唯川恵のレビュー一覧

  • 一瞬でいい
    浅間山でひとりの高校生の死をきっかけに、それぞれの人生を歩む3人の高校生たち。

    稀世の父親がいないことで憂いにあい、目まぐるしく変わる人生
    創介の人生も親の庇護を捨て、ひとりで生きていこうとする
    未来子もまた、大きな姉の存在に苦しみながら、人生を切り開いていく

    32年という時間が経ち子供は大人へ...続きを読む
  • 【電子特別版】みちづれの猫
    猫をモチーフにした短編集。

    猫と暮らすということはいつも喪失を伴うのか。
    愛と別離と、喪失の物語だと思った。
  • 一瞬でいい
    大人になって、歳をかせねて、いろいろな事を経験しても、18歳当時あの時だけは、ずっとあの時のままで、その感情から逃れられない大人の切ない甘い物語。
  • テティスの逆鱗
    普通に面白かった。主人公の4人の女達が美を求めて堕ちていく様はホラーとも呼べる代物であった。唯川恵、初めて読んだが文章に違和感がなく読みやすい作家だと思った。
  • 【電子特別版】みちづれの猫
    様々な日常の中での猫との生活。転機もあればそうでないこともある。大きな悩みも小さなきっかけで解れることもあることを思い出させてくれた作品。特に最後の川沿いを歩く作品が印象的。一言であらわすならば、少しだけ心に風が通る爽やかな短編集でした。
  • 男と女―恋愛の落とし前―(新潮新書)
    36歳から74歳の12人の女性のリアルな恋愛話に、筆者の毒舌なツッコミが心地よく、読むのが楽しかった。恋愛小説より生々しく、男女の本音が満載で、人生の指針になる一冊だった。
  • セシルのもくろみ
    自分がファッションに全く興味のないオタクのアラフォー独身女なので、読み始めた時はキャラクターやシチュエーションの何一つに共感出来ず、読み切れるかな、と思ったけど… 凄い勢いで一気に読めてしまった!
    この作者書き口が軽快で読みやすいな〜!
    起こるイベントはことごとく平成初期かな?って感じなのは、もしか...続きを読む
  • 【電子特別版】みちづれの猫
    7つのネコ短編集。
    ほわほわするようなおはなしではないけど、
    また、がんばろうって思える作品でした。
    こんなに泣くとはきいておりません笑
    電車の通勤時間に読んでいたので、車内で泣いてしまって
    周りの人にみられたかもしれないです。
    読む際には、お家がおすすめです。
  • 愛しても届かない
    私は多分、主人公側だ。

    最後はあの展開で良かったと思う。
    自分が犯した過ちはちゃんと返ってくるべき。
  • 今夜 誰のとなりで眠る
    高瀬秋生という男の訃報により、動き出す5人の女性の人生。それぞれみんな違った悩みを抱えて生きているけど、5人全員に共通するのは『愛されたい』という気持ちなのかもしれない。
    今まで近すぎて見えなかったもの。離れたからこそ見えるもの。
    本当に大切はものは、実はもう手の中にある。それに気付くには、まずは自...続きを読む
  • 肩ごしの恋人
    軽快に書かれているけれど、何か真理をついてくるような恋愛小説、かな。
    27歳の二人の女性は、5歳からの付き合い。美人で強欲なるり子、自由に生きる為の3回目の結婚。きちんと自分で生きたい、自分さえ信じられない萌。とうてい合わないそうな二人だけれど、どこか依存し合う。
    対象的な二人の恋愛。
    るり子に語ら...続きを読む
  • 愛なんか
    短編集で、一つの章が10分ぐらいで読めるから
    さくさく読めて楽しかった。

    女は男に受けるためにこうであれ
    女なんだからこれが普通
    女らしく
    という言葉を全て跳ね除けてしまうくらい強い本だった。
    人には人の生き方があって、それは千差万別。
    女だからという理由で縛られる必要も可能性を狭めてしまう必要も...続きを読む
  • 肩ごしの恋人
    るり子の性格が物語の終わりと始まりでまったく変わっていなくてよかった。こういう小説は大体主人公の性格や考え方が変わり、「新しい自分」で未来へ歩む が多い気がするが、るり子は、「自分は美しいしモテるし幸せになる未来しか見えない」という考えを改めなかった。
    めちゃくちゃな考えだとは思わなかった。るり子が...続きを読む
  • 【電子特別版】みちづれの猫
    猫にまつわる短編集。
    優しくて温かいながらも、どこか別れの寂しさや切なさが心に残る素敵な話ばかりだった。

    猫飼いとして特に心に残ったのは「運河沿いの使わしめ」と「約束の橋」
    生きる気力を無くして汚部屋に住んでいたのを、猫との出会いで変わる江美。紆余曲折の長い人生をさまざまな猫と共に過ごしてきた幸乃...続きを読む
  • テティスの逆鱗
    美容整形の話。一気読みしてしまった。すごく面白い!
    女はやはり、いくつになっても「美」に気を遣っており、お金があるのであればシミを消したりたるみを無くしたり美肌になろうとしたりするだろう。
    だが、一度タガが外れると最も戻すことが困難になるものが美容整形だと思った。YouTubeで美容整形を繰り返し、...続きを読む
  • 啼かない鳥は空に溺れる
    最後の数行を読んで、思わず息を呑んだ。その辺のホラー映画よりも怖かった。唯川恵さんは恋愛小説のイメージしかなかったため、今回のような話は新鮮だった。
    母親に愛されすぎるが故に、縛り付けられる娘。
    幼い頃から母親に憎まれ、お互いに憎悪の対象であった娘。どちらも苦しくなるほど辛く、読んでいて応えた。
    ...続きを読む
  • 啼かない鳥は空に溺れる
    母と娘の、歪ながら、ありふれた関係性。言葉で傷つける母親、言葉で縛り付ける母親、その中に渦巻く仄暗い心理。娘は大人になるにつれて母親の心理を読みとり、距離をとろうと抗っていきます。相手にされたような心理攻撃をやり返すのではなく、むしろなるべく相手を傷つけないように配慮して、波風を立てないよう努め、あ...続きを読む
  • 啼かない鳥は空に溺れる
    人生は自分の都合のよいようにばかりはいかないものです。ちょっとしたタイミングのずれで全く違う結果になることもありますよね。
    そして、やっぱり人は大きくは変わらない。人の温かさに触れたと思ったら、あぁやっぱりと何かが待ち受けている怖さをずっと抱えながら、一気に読み進めました。
  • ため息の時間
    男性目線で描かれている愛し方が少し変わっていた男女の短編集。サクサク読めるからオススメ。
    リアリティがあるものもあれば、背筋少し冷たくなる唯川さんホラー?のような作品もある。
    最後の男は悔しがり、女は寂しがりの表現は言い得て妙だと思いました。
  • 燃えつきるまで
    「別れないか。」の一文で始まり、
    それを受けて恋人関係解消となった女性の葛藤を延々と描く。

    たったこれだけなのにもかかわらず、約300ページを一切退屈することなく一気に読ませてしまう本作に驚愕。

    本作は主人公(女性)の目線でのみ描かれており、
    最初から最後まで完全に彼女の主観によるものとなってい...続きを読む