遠藤周作のレビュー一覧
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大学生の吉岡は遊び目的で森田ミツを呼び出し交わって棄てる。
その後の2人の人生が対照的で、読みながら幸せな人生はどちらなのかと考えさせられた。不器用に生きるミツは石鹸工場から職を転々とし、一般的には不幸な境遇だが人生を全うできた意味で幸せだったと言える。一方、吉岡は小さい幸せを得たが、いつまでもミツ...続きを読むPosted by ブクログ -
素晴らしく、そして辛い気持ちになる本。エピソードは異なれどまるで自分の影がみえる吉岡の酷さや三浦マリ子の無邪気さよりも、ミツの、自分も決して恵まれてはいないのに、自分を差し置いてでも辛い人に自然に寄り添うことができる力に涙し、自分の中にある自己中なところ、優しさに欠くところを顧みてその情けなさ涙して...続きを読むPosted by ブクログ
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中学生の時に読んだときの衝撃が忘れられない。
悲しさとは違う哀しさを知った本。
やるせなくて、悔しくて、でもその感情をぶつける矛先が無くて、哀しい。
海と毒薬でも沈黙でもなくこの本を教室に置いたあの国語の先生はたくさん本を読む人だったんだなあと思う。
今年の夏に読み返したい。Posted by ブクログ