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「耐える」だけが精神力ではない。心の支えは、時にたましいの重荷になる。――あなたが世の理不尽に拳を振りあげたくなったとき、人間関係のしがらみに泣きたくなったとき、本書に綴られた55章が、真剣に悩むこころの声の微かな震えを聴き取り、トラブルに立ち向かう秘策を与えてくれるだろう。この、短い一章一章に込められた偉大な「常識」の力が、かならず助けになってくれるだろう。
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Posted by ブクログ
読んでいるときは、 “表現が固いのか、まわりくどいのか、 目が文字の上をすべるな〜、、 しっくりくるような、こないような、、” と大部分をなんとなく読みつつ、 時々むむ、、!と唸る表現がある、といった具合。 あとがきで「皆が腹の底でわかっている、常識を書いた本」と評価されているのを見て、 ただ...続きを読む単に自身の経験と思考が至っていなかったことを実感。 人生の歩みを重ねるなかで、 しっくりくる箇所が増えていくといいな、と思う。 70-80歳くらいにはすべてが腹落ちするだろうか。 「心の新鉱脈を掘り当てよう」「のぼせが終るところに関係がはじまる」の項がぐっときた。
お気に入りの一冊となりました。 気持ちの持ちようによって、 人生の味わい方って変わってきますね。 できるだけ、自分の機嫌が取れるような ものの考え方をしていきたいと思います。
河合隼雄先生の名著。目次を読むだけで面白い。食指が動くタイトルを数えてみたら22/55もあった。それぞれ4P、5分もあればひとつのお話が読めてしまうのも素晴らしい。好きなタイトルは 1.人の心などわかるはずがない 2.ふたつよいことさてないものよ 3.100%正しい忠告はまず役に立たない 最初の3...続きを読むつであった。これだけでも充分面白い。そして役にたってしまうお話なのである。
河合隼雄先生がやさしく読み解く心の問題が扱われていて、読んでいて自分の気持ちが和らいでいくのを感じた。心が元気になります。
20年ほど前の本だが、現代にも通じると感じた。 時代が進んでも、人間の本質は変わらない…ということなのだろう。 どの項目も非常に興味深いものだった。更に項目がそれぞれ4ページほどでまとめられているので読みやすい。 ときおり混ざるユーモアも読みやすさに大きく貢献している。 折に触れて読み返したい1冊...続きを読む。
何か、疲れたら癒やされる本。人の心ってそんなに単純じゃないよ、ほんとにそうなの?って思うことが当たり前なんだよって言ってくれてる感じがする。
2001年12月5日刊行された「河合隼雄著作集 第2期 1巻『コンプレックスと人間』」には河合さんを応援する人々のエッセイ(冊子)が付属しています。その中に、宇宙飛行士の毛利 衛さんの大変おもしろいエピソードが語られていたので、是非とも紹介したいです。 最初のミッションが社会的な使命だとしたら、今...続きを読む回は自分のプロの宇宙飛行士としてのプライドへの挑戦だった。ジェット機の操縦やサバイバル訓練なども含め、NASAの宇宙飛行士としての資格を取るための2年近くの多岐にわたる訓練。それは、ダフさを誇っていた自分の精神的余裕を想像以上に失わせるものだった。すでに宇宙経験があるゆえから来るプライドと、アメリカ人の若い闘争心に負けまいとする競争心を毎日奮い立たせることの厳しさであった。最初のミッションに比べ楽しみよりは苦しみの連続だった。家族も日本と米国に別れ別れになり一家の団らんはまるでなくなっていた。 ある日、それを見かねた家内が日本に帰国の折、河合隼雄さんの『こころの処方箋』を5冊買ってきた。家中、私の手の届く至る所に置いてあった。河合さんの他の本は以前にもフムフムといくつか読んではいた。しかし、これほど身近に置かれては、トイレやベッドに入るごとに目を通さざるを得ない。55編の作品を収めており、1編5分から10分で読めるので忙しい訓練の予習の合間でもすっと気分転換になる。内容は簡単で人間として当たり前のことに、当たり前のように気づかせてくれる。 この本は、すぐさま私のナイトキャップ、いやバイブルになった。恥ずかしながら分別のつく50歳になって、人間として当たり前のことの多くに改めて気づかされた。その結果、若いNASAの宇宙飛行士達との競争から落ちこぼれることもなく、何とか2回目の宇宙飛行に漕ぎつけた。最後は自信を持って楽しみ、NASAからも高く評価される地球観測ミッションに参加できた。 河合先生にお会いしたときに、家内へ書いていただいた、「ふたつよいことさてないものよ」のサインは額に入れベッドサイドに置かれている。(もうりまもる.宇宙飛行士、日本科学未来館館長) 私:『こころの処方箋』を5冊買ってきた!!どんな顔の奥さんなんだ!? 残念ながらネット上に、奥さんの映像は見つかりませんでしたが、このエピソードはおもしろいですよね。「奥さん、やるな~」と奥さんにエールを送りたい気分になりました。
新たな「心の鉱脈」を掘り起こそう、「昔は良かった」は進歩がない人のセリフ、など割と常識的なことをサクッと言ってくれる懐の広さから、よく河合隼雄さんの本で見られる「自殺願望とは生まれ変わるサインである」という緊張感のあるメッセージがとても効いてくる。精神を「殺す」サインを待つ仕事って、なんて大変なんだ...続きを読むろうと思うが、柔らかな文章の裏に見られるこの迫力はそんな日々の仕事に裏付けられていたんだろうなと想像する。
河合隼雄氏の名著。今更ながら手に取る。 本には読み時というものがあると思っている。身体が不足した栄養素を補うように、その時自分が欲した本、読みたい本というものにははずれがない。 その出会いも、偶然性に満ち溢れた必然的なもので、いつも運命を感じてロマンティシズムに浸りたい気持ちになる。 脱線。 同...続きを読む書は、55つの短編からなる。 著者は臨床心理士で日本ユング派の大家であり、京都大学でも教鞭をとられ、日本の心理療法の礎を築いた偉大な人物…という紹介は不要。 そういった肩書よりも、文章からあふれ出るやさしさやあたたかさが親しみ深い。 世の中で生きていくうえで、どうしたって人間は躓いてしまう。他人から見たらホントに小さな石ころでも、転ぶときは転ぶ。もしかしたら、他の人には石ころすら見えていなくて、なんで転倒したのかすら気づいてもらえないこともある。 ささくれ立った「こころ」を、氏の視点で導いてもらい、ちょっと良くなってほっとする。 全快に傷がなくなるわけではないけれど、人生はそういうもので、それでいいと思える。 心理分析家であるのに、一番初めの話が『人の心などわかるはずがない』というところからして、安心する。「河合さんがわからないなら、私にもわかりっこないのだ」と。 書かれている話はどれも劇的なことではない、自分の凝り固まった思考をやわらかくするような、別の考え方を知れる。 「ひとつよいことされないものよ」という呪文を教わった。なにか良くないことが起きたときそう思って、つぶやく。たったそれだけのことで、心の在り方が変わってくるから、人間って単純で面白いのだ。
河合さんの一つ一つの言葉から、人柄がはっきりと見えて、自分の心に安らぎをもたらしてくれた。 とっても良い作品。これから、何かに悩んだ時に、ふと手に取りたくなる。
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河合隼雄
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