西澤保彦のレビュー一覧

  • 黒の貴婦人
    書架で見かけて。

    人に勧められた本を読むのも楽しいが、
    自分の勘だけで選んだ本を読むのも楽しい。
    とくに今回は「あたり」だった。

    短編集だとはわかっていたが、
    最初のお話が面白かったので、
    同じ登場人物の作品集だったのも嬉しかった。
    ただ、その登場人物たちがシリーズ化されているとは知らずに、
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  • パラレル・フィクショナル
    作品紹介の『予知夢を見る男と女。皆殺しの惨劇は回避できるのか? そして凶悪な殺意の主とは?』という煽り文句にノックアウトされました(笑)。

    西澤保彦さんのお話は不思議設定が多くて好きなんだけど、私が大好きな「夢」が題材になっているときたらもう!

    …と、かなりハードル上げて読んじゃったせいか、前半...続きを読む
  • 彼女が死んだ夜
    【匠千暁シリーズ長編①】大学の仲間のハコちゃんが帰宅すると、見知らぬ女の死体が…。その死体遺棄に加担してしまったタックとボアン先輩。警察の捜査は難航し、女性の身元も不明なままのため、捜査を始めたタック達。事件とは関係のないエピソードの提示で焦らされるが、それは少しずつ事件に絡んでいく。タック達のワイ...続きを読む
  • スリーピング事故物件
    オカルトではあるもののミステリとして面白い。設定は奇抜だし、ちょこちょこ下世話な部分があるが、それはこの作者ならではで面白く読めた。
  • 偶然にして最悪の邂逅
    西澤保彦さんの本格ミステリが5編詰まった短編集。デビュー25周年だと。

    まぁ西澤さんのロジカルな感じが好きならまず間違いなく楽しめる。私もこの手が好きなので読んでいたのだが、なかなか頭の中の整理が追い付かず少々てこずった。最後まで読むとあれがあーなってそういうことだったのかー…ん、んー?みたいな。...続きを読む
  • スリーピング事故物件
    昔からの因縁の関係の由布子に誘われ、由布子の姪の真歩と3人で超格安な事故物件でルームシェアを始める事になった初音。事故が起こった部屋にはワープロが残されていたが、真歩が文字を入力してみると21年前に殺された男性からの返信が!成り行きで3人は21年前の事件の謎を解く事になる。全体に百合要素が漂っている...続きを読む
  • 依存
    これは謎ジャンルと言うべきか。
    序盤の展開はチャラいというか、なんか今どきはあまりいない感じの人々というか言葉使いとか雰囲気とか、あだ名とかなんなん、とか、微妙だなぁと思っていたのに、いつの間にかすごい追い込みが待っているという。いや侮れん。
    しかし何しろ途中に伏線というか、これは後でとか、今は明か...続きを読む
  • 人格転移の殺人
    真相「だけ」なら予想はしやすい

    一人だけ転移せずに死んだ人がいる→死んだ人と生き残った人で入れ違いが起きていても気付かれないパターンがある(英語の発音・理解度などから)→意外性のある結末を考えるなら、綾子の人格が生きていてアランが死んでいるパターンだな……と
    んで実際にその通りだったんだけど、そこ...続きを読む
  • スリーピング事故物件
     男関係で因縁があるユウと初音。ひょんな事から事故物件でルームシェアをする事になり、ユウの姪の真歩もシェアのメンバーに加わった。その事故物件は、21年前に起きた殺人事件で殺された霊が宿ってると言い…

     ユウ、初音、真歩の姦しい3人の周りのメンバーが複雑に絡み合い、ラストまで一気読みでした。まさかそ...続きを読む
  • 方舟(はこぶね)は冬の国へ
    綺麗にまとめたなあという印象。十和人たちのお仕事の目的とか、後半になるに従ってできるようになることの理由とかが、もう少し驚きに満ちたびっくり展開だったらもっと楽しめたかもしれない。
  • 人格転移の殺人
    人格が入れ替わるという実験施設に大地震の際に逃げ込んだ6人の間で起こる連続殺人事件。
    SFミステリー兼叙述トリックとして有名な作品。
    設定が絶妙すぎて、読んでる最中にところどころ設定確認しながら没頭してしまった。SFって何でもあり感があるので、あまり好きではなかったけど、最初に設定をしっかりさせてお...続きを読む
  • 麦酒の家の冒険
    偶然迷い込んだ山中の別荘にあったのは、キチンとベッドメイキングされたシングルベッドとキンキンに冷えた大量のビールだった。
    このような不思議な舞台設定から何が起こるのかとワクワクしていたのだが、基本的には何も起こらない。この別荘の謎をビール片手にアレコレ想像している話なのだが、大変面白かった。真相その...続きを読む
  • 収穫祭(下)
    後半はスプラッター描写は少し収まりミステリー的な要素も出てくるが…。

    スプラッター調のサスペンスで始まり、本格的な要素も入れつつ、強烈な殺意に翻弄された人々の一大絵巻となっている。
    30年にわたる愛憎の蓄積が様々な人々を巻き込んで凄惨な事件を引き起こす構図は緻密で、ただの脇キャラがのちに事件に巻き...続きを読む
  • 解体諸因
    約20年ぶりに再読。
    その後、何作にも続く匠千暁シリーズの第一作目。ボアン先輩やタカチも出演するバラバラ殺人短編連作集。ウサコはまだ出てこない。
    この作品だけではそこまでの作品ではないが、後作を読んで再度読むと人間関係を知っているだけにちょっと背景が伺えて面白い。
  • 人格転移の殺人
    ミステリーとしてはもちろんだけど、SF小説にまで興味が湧く面白さ。

    読後、茶筒のようなその筐体(人格交換装置)がじわりじわりと存在感を拡げてくる。
  • 麦酒の家の冒険


     昔はビールといえばヱビスじゃなきゃ、とか生意気云ってる20代だったけれどすっかり黒ラベル派です。そうするとぎっしり詰まった冷蔵庫開けても黄金色の光、とはならないのか……黒バックのゴールドスターがずらりと並んでるのも壮観だとは思うけど、でもロング缶詰め込むならきっと寝かすよね。そうするとヱビス...続きを読む
  • 悪魔を憐れむ
    ――


     酩酊探偵シリーズもここまできました。
     なんだか人生見てる感じがしてきて感慨深いですよ僕は…

     それぞれの形、というのを持っていると、シリーズでも何でも飽きずにしっかり読めるものです。
     同じような、って飽きる場合もあるんだろうけど。
     中心にテーマを置いて、その周辺をぐるぐると、回っ...続きを読む
  • 新装版 瞬間移動死体
    まず特殊設定の作り方が上手い。
    ただ"瞬間移動ができる"というだけではなく、移動すると裸になってしまううえに、移動先から元の場所へ何かが送られてくる。また、主人公は超がつくほどの下戸だが、酒を飲まないと能力を使えない。

    そしてこの移動のための条件があるからこそ見事なロジックが出来上がっている。やは...続きを読む
  • 人格転移の殺人
    トンデモ設定だが、ロジックがしっかりしている。人格が入れ替わりまくるところは読むのが大変だったが、全体的には読みやすい。
    なぜこの装置があるのか、というオチも上手い。
  • 彼女が死んだ夜
     女子大生のハコちゃんが飲み会から帰ってくると、家に見知らぬ女性の死体があるのを発見。異常なほど厳格な両親にバレたくないというその一心で、飲み友達を巻き込み、何とか隠蔽しようとするのだが…。
     主に探偵役を務めるのは、巻き込まれた飲み友達の一人であるタックこと匠千暁で、所謂素人探偵もの。まさにこの「...続きを読む