西澤保彦のレビュー一覧

  • 異分子の彼女 腕貫探偵オンライン
    昨今のコロナ自粛やソーシャルディスタンス等が、ストーリーに無理なく溶け込んでいて「さすが腕貫探偵!」と膝をポンと叩きたくなった。安楽椅子探偵ものは数あれど、リモート出演で何一つ違和感のない“腕貫さん”にも感服した。
    これまでのレギュラー陣が出てこない代わりに登場した、謎のゆるキャラ・ヒツセンくんはあ...続きを読む
  • 神のロジック 次は誰の番ですか?
    まさかの展開で予想裏切られた!後半はアクセル全開、ノンストップで進んでいく疾走感で読み応えあって一気読み。近い未来ありそうな絶妙な設定も唸る...
  • スコッチ・ゲーム
    ナルシシズム理論はかなり的を得てるなと思った。
    犯人お前かよ?!って感じでは合ったが、ストーリーとしては正解だなあ。
    タカチの過去がわかるのが嬉しい。
  • 解体諸因
    全てバラバラ殺人で構成された連作短編集。バラバラ殺人の猟奇的な面はそれほど前面に出ず、犯人の死体解体という不可解でミステリ的魅力に溢れる謎を論理的且つ合理的に解決する点が見事。ただ冒頭に提示される謎がどれもこれも魅力的過ぎて、非常に強引な論理の飛躍が無ければ解決に至らなさそうなことが読んでいながらに...続きを読む
  • 殺す
    タイトルに惹かれて読破
    総合的に面白かった
    登場人物が全員どこか異常者チックでハラハラする
    謎解きというよりなるほどなというミステリーで、大人向けだがすらっと読めた
    ただし一人の犯罪者相手に複数の警官が次々やられたり逃げられるのが、なんとも非現実的に思えてしまいちょっと冷める

    巻末の論評が的を得て...続きを読む
  • 神のロジック 次は誰の番ですか?
    びっくりした。最後スピード感あって、ちょっと自分の感想がよく分からなくなった。もの悲しいような… 共同幻想とか幸せとか。

    読んでよかった。面白かった。そういえば、あちこちに伏線みたいなの、散らばってたかも。
    西澤保彦さん、昔よく読んでたな。
  • 仔羊たちの聖夜
    2022年11月7日再読。
    この作品からしばらくこのシリーズは親の支配とか、そういう話が続いた印象。正直なところ、昔読んだときは私自身学生でタックらと同世代だったが、それでも共感出来なかった。おじさんになった今でも共感は出来ないが、そういう親からの支配でいっぱいいっぱいになって悩む人もいるんだろうな...続きを読む
  • 悪魔を憐れむ
    匠千晶シリーズ第七作。

    タカチたちが安槻大学を卒業した後のお話。

    ウサコと旦那さんが出会ったお話が会って良かった。
    どこかで事件がらみで出会ったと書いてあったので。
    といってもロマンティックな要素はない。
    この「無間呪縛」が一番面白かったかな。

    遺体が切断されるバラバラ事件は「解体諸因」でもあ...続きを読む
  • パラレル・フィクショナル
    予知夢の入れ子構造でややっこしい。
    少し捻り過ぎている感じではあるが、書き方がややっこしさを引き起こしている。
    オチは何だかスッキリしない。だったらもっとこうすれば感が強かった。
  • 身代わり
    匠千晶シリーズ第六作。

    殺人らしい殺人の話でほっとした、と言ってはおかしいだろうか。
    前作でのタックの過去の暴露から、
    どんな重苦しい展開になるのかと思いきや、
    夏休みが明けてもタックとタカチは姿を現さず、
    久しぶりに「ボアン先輩」の飲み会が開かれたが
    出席していた安槻大の学生が殺される。
    それに...続きを読む
  • 自薦 THE どんでん返し
    どんでん返しと言うには少しインパクトが薄い感じがしたけど、内容はそれぞれさすがと思える程に面白かった。法月綸太郎のガリバリズム小説が唯一どんでん返しを感じた作品だった。
  • 麦酒の家の冒険
    学生が酒を飲みながらあれこれと想像を広げて議論していく様が楽しい。
    登場人物らがずっと同じ場所に留まって話が進んでいく安楽椅子探偵的な演出は非常に好みだった。
    登場人物と一緒に推理していく気分になれるのが良い!
  • 人格転移の殺人
    体が誰かと入れ替わるというのはよくありそうだけど、ここまでのは初めて。よくこんな設定を考えるなあと思ってしまう。
    途中で誰が誰だかわかりづらくて戸惑うところがあった。
    話の展開は予想をことごとく裏切られた。あんなラストになるのね。
  • スコッチ・ゲーム
    匠千晶シリーズ第五作。

    そして全ての謎が解けた。
    といっては大げさだろうか。

    「黒の貴婦人」から読み始めてしまったために、
    個人的に勝手に「謎」にしてしまったことに答えが出た感じだった。

    タカチにかけられた殺人容疑とは何だったのか、
    タカチはなぜ謎解きに熱意を傾けるのか、
    なぜ安槻大に来たのか...続きを読む
  • 仔羊たちの聖夜
    匠千晶シリーズ第四作。

    前作とは違って、大学周辺で起きる事件(?)で面白かった。
    ボアン先輩のおかけで、タックとタカチが知り合いになれた経緯もわかったし、
    探偵タカチのファッションも楽しめたし、
    ウサコも存在感を増していたし。

    1回生のクリスマス・イヴにボアン先輩に無理矢理飲み会に誘われた
    タッ...続きを読む
  • 死者は黄泉が得る
    死者が蘇る「SUBRE(サブレ)」、蘇った死者の記憶をリセットする「MESS(メス)」と呼ばれる二つの機械。
    死者たちが暮らす館の章と、アメリカのある街で起こる連続殺人の模様を描く章から成り、当然それは交差することになっていく...

    やや勿体ない点はあるが、全体として見るとかなり面白い。ラストは色...続きを読む
  • 麦酒の家の冒険
    匠千晶シリーズ第三作。

    ちょっと長い。
    著者があとがきで、自分にとっての本格推理のバイブルだと書いていた、
    『退職刑事』ぐらいの長さ、つまりは短編ぐらいでも良かったのでは。

    たぶんにそれは、
    自分が麦酒党ではないとか、
    タカチが推理ごっこに夢中になる理由が明らかにならなかったからとか、
    なかなか...続きを読む
  • 彼女が死んだ夜
    匠千晶シリーズ第二作。

    某2時間ドラマで、
    病死だと思われていたご遺体を検分させるために、
    ドタバタする一級葬祭ディレクターを見ていたせいか。
    葉﨑市という海辺の田舎町で死体を担いだ話を読んだせいか。
    自宅で見つけた見知らぬ女性の死体を捨てに行く、
    正確には捨てに行かせる話は、
    コミカルな話だと勝...続きを読む
  • 腕貫探偵
    連作短編ミステリ

    姿かたちは公務員だけど、神様型の名探偵

    腕貫さんに推理のヒントをもらって登場人物が謎を解いたり、腕貫さんが真相を推理して物語が終わったり、色々
    読後感も色々
    モヤッとしたり、ゾクッとしたり、ニヤッとしたり

    腕貫さんは基本的に人間味のないキャラクターなんだけど、最終話で登場人物...続きを読む
  • 解体諸因
    もちろん、
    タイムリープもタイムトラベルもしたことはない。
    だが、今回は意図せず、
    シリーズものの途中、「黒の貴婦人」を先に読んでしまったため、
    最初から読む派にとっては、ちょっとしたタイムトラベル。

    匠千晶シリーズと呼ばれるこのシリーズの第一作。
    だいぶ、匠千晶ことタックの印象が違う。
    「黒の貴...続きを読む