萩尾望都のレビュー一覧

  • 私の少女マンガ講義(新潮文庫)
    漫画製作の話が読めてよかった。ただ最近作はあまり知らないので、後半のインタヴューはよくわからなかったです。
  • 一度きりの大泉の話
    こんなに痛々しく、こんなに強靭な想いに満ち溢れた本には出合ったことないかもしれません。それもメディアに対して大泉時代の話は今後一切受け付けない、という意思表明のメッセージを発信するための、作者が現在必要としている機能を果たすべく生まれた本です。そういう意味では、一度きりの「大泉の話」であると同時に、...続きを読む
  • モーニング 2021年44号 [2021年9月30日発売]
  • 11人いる!
    ■11人いる! 121p
    この作品は読み返さなくてもいいくらい一コマ一コマ憶えていた。
    が、なぜこの本だけ見当たらないのか悔しくて再購入して読み返してみた。
    思い出すに、おそらく初・萩尾望都作品。
    たぶん同じ小学館の「ドラえもん」に入っていたチラシでこの文庫版の表紙イラストを見て、タイトルや絵柄に惹...続きを読む
  • 一度きりの大泉の話
    伝説の大泉サロン、その当事者である萩尾望都が語る彼女から見た真実。事実関係は、もう一方の当事者である竹宮恵子の「少年の名はジルベール」を重ねて読むと良く分かる。萩尾は天才で、見たものすべてをマンガにできる画力と卓抜なアイデアを併せ持つ。いわば、周りをすべてなぎ倒して進む巨人だ。しかし、本人にその自覚...続きを読む
  • 私の少女マンガ講義(新潮文庫)

    少女マンガ好きにおすすめの本

    萩原望都先生の作品を見ながら、作品を構成する際の意図が詳細に説明されているところが、大変ためになりました。
    これから少女マンガを読むときには、作者が何を、どう見せたいのかを考えながら読めそうですし、描く方も頑張ろうと思いました。
    また、読んだことのない作品も紹介されていて興味がわきました。
    ...続きを読む
  • 一度きりの大泉の話

    一度きりの大泉の話

    萩尾先生から見た大泉の話が語られています。
    口語らしい文章だなと思ったらインタビューから文字を書き起こしたようです。
    ご本人が仰るように萩尾先生は人間関係の苦しい部分(嫉妬など)について少し鈍感なんだと思いました。素直で器用ではないけれど天才肌で、周りからしたら脅威に思われたのかもしれません。萩尾先...続きを読む
  • トーマの心臓
    1974
    何度も読んだはずだが今回ようやく気付いたのが、キリスト教でいうユダとイエスの関係が重ねられているのだということ。
    今までは少年愛、ギムナジウム、という意匠に、あっけなく惑わされ、いわば気軽に耽溺していたのだ。
    なぜトーマは死んだのか。
    ユーリが暴力に屈して信仰を捨て(かけ)たからこそ。
    ...続きを読む
  • 訪問者

    名作中の名作

    最後の場面でユリスモールの前で流すオスカーの涙。罪を犯した父に許しを与える存在になりたかったのに、父にとっては自分は裁きをくだす者だった。愛と絶望の描写が胸を締め付けられる。「エッグ・スタンド」も初めて読んだのははるか昔なのにいまだにセリフの一つ一つが心の中にしまわれている。進化論から、死んだ子ども...続きを読む
  • 半神

    萩尾望都は偉大だ

    有名すぎる表題作については、今更語るまでもない。他に収録されている作品では「偽王」「ハーバルビューティ」が好きだ。罪を思い出させて自分の傷を精算するために道連れになる男。何もかもが想定外のハーバルビューティ。萩尾望都の作品は、出会えて読めてよかったものばかりだ。
  • トーマの心臓

    人生のバイブル

    天使の羽根を失ったとユリスモールに告白されたエーリクが「僕の羽根を片方あげる。両方でも良い、僕はいらないから」と答えた場面は今読んでも涙が流れる。あの頃私は何も知らないティーン・エイジャーだったのに。私の人生を語るときに欠かせない一冊。
  • フラワー・フェスティバル

    生きることの肯定

    夢中で読んじゃった!
    感情の揺れ動く様を本当に繊細に描いています。
    動揺しているときに手を掴まれ、肉体的な触れ合いによって気持ちが落ち着くところや、家族や仲間たちに対して怒ったり、また別な時には肯定的な感情を持ったりするところなど。
    そういう揺れ動く心を持つ自分への許し、それから自分と同じよう...続きを読む
  • あぶな坂HOTEL
     再読。ありがちな設定でも名手 萩尾望都は読ませてしまう。
     「女の一生」「3人のホスト」は特に感銘を受けた。後者は舞台劇で観たい気がする。
  • 王妃マルゴ -La Reine Margot- 8
     マルゴがその晩年、19年に及ぶ軟禁状態にあったことは鹿島茂「『ワル姫さま』の系譜学」で知っていた。その辺りは駆け足気味に語られる。
     これだけ多人数のキャラクターが行き交う物語を交通整理しおおせた萩尾望都の構成力に舌を巻く。
     マンガのよいところ。キャラクターの成長を幼女→少女→熟女→老女に至るま...続きを読む
  • 王妃マルゴ -La Reine Margot- 5
     マルゴの結婚と同時にフランス史の悲劇、聖バルテルミの虐殺が描かれる。萩尾望都も表現に悩んだことだろう。
     兄シャルル9世は狂気へ傾斜する。次兄アンリ、末弟アランソンの動きは予断を許さない。
     意に染まない結婚を強いられたマルゴ。164ページのドレス姿とカラスが、内面の葛藤を物語って余りある。
     参...続きを読む
  • 王妃マルゴ -La Reine Margot- 1
     萩尾望都初の歴史実録マンガ。1〜7巻まで買い、長らく積ん読していた。
     鹿島茂「『ワル姫さま』の系譜学」を読んだ勢いで1巻を開く。
     王妃マルゴって誰だろう。ベラスケスの名画「ラス・メニーナス」の真ん中にいる王女さまかな。
     違った。舞台は中世フランス。ノストラダムスの的中予言として名高いアンリ2...続きを読む
  • ポーの一族 ~春の夢~
     連載中の「秘密の花園」にケイトリンという一族が出てくる。彼女の名が「春の夢」に出てくると指摘するブログがあって、再読する。確かにそう。自分は何処を読んでいたのか。
     初めて読むように面白い。
     二次大戦下のエドガーとアランの生活が描かれる。
     バンパネラ、広く不死の一族の設定が厚みを増す。
     新キ...続きを読む
  • くらもち本~くらもちふさこ公式アンソロジーコミック~

    大感動

    大好きな、くらもちふさこ先生の、天然コケッコーの未発表の3作品が読めて最高でした😂くらもちふさこ先生ありがとう😊
  • 私の少女マンガ講義(新潮文庫)
    懐かしい萩尾作品の解説に、少女マンガの歴史。マンガはずーーっと好きなものの一つです。好みに合うものは読み続けますよ、何歳になってもね
  • なのはな 新装版
     第一線に立つマンガ家がノブリス・オブリージュを発揮した良心作・問題作。
     放射性物質三部作は、いずれも場面転換の少ない演劇のようで、テーマが明確に語られている。ただ、111ページ1コマ目のサロメの足首は大きすぎるように思う。
     『福島ドライヴ』は、見開き2ページの使い方が巧妙で、往年の名作『ヴィオ...続きを読む