西澤保彦のレビュー一覧

  • 仔羊たちの聖夜
    前作まで読んで期待高めで読んだがまたまた面白かった!
    親のエゴは意のない悪であり、けれでも結果として最悪を生むということを物語を通してひしひし感じた。
    タックとタカチの関係もまた素敵で読んでいてドキドキする。
  • 依存
    タック&タカチシリーズ第五長編にして、シリーズ総決算。

    ・裏口のドアに挟まれている小石
    ・死んでいるはずの老婆の幽霊
    ・未亡人が飼っていた犬
    ・ケイコという名の少女が連続で誘拐され、無傷で  
     帰ってきた事件

    シリーズの醍醐味と言える奇妙な謎が、本書にはふんだんに盛り込まれている。一つ一つのデ...続きを読む
  • 人格転移の殺人
    SF小説であり本格ミステリでもあり、よくバランスが取れている作品だった。
    読んでいくうちにこっちまでジャクリーンを段々好きになっていく!
    退屈しないで終始楽しい。
  • 彼女が死んだ夜
    宮下とハコちゃん、ルミが糞。
    それはさておき、酒を飲みながら仲間たちで推理し合うシーンは非常に楽しめるし、何回もどんでん返しされてずっとワクワクした。
  • 彼女が死んだ夜
    ある女子大生が自宅で死体に出くわし、とある事情から友人たちに手伝ってもらって隠蔽することに。そして警察に代わって自分たちで解決を目論んでいくことにーー

    と、設定は正直言って単純だし少し地味。しかも、本書の大部分を占めるのがディスカッション。
    ああだこうだと言い合って、全ての謎に筋の通った説明をつけ...続きを読む
  • パラレル・フィクショナル
    面白い!
    前回読んだ7回死んだ男に続いての2冊目だったが、どっちも面白かった!
    予知夢と言うのが今までに読んだ事ない設定で頭の中でぐるぐる混乱する感じが良かった。
    もう一人、予知夢を見る人が居たなんて!
    最初の方は人物の名前と設定を覚えるのが難しくて苦労した。
    別荘見取り図は不要な気もした。
  • 帰ってきた腕貫探偵
    腕貫探偵シリーズ⑥短編4話。今回は人間関係のドロドロが目立っていた。そして、うち3作の何十年も前の事件の解決という面白い構成は、まさに究極の安楽椅子探偵。さらに最終話の相談相手はなんと幽霊!幽霊相手に全く動じない腕貫さん、流石だ。【氷結のメロディ】バンドメンバーが次々と墜落死していく…【毒薬の輪廻】...続きを読む
  • 人格転移の殺人
    現実には起こらない設定が前提となるが、そのなかで論理的に話を組み立てているため意外と違和感なく読み進められる。殺人の犯人は?地震の時の真相は?この人格転移装置の目的は?など様々な謎が徐々に解かれていき楽しい驚きを感じられる。ラストのハッピーエンドも気持ちいい。
  • 方舟は冬の国へ
    某古本屋チェーンの100円カートから何気なく手に取った本。自分にとっては大正解でした。

    作者の西澤さんが、そもそもミステリー作家ということもまったく知らず読み始めたのですが、一気にのめり込みました。
    感覚を例えるなら、リアル脱出ゲームのような感じ。ゴールがわからないまま、ヒントだけ散らされて、それ...続きを読む
  • 人格転移の殺人
    SFミステリ。少し複雑だが、図もついているので理解はしやすい。真面目に考えたのだがわからず、真相には驚かされたので大満足。盲点を突いてくる感じがたまらない。ラストもとても良かった。好みの作風なので、この作者は是非とも読み進めなければ。
  • 自薦 THE どんでん返し
    ミステリーを楽しみたい、という人にオススメかなと思います。
    どんでん返しと分かっていながらでも楽しめますよ。
    ただ有名な作者の作品が集まってるので、本格ミステリーが好きな人には既読の内容はいくつかあるかもしれません。
    個人的には法月綸太郎さんの作品がいい意味でも悪い意味でも印象的でした。
  • さよならは明日の約束
    高校1年生の本大好きの日柳永美とB級映画大好きの柚木崎渓の変わり者ペアが、身の周りの謎を安楽椅子的に解いていくミステリー。ケメルマンの「九マイルは遠すぎる」というちょっとした言葉から思いもかけない真相を明らかにするというミステリーのことが出てくるが、この連作短編集もそんな感じ。実際に調査して確認はし...続きを読む
  • 腕貫探偵
    何とも不思議な読み心地(^ ^;

    まず、探偵は主役ではない。
    櫃洗市という地方都市を舞台とした、連作短編集。
    舞台設定や時間軸は連続していて、
    各章の出演者同士も微妙に絡みがあったりする。

    その「狭い世界」の中で起きる様々な不思議を、
    市役所の「よろず相談窓口の臨時出張所」みたいな
    神出鬼没な場...続きを読む
  • 夢の迷い路
    読書大好き美少女日柳永美とB級・C級映画おたくの少年柚木崎渓の2人、エミール&ユッキーのコンビが、親しい雑貨屋の店主、ブックカフェの店主、叔父から話を聞いて、その驚くべき真相を解き明かすというもの。高校生なのに大人顔負けの推理を披露する。結構無茶苦茶な事件ばかりなのだが、こんな頻度で彼らの身の回りで...続きを読む
  • スナッチ
    いきなり降ってきた銀色の雨を浴びた者は宇宙の生命体に人格を乗っ取られてしまう。恋人との結婚を控えた22歳の奈路允生は自分の体の中で目覚めたのは31年後であった。31年間の自分の人生はどうなったのか。奇しくも連続殺人事件が起こり巻き込まれていくことになる。失われた31年の人生に殺人事件の鍵があるのか。...続きを読む
  • 完全無欠の名探偵
    大財閥の総帥白鹿毛源衛門の孫娘りんの監視役として山吹みはるが高知の女子短大に送られる。この山吹みはるは2メートルの大男で、極めて気のいい男なのだが、相手を知らず知らずのうちに饒舌にしてしまう。喋りまくった後に自分自身で隠された真相に気付くというのだ。一種の超能力だ。この山吹みはると白鹿毛りんが、複雑...続きを読む
  • 人格転移の殺人
    そういえば、久しぶりに西澤作品が読みたいかも、ってことで手に取ったもの。ちょっと最近、個人的にミステリ志向。今までのところハズレはないけど、本作も十分に楽しめるクォリティ。どういう仕掛けがあるのかは、タイトルに既に示されている訳だけど、ありふれた転移設定を、いかに料理するのかってところが本作の見どこ...続きを読む
  • 腕貫探偵、残業中
    今作の腕貫さんは、時間外労働というか、プライベートな時間に持ち込まれた相談の謎を解き明かしていきます。
    グルメな腕貫さん…風体や表情は相変わらずですが、そんな一面も見られて、だけど鋭い視点での謎解きには相談者と同じく、聞き入るように読み進めてしまう。
    それぞれの話の登場人物の細やかな描写も、現実にい...続きを読む
  • 腕貫探偵
    探偵といっても現場に現れて謎を解き明かす訳ではなく、相談という形で解決に導いてくれるという、珍しいタイプのお話。
    一言で言えば面白かった。
    架空の市内のお話なので、相談者(=語り部)がすれ違っていたりするのも楽しい。
    そして腕貫さんの存在が薄い事で、それぞれの相談者のキャラクターがたっているのかな?...続きを読む
  • 腕貫探偵
    思わぬ伏兵。よみやすくて、読後スッキリで、謎解きも鮮やか。定型文通りの切り口で描かれる腕貫探偵の描写がテンポよく物語の導入を果たしてくれる。