河合隼雄のレビュー一覧

  • カウンセリングを語る(下)
    【目次】

    Ⅰ カウンセリングの二面性

    Ⅱ カウンセリングと学派の相違

    Ⅲ カウンセリングの日本的特性

    Ⅳ これからのカウンセリング

    Ⅴ カウンセリングと宗教

    Ⅵ カウンセリングと人間の「魂」
  • カウンセリングを語る(上)
    【目次】

    Ⅰ カウンセリングと教育
    Ⅱ カウンセリングの聴き方――技法の基礎にあるもの――
    Ⅲ カウンセラーの訓練――ロール・プレイをめぐって――
    Ⅳ カウンセリングの専門性と一般性
    Ⅴ カウンセリングの限界

    あとがき
  • コンプレックス
    P199
    人間がどうして生まれ、どうして死ぬかは、科学的に説明される。しかし、「私は一体どこからきてどこにゆくのか」という点について、こころの中に納得いく答えを得るためには、つまり、心の奥深く基礎付けるためには、神話を必要とする。
    私:神話イコール物語ですね。
    p183
    つまり、ユダヤ人として父権の...続きを読む
  • 働きざかりの心理学
    今から思い返すと日本にまだ勢いがあり経済力があった時代に書かれた本なので、違和感がある箇所もある。だが、それにもまして、時代が変わっても悩みは変わらないと思わせる普遍的なテーマばかりだった。もはや古典の域。とても読みやすいので、すらすら読んでしまったけれど、内容は深い。考察の種が至る所にある。中年を...続きを読む
  • こころの処方箋
    20年ほど前の本だが、現代にも通じると感じた。
    時代が進んでも、人間の本質は変わらない…ということなのだろう。
    どの項目も非常に興味深いものだった。更に項目がそれぞれ4ページほどでまとめられているので読みやすい。
    ときおり混ざるユーモアも読みやすさに大きく貢献している。

    折に触れて読み返したい1冊...続きを読む
  • こころの処方箋
    何か、疲れたら癒やされる本。人の心ってそんなに単純じゃないよ、ほんとにそうなの?って思うことが当たり前なんだよって言ってくれてる感じがする。
  • 家族関係を考える
    結婚する前に、一度読みました。38年以上前です。
    この本の中のテーマのひとつである「母親殺し」の概念は、その後、私の母が死ぬまで、ずーっと引きずっていて生きてきました。
    「母親殺し」の概念を知る前は「母の恩は海よりも深く山やよりも高い」という気持ちで母より大切な人はいない、と思っていました。
    しかし...続きを読む
  • 生きるとは、自分の物語をつくること
    物語とは、自分自身に現実にあるものを受け入れるもの。小説は現実に即した物語として、読み手や書き手に、そこにあるものを感じさせる。規則から生まれる合理性だけで世界は成り立っているわけではなく、そこにある偶然も含めて、その現実や矛盾をどう取り込むか、大きな流れの中で個性が現れる。(大樹)
  • 生きるとは、自分の物語をつくること
    物語とは、自分自身に現実にあるものを受け入れるもの。小説は現実に即した物語として、読み手や書き手に、そこにあるものを感じさせる。規則から生まれる合理性だけで世界は成り立っているわけではなく、そこにある偶然も含めて、その現実や矛盾をどう取り込むか、大きな流れの中で個性が現れる。
  • 泣き虫ハァちゃん
    この小説は、世界文化社発刊の「家庭画報」に連載されていたが、著者が脳梗塞で倒れ、帰らぬ人となったため、それまで書き溜めていた執筆分を新潮社が受け出版された。

     あとがきの妻の河合嘉代子さんによると、「この本の舞台は自身の出身地、兵庫県・丹波篠山です。話はフィクションですが、夫の少年時代のイメージそ...続きを読む
  • 生きるとは、自分の物語をつくること
    人間というのは物事を了承出来ると安心する。了承不可なことは人間を不安にさせる。下手な人はそういう時自分が早く了承して安心したくなる。質問する側が納得したくてなにか言ってしまう。質問する側が物語を作ってしまうのでそうならないように心がけるべし。
  • 生きるとは、自分の物語をつくること
    小川洋子と河合隼雄のキャッチボールが見事だ。河合隼雄のダジャレやわかりやすい例えが実に効果的だ。聞くことを専門にしている河合隼雄の手法が、ツッコミを入れて楽しんでいる。小川洋子は『博士の愛した数式』を読んで、なんとステキな文章と体温のある物語を書くのだろうと感心した。それ以降、あまり注目していなかっ...続きを読む
  • こころの処方箋
    2001年12月5日刊行された「河合隼雄著作集 第2期 1巻『コンプレックスと人間』」には河合さんを応援する人々のエッセイ(冊子)が付属しています。その中に、宇宙飛行士の毛利 衛さんの大変おもしろいエピソードが語られていたので、是非とも紹介したいです。

    最初のミッションが社会的な使命だとしたら、今...続きを読む
  • コンプレックス
    優越感もコンプレックスの1つ、他人より優れた自分でありたいというありのままの気持ちを愛せない気持ちの現われ。人間は同時に矛盾した気持ちを持つことがあり、その時に選ばれなかった方の気持ちを忘れたり、合理化したりする。コンプレックスというのは悪いことではない、コンプレックスも自分の中で消化して認められる...続きを読む
  • 泣き虫ハァちゃん
    河合先生の遺作となった作品。
    小学校4年生までの思い出が、昭和時代の自然豊かな風景とともに、まざまざと浮かんできます。最終話の「夜が怖い」は含蓄のある、示唆的な憂いに満ちていてとても印象的でした。小学生は3・4年生の頃が最も難しいというのを聞いていたので、こういうことなんかなと推察しながら読み進めま...続きを読む
  • 無意識の構造 改版
    意識と無意識の統合について知りたいというのが読み始めた動機。
    読んでいる最中、よく夢を見た。
    自分の無意識に何があるのか、少しずつ意識できている感がある。
    次の本は河合隼雄さんの「影の現象学」。
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく
    久しぶりの再読。3回か4回目かというところで、今回が最も理解できたと思う。
    私自身の年齢が半世紀近くなったからか、夫婦についての話題に釘付けだった。これからどうしていこうかな。その決断のためにまだまだ読むべき書籍が沢山ある。
  • 子どもの宇宙
    学生の頃読んだものを再読。

    子どもの心や頭にある(そして大人である我々が手放してしまった)広い宇宙に想いを馳せながら、その宇宙を汚すことなく子どもと向き合うための指南書。

    教育や福祉で子どもに関わる人にはぜひ読んでほしい。
  • こころの処方箋
    新たな「心の鉱脈」を掘り起こそう、「昔は良かった」は進歩がない人のセリフ、など割と常識的なことをサクッと言ってくれる懐の広さから、よく河合隼雄さんの本で見られる「自殺願望とは生まれ変わるサインである」という緊張感のあるメッセージがとても効いてくる。精神を「殺す」サインを待つ仕事って、なんて大変なんだ...続きを読む
  • こころの処方箋
    河合隼雄氏の名著。今更ながら手に取る。
    本には読み時というものがあると思っている。身体が不足した栄養素を補うように、その時自分が欲した本、読みたい本というものにははずれがない。
    その出会いも、偶然性に満ち溢れた必然的なもので、いつも運命を感じてロマンティシズムに浸りたい気持ちになる。

    脱線。

    ...続きを読む