてくるような気がする 
    ・亡くなった親類や友人がきっと静かで穏やかな世界にいけてるんだろうなと救われる


    ・「死について」ではなく「死について考える」というタイトルがぴったり。死後の...続きを読む
  • 自分づくり~新装版~
    科学、宗教、スピリチュアル、宇宙、心理学等
    それはそれはものすごい幅広い知識をお持ちで、それらを自ら熱心に学び、落とし込み、非常にわかりやすいユーモアたっぷりの話し方で
    この方と直に話せたらどれほど楽しく有益な時間を過ごせるだろう!と
    もしくは、学校の先生だとどれほどいいだろう。
    年齢も性別も異なる...続きを読む
  • 眠れぬ夜に読む本
    オカルトチックだったり時代を感じる表現もあるが、魅力的な人であることが伝わってくるエッセイだった。歳をとるのも悪くないなと思える。
  • P+D BOOKS フランスの大学生
    遠藤周作さんのデビュー作にして恥ずかしながら自分にとっても初の氏の作品の出発点となる一冊となりました。
    当書は戦後の1950年から53年の間の氏のフランス留学時代の手記から成っています。当時のフランスはドイツから受けた戦争の傷跡が生々しく、それがフランスの若者たちの心に影を落としている様子がこの書か...続きを読む
  • 海と毒薬(新潮文庫)
    色々と考えさせられる内容だった。解説を読むことでより理解が深まるのは良かった。
    印象に残ったの場面は事件前、蒼く光る海を見てある詩を心に浮かべると涙が出てきた勝呂医師。
    事件後、闇の中に光る白い波をを見て詩をつぶやこうとして、できなかった勝呂医師。見慣れていた波を見て同じことをしようとしたのにできな...続きを読む
  • 自分づくり~新装版~
    面白かった。買った当日に一気読み。

    無意識の世界に興味をもった。
    僕たちは、自分の無意識下のコントロールによって行動を決定している場合が多い。
    なかなか無意識を感じるのは難しい。
    人が夢をみるのは、押さえ込んだ欲が解放された結果らしい。今後は夢の見方がかわりそう。
  • 恋愛とは何か 初めて人を愛する日のために
    恋愛とは情熱であり、誰でも恋愛はできる。
    愛は地味で努力と忍耐であり、誰にでもできるものではない。
    恋愛は苦悩によって燃え上がる、などを繰り返しわかりやすく書いてあり、何度も読み返したくなる。
    文献の紹介も豊富で、解説がわかりやすく丁寧でそれらの本も読みたくなった。
  • 新装版 わたしが・棄てた・女
    ネタバレ知っちゃってから読んだけどそれでも最後は泣く。世の中にはいろんな人がいるしいろんな人生がある。そしてそのいろんなことを選び取ることができる。選び取ることができるものが狭くならないためにも、エゴを捨てて、いろんなものを見て感じていきたいと思った。わたしの人生讃歌をいつも遠藤周作はしてくれる。好...続きを読む
  • 新装版 海と毒薬
    私の中の戸田を見つめ直すことができた。
    周りのお咎めがなければどんな残酷なこともしでかしていたかもしれない。
    私達日本人は良心、善悪を世間に委ねている。しかし自分の心の拠り所は自分の核として存在していなければいけないし、柔軟であってはいけない。
    流される勝呂の弱さ、自己を肯定するために歪んだ解釈をし...続きを読む
  • フランスの街の夜 遠藤周作初期エッセイ
    遠藤周作先生の若き日から晩年近くまでに書かれた短文を集めたエッセイ集。没後四半世紀を過ぎてまだ新刊が出されることにまずは深い感慨を覚えます。
    やはり文体に深みを感じます。人間くさく美しい話ではない内容であっても文体には品を感じると言いますか。その品とは上品下品の品ではなく自分の人生、そして自身が関わ...続きを読む
  • 悲しみの歌(新潮文庫)
    新宿を舞台にした群像劇。
    「海と毒薬」に登場した医師の勝呂が、あの後どんな人生を過ごしてきたのかが分かる作品となっていた。
    それとガストンも。ガストンはここではイエス的な役割を担っていて、かなりの重要人物。彼の言動は突拍子もないように見え、自分も暮らしが立ち行かないのに人助けばかりして、破滅的すぎて...続きを読む
  • 王妃マリー・アントワネット(上)
    フランス史好きにはたまらない……読みやすいー!!フィクションを混ぜているからこそさらに面白いのかなあ。
  • 善人たち
    善き人であることの苦悩や、善き人として生きることの難しさを感じた。
    特に最後の戯曲「わたしが・棄てた・女」は、純粋さと善意に満ちた生き方を痛いほど貫いたみっちゃんに対して涙が止まらなかった。
    善き人でいることは、何が起きても他者への優しさや同情、共感が捨てられずに涙を流さなければいけないとても過酷な...続きを読む
  • フランスの街の夜 遠藤周作初期エッセイ
    海と毒薬、沈黙、同じ手から生み出される作品ではあるが、こちらは遠藤周作という人物の成長と人となりが垣間見れるエッセイ。
    初期のものからというが、自分を投影するその言葉一つ一つはとても完成度が高く、空気まで運んでくるよう。

    遠藤周作と言えばキリスト教。宗教じみていないキリストとの関係を書くエッセイも...続きを読む
  • 砂の城

    青春の試練に、人生の難しさ、厳しさを思い、それを重ねるべく努めないといけない。

    若者が夢想と空想のうちに築いていた青春=砂の城は崩れていく。
  • 死について考える
    時にユーモアを交え、死についてさまざま語られた本。

    「亡くなった肉親や先祖たちのいる世界に戻るという感覚」
    そう捉えると、死もこわいものでは無くなる気がする。