唯川恵のレビュー一覧

  • 息がとまるほど
    「女」という生き物の、強かさ、羨望、嫉妬、憎悪、冷酷かつ狂熱的な感情を描いた短編集。女ってこんな嫌な生き物なのか。
     不倫やら夜の街やら、実生活では全く関わることのない人生であるが、小説を通して疑似体験できると、面白いと同時に益々縁遠さを改めて実感するのである。

    それぞれオチもあり物語として面白か...続きを読む
  • 永遠の途中
    最初は同じ会社に勤めていた薫と乃梨子。
    薫は社内結婚、寿退社。乃梨子は独身のままキャリアを積むかと思われたが、仕事に失敗し退社。専業主婦で子供にも恵まれた薫の方が幸せに見えたときもあるが、乃梨子が運良く起業するとそちらの方が幸せにも見える。そんなふうに2人の女性の人生を対比しながら描いた作品。
    自分...続きを読む
  • 啼かない鳥は空に溺れる
    主人公の二人とも共感できる点が多かった。
    複数の男と交際し、お金をかけて綺麗であり続ける千遥にも、
    同年齢で周りから結婚について聞かれる亜沙子にも。

    母子家庭で育った私は亜沙子に近いが、私の母はどちらかというと放任主義で、2人で旅行なんて行ったこともないし、最後にランチをしたのなんていつだろう…。...続きを読む
  • 燃えつきるまで
    リアルに自分に重ねて読んでしまったなぁ。
    20代と30代。失恋の痛手も立ち直り方も違ってくるよね。。。
    明るい未来を信じてがんばろぅ、ウン。
  • 彼女の嫌いな彼女
    痛快だった
    どちらかというと瑞子のほうに共感?した
    自分のことは自分で十二分にできる大人の女になりたい
  • バッグをザックに持ち替えて
    浅間山に登って、もう二度と登らない。と決心したはずだったのに愛犬の死をきっかけに山に登るようになる筆者の登山エッセイ。

    徐々に登山にはまっていく様子は自分と同じですごく共感したし、行ったことある山の描写は思い出してワクワクした。
    初心者目線でかかれているので、誰でも読みやすいと思う。山の魅力と同時...続きを読む
  • 燃えつきるまで
    出会いは他愛ない偶然だった。
    初めて耕一郎を見た時、すぐに好意を抱いたことを覚えている。電話があった時、すごく嬉しかった。会って瞬く間に耕一郎に恋をした。耕一郎もまた怜子を好きになった。ふたりでたくさん話をした。たくさん抱き合った。笑ったり、泣いたり、怒ったり、拗ねたり、いつも耕一郎と一緒だった。い...続きを読む
  • 彼女の嫌いな彼女
    なんかとても今の状況に堪える内容だったなぁ。
    誰かを嫌うことに対して自分の嫌な部分も見えちゃうってほんと納得。歩み寄る気持ちが自分を受け入れることにも繋がるって思った。実りある1冊でした。
  • 燃えつきるまで
    山村怜子が5年付き合った耕一郎に振られ、立ち直るストーリー。失恋して諦めきれず次の女を恨んだり、かっこ悪いと分かりつつすがったり。失恋の心の乱れをすごく表していて、共感できすぎだった。そこまで好きになるのはいいことではあるけど、もうこんな経験自分はしたくないと思った(笑)
  • 愛なんか
    読みやすかった。
    いろんな女性の、全然綺麗じゃない
    恋とか愛とかを読んだ感じ。
    それぞれの主人公のそのあとが気になった。
    私の人生では経験できんような
    でも決して非現実的ではない話がおもしろくて
    刺激的やった。
  • ゆうべ、もう恋なんかしないと誓った
    大人の恋愛の短編集

    読者としてそれぞれの恋愛を見ると、馬鹿だなぁとかこんな男に引っかかったらだめだよとか思うけど実際に自分が体験したらどうなるかわからないな〜

    結婚してからの明るい未来は見えなくなるかも笑
  • ベター・ハーフ
    唯川恵作品。2作品目。

    時代が人を作る?、あるいは、人が時代を作る? バブル期の人生観とデフレ期では、こんなにも違うものでしょうか?

    結婚と同時に壊れてゆく夫婦関係。バブル崩壊と同時に崩れてゆく未来予想図。
    気持ちが納得できる部分が半分、首を傾げる部分が半分でした。”バブル”に踊った世代は、きっ...続きを読む
  • テティスの逆鱗
    「かけら」を読んだあとに、美容整形繋がりで読んだ。

    後味は悪い。
    最後の留守電を聞くとゾッとした。

    この小説の中の唯一の良心の姪がかわいそう。
  • テティスの逆鱗

    退き際が大事だと思いました
    整形してコンプレックスを治して自信がつくならいいと思うけれど依存してメンタル壊れるまでやるのは良くないですね

    美しさに限度はない、という文が印象に残りました
  • テティスの逆鱗
    美の追求は際限ない。
    女としての美を生涯にわたって追い求め続ける以上、そこを理解しておかないと恐ろしいことになるんだって教えてもらった。
  • 啼かない鳥は空に溺れる
    母が見つけて来た亜沙子の結婚相手は、蓋を開ければとんでもない性癖の持ち主でその点も不気味でしたが、ブログに自身の理想を事実の様に書き連ねる亜沙子の母にも更に、不気味な物を感じてしまいました。

    それぞれの母と娘の関係が終わりに近づくに連れハッピーエンドになるのかと思いきや両方の母娘共にまるでホラー...続きを読む
  • 燃えつきるまで
    失恋って色んな感情が沸き上がる…自分が自分でいられなくなる…ものすごく共感出来る部分もあり、すごく恐ろしいなと思う部分もあり。依存しすぎるとこうなるんだなと改めて考えさせられた本でした
  • 瑠璃でもなく、玻璃でもなく
    リアルだけど綺麗に描かれた男女の世界!
    個人的には、セオリー通りに奪われてものを奪われてほしくもあった。
    再会して前に進むのも素敵だけど現実はそんなにあっさりとしていないような気がして、話し合いのネイル部分くらいリアルを読みたかったなあと思い4つ星に
  • 逢魔(新潮文庫)
    1朱夏は濡れゆく 2蠱惑する指 3陶酔の舌 4漆黒の闇は報いる 5夢魔の甘き唇 6無垢なる陰獣 7真白き乳房 8白鷺は夜に狂う

    恋愛小説では群を抜いて素敵な作品を描かれる唯川さんですが今回の作品では怪談の名作にエロスを融合した新しい世界観が味わえました。

    「牡丹燈籠」「番町皿屋敷」「蛇性の婬...続きを読む
  • バッグをザックに持ち替えて
    著者の唯川恵さんが、飼い犬の環境を考えて軽井沢に移住し、山に登り始め、最後はエベレストが見える辺り(エベレスト街道)まで行ってしまう、実体験に基づく話。

    唯川さん作の"淳子のてっぺん"の主人公、田部井さんも描かれている。
    なんだか、また山に登りたくなってきた。。