―最も邪悪な者は悪を行う者ではなく、善を知りながらそれを踏み躙る者―
今巻も冒険ファンタジーの皮を被った心理戦が繰り広げられます。
テグネウの仕掛けた致命的な罠。対立する仲間達。ついに明らかになる7人目―。
様々な思惑と陰謀、そして思いが交錯する中、一文字たりとも気が抜けないやり取りが続きます。
...続きを読む読者ですら何を信じていいのか分からなくなるような疑心暗鬼の渦の中で、たった一つ確かなものは…?
…それにしてもテグネウの外道っぷりがとんでもないですね。
術策・陰謀を駆使して立ちはだかる最悪なタイプの敵だというのはここまで徹底的に描かれてきたわけですが、そんな前置きがあってすらテグネウが巡らせた策の悪質さは眩暈を覚えるほどです。
具体的には真相が明らかになった瞬間、足元が崩れる感覚を味わえます。メタな言い方をすれば、「それは普通ラノベじゃやらない、やっちゃならない展開だろう」と。…そして、確かに恐ろしい策だ、とも。
話が進むほどに絶望感が増していくこの作品。謎も伏線も増えるばかりでさっぱり楽にならない。ハッピーエンドを想像するのはかなり難しいですねぇ…。
とりあえず7人目については予想通り(分かってから言ってもしょうがないのだが)。
これは作中の状況証拠からの推測というより、「物語として誰が7人目であるべきか」というメタ思考によるものですが。
…そうじゃなきゃいいなぁ、と思ってましたけどねぇ…。
余談。
アニメ化決定おめでとうございます。
…でもこれ、アニメにして面白くなるのか…?(苦笑