唯川恵のレビュー一覧

  • 永遠の途中
    同期入社の薫と乃梨子。

    仕事に見切りをつけて結婚する薫
    仕事に生きるキャリアウーマンのりこ

    2人の60歳までを交互に描かれてる

    お互いに相手の成功を妬み羨み
    だけど自分のほうが幸せだと言い聞かせて

    主婦は主婦なりにキャリアウーマンはキャリアウーマンなりにそれぞれの苦悩、葛藤、絶望、孤独
    その...続きを読む
  • いつかあなたを忘れる日まで
    あるあるで面白かった。
    失恋後に読んだ私は「そうそう!やっぱりこんな人ざらにいるんだね」とスッキリした。
  • 病む月
    金沢を舞台にした10の短編。
    色んな女の物語があってどれもおもしろかった
    玻璃の雨降る が1番好きやった
    単純な思考回路で生きとる男とは違って
    複雑な感情を内に秘めて
    女はそれぞれの生き方をしよるんやなと思った
  • 愛に似たもの
    身近な女性を描くのが大変上手な作家さんだと思う。
    何気ない日常、普段過ごしてる風景が切り取られて書いてある感じ。どの主人公の心情も矛盾なくよく分かる。
    『ロールモデル』『教訓』『約束』あたりが好きかな。

    大事件は起こらないが、ちょっとしたエピソードが、平凡な日常を過ごしている者にとっては親近感がわ...続きを読む
  • 瑠璃でもなく、玻璃でもなく
    「例愛は不安との戦いであり、結婚は不満との戦いである」中扉裏の一文が、私たちの戦いに終わりがないことを示している。そして、勝ち目がないことも。

    「女は、負けの恋愛をしちゃいけないと思う」マリが語る。「女の人は結婚で人生が変わる確率が凄く高い」順子が語る。周りからも、自分自身でも、追い込まれてゆくだ...続きを読む
  • 愛には少し足りない
    早映と同年代の私にとっては共感の嵐でした。
    ちょっとした一文一文がズドンと心に来る。
    住んでいるワンルームや会社のデスクを使い勝手良く整えても、結局は借り物に過ぎなくて虚しいとか。
    ポワゾンで身内と会った時に現実に引き戻される感じとか。
    あとはあるがままに生きるって難しいなぁ。やりたいことをやろうっ...続きを読む
  • 淳子のてっぺん
    1970年代、女性だけの登山隊がどれだけ大変でどれだけ素晴らしいかを知ることができた。
    しかし当人たちは「女性だから」というこだわりもなく「山に行きたい」だけで行動しているように思える。
    ジェンダーレスの時代を50年ほど前に先取りしているカッコいいクライマーたち。
  • ベター・ハーフ


    昭和から平成へ変わるその時に結婚した1組のカップル。
    バブル崩壊から、2000年問題まで。

    結婚は入れ子の箱を開けてゆくようなもの。

    〝わからないよ、開けてみなくちゃ。〟

  • 燃えつきるまで
    「決して間違えたのではない。出会うべき人にちゃんと出会い、恋すべき人にちゃんと恋をした。たとえ別れてしまっても、出会わなかったことより確かな意味がある。あんなに耕一郎が好きだったことを覚えていよう。それだけはずっと忘れずにいよう。」
    自分と重なる部分がたくさんあった、報われた気がした。自分はそうなら...続きを読む
  • 淳子のてっぺん
    わかったこと
    女同士は集まると不満が多くなること
    登頂するのにとても沢山の荷物が必要だということ
    また、大変な資金が必要であるということ
    大変協力的で理解があり出来る夫であるということ

    普通に考えて夫は協力的でもその両親などから批判めいたことを言われてもおかしくないのに淳子は恵まれている

    前半の...続きを読む
  • めまい
    短編集。スラスラ読めておもしろかった

    意味が分かると怖い話みたいな
    歪んだ愛の形とか復讐、憎しみ、狂気、悲しみ
    とかに満ちた女がいっぱい出てきた。
    女って怖い。
  • 燃えつきるまで
    女の幸せは仕事か結婚か
    女のキャリアとは
    思いつめてストーカーまがい
    こんなテーマが時代を感じさせる。

    恋愛の始まりも終わりもきっかけは他愛無いことから。でも終わった先の不幸は連鎖して大きく広がってゆく。

    最後のどんでん返し?この人だったか!て展開から、長いどん底の終わりが見えるところがとてもよ...続きを読む
  • 啼かない鳥は空に溺れる
    千遥の境遇に度々共感しながら読んでいたから、最後らへんで千遥がお母さんとの関係を修復しつつあったこと、千遥自身がなによりそれを喜んでいることが私にとっても嬉しかったのに、最後の最後、千遥母のセリフが恐ろしすぎて鳥肌立った…。
    千遥が不憫でならない。じゃあ離れれば良いじゃんって思う人もたくさんいるんだ...続きを読む
  • 啼かない鳥は空に溺れる
    こ、こわかった…

    「母と娘とは、身体のどこも繫がっていないシャム双生児なのかもしれない」

    大好きなのに大嫌い。
    大切だけれど憎たらしい。
    愛されたいけど鬱陶しい。

    母と娘が持つ不安定な感情の描き方にぞっとしつつも、先の展開が気になって気になって、物語に入り込んでしまった。
    こんな毒親にはならな...続きを読む
  • ため息の時間
    男性目線で女性を描いた9つの短編。
    ただ少し愛し方を間違えただけ。
    それぞれの男性主人公の身勝手さに言葉が出ない。話にオチがあり(非現実的だったり)男は痛い目に合う(自業自得的に)。女性のしたたかさが際立っていた。
    個性に富んでさくさく読める面白さだった。一時間完結ドラマになりそうな題材だと思った。...続きを読む
  • 燃えつきるまで
    かつてプロポーズしてくれた人との失恋から始まるこの物語。
    30歳前後、結婚を意識し始めるこの時期に長年付き合い、結婚するならこの人だろうと思っていた人にフラれる主人公の心情描写がとても上手く引き込まれあっという間に読み終えました。
    失恋したことのある多くの人は共感できるところがあるのではないでしょう...続きを読む
  • 啼かない鳥は空に溺れる

    いや何ちょっと待って、しんどい…



    千遥と亜沙子、東京で暮らす2人の女性が、それぞれの結婚を機にそれぞれの母親と向き合っていくお話。

    32歳の千遥は、幼い頃から母に疎まれ虐げられて生きてきた。地元ではそれなりに名のある家庭。跡取りである弟といつも差をつけられ、大学生になって独立してからも、...続きを読む
  • テティスの逆鱗
    美への底のない執着に、取り憑かれてしまった女たちの物語。
    それぞれの美の形がある。
    みんなが見て綺麗と思われないといけない「美」を仕事にしている人。
    他の人がなんと言おうと自分の美を追求する人。
    好きな人に好きでいてもらうために美を追い求める人。
    欲しいものを手に入れるために自分の美を利用する人。
    ...続きを読む
  • 愛に似たもの
    女性をよくわかってる女性ならではの視点から描かれた女性の物語。ぞくっとするような終わり方が多く、ホラーの一歩手前。

    唯川さんは女性、特にキャリアウーマンを描くスペシャリストだなあ。久々に唯川さんの本を読んだけど他も読みたくなった。
  • 啼かない鳥は空に溺れる
    ◾︎母と娘であっても互いに別の人間としてそれぞれの人生を生きること。
    依存されるのも依存するのも良くないなあ。

    ◾︎終盤の「泣けば許されると思うな」の恐怖