山本文緒のレビュー一覧

  • シュガーレス・ラヴ
    あなたは『病気』を患っているでしょうか?

    この世には数百種類にもおよぶ『病気』があると言われています。例えばこの一年を思い返しても、あなたも私も何かしらの『病気』に罹ったのではないでしょうか?もちろんそれは、必ずしも病院で治療をしてというものではないかもしれません。しかし、風邪や頭痛、そして花粉症...続きを読む
  • アカペラ(新潮文庫)
    おじいちゃんの、たまちゃんの名前の呼び方の変化、そういうことか、、、中3ながら精神的に成熟した彼女の一途な一面を知っても、不思議とそんなにぞっとしない、特徴のある性格だなと思った。
  • 恋愛中毒
    あなたは、『中毒』でしょうか?

    いやいやいや。いきなり『「中毒」でしょうか?』と訊かれて、はい、そうです!と答える人はいませんよね。そもそも『中毒』とはこんな風に定義されてもいる言葉です。

     “毒性を持つ物質が許容量を超えて体内に取り込まれることにより、生体の正常な機能が阻害されること”
    
    ...続きを読む
  • ブラック・ティー
    2024.03.09
    「間違わない人間なんていないよ」この言葉が自分を救うため、あるいは自分を慰めるためなのか、それとも、相手のことを真に思いやっていっているのか、その解釈はあなたにお任せします。と山本先生は言っているようにわたしは受け止めている。
    軽く読める一冊だが噛み締めるべきフレーズも多い。こ...続きを読む
  • ブルーもしくはブルー
    主人公、自分勝手過ぎる。実父とかありえない…!DVは許せない。DVを諦めているのももどかしい!好きになれる登場人物が見事に一人もいない!!
    だけど、ミステリーやサスペンスのようなドキドキ、ハラハラがありストーリーは面白くて引き込まれた。最後の終わり方は主人公にもやっとしたけど、そこも妙に現実的で良か...続きを読む
  • ばにらさま
    短編集。
    よくありそうな若い女性の話しや不倫の末に結婚したけれど…という女性の話し。感情の起伏が激しい娘に振り回される女性。ポーランド人と知り合い結婚して幸せになったのに3月11日の大震災で日本に恐れをなした夫は家を出てバイオリンを残して祖国に帰ってしまう。その話しを死の間際で語る女性。 
    小説を書...続きを読む
  • 眠れるラプンツェル
     なぜか癖になる山本文緒作品。人とあまり関わらず、社会とつながっていないとおかしくなってくる感覚はわかる。独占欲を感じるほど誰かを好きになったことがないので、やはり主人公に感情移入はできない。28歳でそこそこ綺麗な専業主婦、清楚ファッションなど文章から人物像が浮かび上がりそうなのに今ひとつ上手く想像...続きを読む
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―
    膵臓癌で、次第に衰え、進行していく様をコミカルに書いている。
    著書からは、こんな前向きな明るい方だとは思えてなかったので驚くとともに、この世から去られた事をとても哀しく感じた。
  • ばにらさま
    -------------------------
    そんなにも
     不安なのか。

    彼女は、雑誌の中のモデルみたいに
    細くて綺麗で、優しく笑っていて、楽しそうで……

    え?
    思わず二度読み

    最後の作品集
    -------------------------
    6編の短編集ですが、
    最初の「ばにらさま」、...続きを読む
  • 絶対泣かない

    あとがきの
    『こういうと語弊があるかもしれないが、
    私はお金が好きだ。
    何のために働いているかというと、そりゃもうお金のためである。
    お金はすごい。

    途中略、、、

    しかしこうやって考えてみると、お金そのものより、お金によってできることが好きなのだろう。
    何故ならば、そんなに好きなら使わずに貯め...続きを読む
  • 結婚願望
    結婚して、子どもを産む事が
    女性としての役目であり正義であるって
    固定概念にとらわれて
    適齢期に突入するとそういう焦る気持ちに苦しみ
    今まで学生時代も中の上、仕事もある程度
    周りの期待に応えられてきたのに(誰にもプレッシャーを与えられている訳ではないが)
    結婚に関して、こんなに遅れて、取り残されてる...続きを読む
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―
    ずっと気になっていた本。読んでは見たものの、読後感をどう言い表していいのかが判らない。ステージ4の告知を受けて「そんなことを急に言われても」って、そりゃそうなるわな…と思ったりした。
    だんだん弱っていってしんどいところやできなくなっていく過程も書かれているのに、それでも、日々の暮らしを綴ったり、周り...続きを読む
  • 再婚生活 私のうつ闘病日記
    「自転しながら公転する」の解説を読んで
    山本文緒さんが亡くなった事を知った。

    山本さんがどんな方だったのか知りたくて
    この本を読みました、印象に残る言葉が
    たくさんあった。

    病気が見つかってからの「無人島のふたり」も
    読みたいと思う。
  • パイナップルの彼方
    山本文緒さんは
    日常を書くのが上手で
    すぐ思い浮かぶ。
    山本ワールドに没入でき楽しかったです。すぐ読み終えてしまいました!

    会社員として働いていて
    気の合わない人がいても
    そこまで近寄らない方がいいなと考えました。

  • 恋愛中毒
     最初は主人公に共感できるか、感情移入のポイントを探りながら読んでいたが、読み進めるにつれ膨らんでいく違和感に戸惑い、終盤でタイトルの意味がわかる。私こそは他の女と違うはず、彼を留めておきたいという気持ちは少し理解できる。親のせいで捻じ曲がってしまった印象はあるが、それだけが要因とも言い切れない。水...続きを読む
  • パイナップルの彼方
    山本文緒さんの本は一気読みに丁度いい。
    ある意味頭を空っぽにして読める話だと思った。
    初めは深文と姉の関係が私と実姉のようだなと思い、共感する部分が多かった。深文の性格は、「他人に何を言っても無駄」だと思い込んでる性格でかなり厄介だった。その性格を、横領事件から岡崎、日比野、そして天堂によって少しづ...続きを読む
  • 恋愛中毒
    まさに恋愛中毒な話だった。主人公の”地味で大人しそうな女性"という人物像に所々違和感ポイントがあったが、内に秘めていた狂気が終盤にあらわになってゾワっとした。ある意味ホラー小説…親からは意地でも自立しようとするのに恋愛相手には極度に依存してしまうアンバランスさ(ある意味それでバランスが取れている?)...続きを読む
  • ばにらさま
     本書は、山本文緒さんが2021年に逝去される1ヶ月前に単行本として刊行された短編集です。「最後の作品集」とするも、6編の初出が2008〜2015年となっており、『自転しながら公転する』(2020)より前なんですね。

     各編とも、短くスラスラ読めますが、濃密な内容です。入念な仕掛けがあって、途中か...続きを読む
  • 絶対泣かない
    あとがきがこんなに自分好みの小説に出会えるとは。
    それで、あなたは、いったいどうしたいのか。
    どうしてもらいたい、のではなく、どうしたいのか。
    じんわり沁みた。悩んだ時、行き詰まった時に自分を預けたくなる様な1冊でした。
  • 恋愛中毒
    翻訳をしながらお弁当屋でバイトをして暮らす水無月は、ひょんなことから芸能人の創路と知り合い、関係を持つ。
    そこから仕事、生活を恋愛に全振りする水無月。
    恋に落ちて恋にのめり込んでいくのは、共感できる部分もあるし、こーゆー友だちいる!という感じ。

    これどーなるんだろうって思っていたら、後半の衝撃的展...続きを読む