遠藤周作のレビュー一覧
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大好きな遠藤周作先生。
新作を今読めるとは思わなかったし、出会いも知らず知らずで。
前半後半のみならず、エッセイだなと思うところもあれば、あれ?フィクションかな?と思ったり。
短編集なので、とても読みやすかった。
オチが明確なことがあ〜!って思ったり。
ん?と考えさせるオチもあったり。
遠藤周作のユ...続きを読むPosted by ブクログ -
人が人を裁く資格なんてない。40年経った今も、当然それは変わらない。
追い求める正義は、果たして誰にとっても正義なのか。自分がその立場に立った時、絶対に起こらないと断言できるのか。
生きることに付随する悲しみが、あまりに多すぎる。もう苦しまなくていい、もう辛いことはない。誰もが死に向かう中で、死を求...続きを読むPosted by ブクログ -
自己啓発的な導入で始まった文豪エッセイに若干の戸惑いを抱きつつ、気付けば著者の一生に滑り込んでいた。温かでお茶目で少年のような心を持っていた著者に親しみを感じた。(無礼を承知の上で可愛いなぁとも思った。そう思う理由も本書で語られていてクスリとした)
私が小学生の頃に亡くなられている。お会いしてみたか...続きを読むPosted by ブクログ -
大晦日に読破。良かった。もう一度読みたい。
人間はやがて死ぬ。早いか遅いか。今していることは、だからなんなん、と自問するとに戸惑うことばかり。どう生きようか。Posted by ブクログ -
和風「少年の日の思い出」ハードモード
心のなかに罪の意識を抱えながら、変わらぬ日常を送る人々の不気味さが際立つ内容でした。
冒頭の十数ページでそんな罪を抱えながらも変わらぬ日々を送る人々の恐ろしさを感じられるのも本書の魅力でした。また、印象的なのはp144の戸田の独白。
『ぼくはあなた達にもきき...続きを読むPosted by ブクログ -
ミツは愚鈍で教養もなく、美しくもないけれど
心の優しさ、暖かさ、弱い他者への共感する力を誰にも教わることなく持っていた。
自分もそれを理想として生きているけれど、そうなりきれることもなく打算やエゴイズムで世渡りしてきたこともあり、その経験、記憶を消し去ることはできない。
私は神や特定の宗教を信じる者...続きを読むPosted by ブクログ -
一貫して哀しみの歌がこの小説には流れている。
奉仕の心が大切なのは間違いないが、それが実際に他人への救いとなることがいかに困難かを知らされる。
救われることへの諦念に僕は息を止めたくなった。Posted by ブクログ