山本文緒のレビュー一覧

  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    山本文緒さんの作品が好きで、一行一行楽しんで読んでいたら読み終えるのに時間がかかってしまった。
    この小説にはある仕掛けがあり、私は全く気が付かず最後まで主人公の都の結末はどのように迎えるんだ?!と気になり、最後は一気に読み終えてしまった。

    山本文緒さんの期待を裏切らない読み応えたっぷりの作品に、読...続きを読む
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    都の都合の良さというか傲慢さはおいおいって感じだけど、抱えてる背景とかを総合して考えると、悩んでることはすごく理解できる
    結局答えなんてないし、一人一人違う生き方をするから、迷いとか不安とは一生付き合い続ける人が大半かと
    だから人と比較せず自分で答えを出すべきである、ということはみんなが理解している...続きを読む
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―
    最後まで作家を貫いた、山本文緒さん。

    同じ2021年にがんで亡くなった母と重ねながら、母もこんなことを感じたりしていたのだろうかと思いながら読みました。
  • ファースト・プライオリティー
    「31歳」を軸にした短編集。
    ショートショートに近い数頁の人生ストーリーです。
    31歳という絶妙な年齢は、まだまだ若い。結婚、転職、離婚、再婚など人生の大きな岐路を決断できる年齢かもしれません。
    この小説でも様々な職の男女が思い悩んでいる様子がリアルに描かれています。
    山本文緒さんの小説はラストセン...続きを読む
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    20代最後の、今、読んで本当に良かった。
    結婚、出産を経験した自分。
    これで良かったのかと毎日思う自分。
    でも幸せも感じる自分。
    キャリアで悩む自分。
    親との関係…色々なことがぐるぐるする毎日。
    正直、読んでいて9割は心がズキズキと痛んだけど、最後読んで良かったと思えた。
    泣けた。これは29歳女子に...続きを読む
  • 眠れるラプンツェル
    孤独に追い込まれ、麻痺して狂う女性を描くのがうますぎる。

    山本さんの著書を読むと、
    働き、居場所と対価をもらうことは
    自由なのだと痛感する。
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    幸せとは人それぞれの形があるが、それを知った上で悩む。育った環境や関わる人によって考え方が形成される。私が一般的だと思う考え方は人によって異なる。
    登場人物の考え方は本で読んでいるとそういう考え方もあると飲み込める。
    本を読む前は結婚=幸せである。と考えてしまっていたが、さまざまな幸せがあると知った...続きを読む
  • ばにらさま
    …なんとなく…感じてしまう違和感。
    これは何だろうと思っていると、驚く事実が発覚し、この物語には別のフィルターがあった事に気づきます。
    そのフィルターから見てみる物語は最初にイメージしたものとは異なる意外な世界でした。


    そして浮き彫りにされたのは女性たちの潔のよいエゴイズム。
    エゴイズムというと...続きを読む
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    凪良ゆうさんと雑誌で対談されている記事を読み、この作家さんに興味を持ち読んだ。
    山本文緒さんが凪良さんに「後は任せた」と言われたと記事にあった。
    どういう事?と、思ったのが興味のきっかけ。
    山本さんはこの本が発売された1年ちょっとで亡くなられたと言うことだ。

    普通の本の約倍の長編小説で、プロローグ...続きを読む
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―
    膵臓がんのため58歳で早世した人気作家の著者が、ステージ4bの膵臓がんの告知を受け、緩和ケアへ進むことを決め、まるで夫とふたりで無人島に流されてしまったように感じた2021年5月から死去9日前の10月4日まで綴った日記を活字化。
    余命宣告を受けた後の、死の直前数か月間の様子や思いを克明に記した貴重な...続きを読む
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―
    闘病記というより、緩和ケアしながらの生活記という感じだった。なので辛さに目が潤んで読みづらくなる
    というタイプのものではなく、山本さんと一緒にしみじみと
    少しずつ動くのが辛くなる日々を過ごしていく
    という感覚のものだった。
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    30代女子の揺れ動く心と焦燥感を捉えた作品。
    思わず「そうそうそれね…。」と唸ってしまい、主人公と同じ目線で物語の中に入り込んでしまいました。

    そして主人公と同様に、自分の幼稚さや自信のなさを受け止められているかどうかを考えてしまいました。
    どちらかというと気付かないフリをしがちで、耳が痛いです。...続きを読む
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    478ページ
    1800円6月13日〜6月15日

    更年期障害がひどい母とその介護に追われる父のため、都は東京での一人暮らしを引き払い実家に戻ってきた。アウトレットモールの中のショップに勤めるも、店で売っている服が好きというわけでもない。台風の夜、仕事を終え帰ろうとしたところ、車のエンジンがかからず困...続きを読む
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―
    山本文緒さんの遺作!ある日突然の余命宣告!
    それを受け入れながらの病魔との戦い
    闘病日記ではなく逃病日記!
    その日々がどんなに辛かったか?察するに余りある!最後は涙が出て仕方なかった。
    作家として生き方を最後まで貫いた山本さんにただただ拍手を送りたい。ご冥福をお祈りします。
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    貫一が人として魅力的なところが多いが、全く完璧では無いところが人間らしさを感じて都が惹かれる気持ちがわかる
    自分がどう生きて何がしたいのかビジョンを持って生きる大事さ、正直将来を何も考えず今をがむしゃらに生きていけるのは10代までなんじゃないかとも感じた。都は30を超えている割には呑気というか世間知...続きを読む
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―

    ユーモアを忘れず

    きっと最後の方は書くことも大変だったと思う。それでも書くことによって「病と私」だけになることを避けられたというフレーズは理解できるような気がする。
    体もしんどかったと思うが、どこか自分を客観的にみてユーモアを交えて書いているのはさすが。
    どうかゆっくりお休みください。
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    すごくリアル。主人公と同世代なので、共感できる部分・刺さる部分がたくさんあった。自分の将来について考えさせられた。
    プロローグには騙されたなー。
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―
    読んでよかった。大学生の時に彼氏にファースト・プライオリティーを貸してもらってすんごくハマって、初めて作品が好きで名前を覚えた作家さんだったし、当時唯一「あ、この人知ってる」と思える人だったから、どういう事を思うのか少しでも知れてよかった。

    話は緩和ケアに入るところから始まって、そこの先生にどうい...続きを読む
  • みんないってしまう
    山本文緒さんの本を、10年いや二十年前に読んだ時、そんなに心引かれた記憶はなかった。
    時はたち、山本文緒さんの小説やエッセイが面白いとか、わかるなあと、かんじられるようになった。
    簡潔な文章で、人の心や情景とかを描写できる作家さん。
    山本文緒さんは、もういないけど、遺していかれた小説を読んでみよう。...続きを読む
  • ばにらさま
    私たちは、晴れることのない空虚さを抱えたまま、この「日常」という、いつ崩れるかもしれない薄氷の上を歩くが如く生きていかないといけないのかもしれない。いや、それが「生きていく」ということなのかもしれない。

    女性の日常を描いた6編の短編集。
    未婚のアラサー女性を描いた表題作から始まり、主婦としての女性...続きを読む