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12万字書き下ろし。未発表スケッチ多数収録。
出会いと別れの“大泉時代”を、現在の心境もこめて綴った70年代回想録。
「ちょっと暗めの部分もあるお話 ―― 日記というか記録です。
人生にはいろんな出会いがあります。
これは私の出会った方との交友が失われた人間関係失敗談です」
――私は一切を忘れて考えないようにしてきました。考えると苦しいし、眠れず食べられず目が見えず、体調不良になるからです。忘れれば呼吸ができました。体を動かし仕事もできました。前に進めました。
これはプライベートなことなので、いろいろ聞かれたくなくて、私は田舎に引っ越した本当の理由については、編集者に対しても、友人に対しても、誰に対しても、ずっと沈黙をしてきました。ただ忘れてコツコツと仕事を続けました。そして年月が過ぎました。静かに過ぎるはずでした。
しかし今回は、その当時の大泉のこと、ずっと沈黙していた理由や、お別れした経緯などを初めてお話しようと思います。
(「前書き」より)
Posted by ブクログ 2022年04月07日
登場する関係者の作品をほとんど読んでいないため、本書を読むことを躊躇していた。
読んでみたら、人間と人間の生の関係性が痛々しいほど綴られていた。しかも半世紀も黙っていたことを。
「他人が何を考えているか分からない」「内気で自分からはうまく言えない」と悩んでいるなら、もしかしたら共感できる内容だと思う...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月06日
高校時代と思うが手塚治虫の「火の鳥」に夢中になっていた頃、「ポーの一族」と言う素晴らしい作品があるという事を知って萩尾望都作品集を購入して夢中になった、ついでに竹宮恵子作品集も購読したが記憶に残るほどの作品はなかった。その後大島弓子、山岸凉子と少女漫画にどっぷりと浸かり少年漫画なんて程度が低くて読め...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月02日
1970〜1972年、著者の萩尾望都さんは、上京して大泉にある二階建ての借家で暮らし始めた。同居人は竹宮惠子さん。
後に『大泉サロン』と呼ばれるようになる若手新鋭少女漫画家達の集まりである。
萩尾さんたちが暮らす家には多くの駆け出しの漫画家が集まってきた。二人の漫画家のアシスタントとしてだっ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月22日
「ポーの一族」や「トーマの心臓」他、多数の名作を生みだしたレジェンド漫画家の半生記、交遊録、そして悲痛な心の叫びを記した衝撃の一冊。
読む前は、著者が若いころを過ごした東京都練馬区大泉時代の懐かしく、楽しい時代の、「トキワ荘」タイプのエッセイだろうと思っていたら、全く正反対のものだった。
197...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年12月26日
少女漫画はほとんど読まないが名前は知ってる萩尾望都と竹宮惠子。1970年から練馬の大泉で共同生活を送っていたが、1973年にバラバラになる。以降萩尾は竹宮と一切連絡をしていない。理由について一切語っていなかったが、最近大泉時代について質問されたり、ドラマ化したいという話が多くあるので、ここでそれを説...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年11月28日
こんな本を書かなきゃいけないくらいプライベートが荒らされて、しんどかったんだろうな。
竹宮惠子サイドはどう書いてるのか気になるので読まなければいけないと思った。
萩尾望都は小さい頃から読んでいて大好きなので、これから心穏やかに生活できることを心から願うばかり。そしてこれからもいい作品を生み出して...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年10月03日
こんなに痛々しく、こんなに強靭な想いに満ち溢れた本には出合ったことないかもしれません。それもメディアに対して大泉時代の話は今後一切受け付けない、という意思表明のメッセージを発信するための、作者が現在必要としている機能を果たすべく生まれた本です。そういう意味では、一度きりの「大泉の話」であると同時に、...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月25日
伝説の大泉サロン、その当事者である萩尾望都が語る彼女から見た真実。事実関係は、もう一方の当事者である竹宮恵子の「少年の名はジルベール」を重ねて読むと良く分かる。萩尾は天才で、見たものすべてをマンガにできる画力と卓抜なアイデアを併せ持つ。いわば、周りをすべてなぎ倒して進む巨人だ。しかし、本人にその自覚...続きを読む
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