レイモンドチャンドラーのレビュー一覧

  • リトル・シスター
    兄を探して欲しいという女の言動に「あれ?」と思ったマーロウ。結果として、それは正しかった訳だが。
    絡んで複雑になっていく話に、どんどんのめり込んでいった。プロットが素晴らしいなこれは。シリーズで一番ミステリ色が強かったのは、水底の女だと思うが、これは女たちの心情が一番素晴らしかったと思う。

    ここで...続きを読む
  • 大いなる眠り
    村上春樹の訳者あとがきに、すべてが要約されている。
    チャンドラーの長編第一作である本書は、1939年(著者51歳)に発表された。
    わずか3カ月で、書き上げている。
    細かなプロットの積み上げではなく、フィリップ・マーロウの身の動きに目を引かれる。
    書きながら、手を動かしながらどんどん筋をこしらえていく...続きを読む
  • ロング・グッドバイ
    数ページで村上春樹がいかに影響をこの本から受けているのかがありありとわかる。
    孤独、反権威主義、シニカルな主人公。それだけ聞くとただの嫌な人間だけど、マーロウは一貫して自分の行動指針を変えない。そこがただただかっこいい。
  • 長いお別れ
    2021.4.6 ノートから転記

    とにかく主人公のフィリップ・マーロウがちゃんと格好いい。この本は浅利がとくに大好きな本だが、正義への気持ち、許すこと許さないことにおいて、浅利が受け取ったであろうものが見えた気がした。感想が難しいのでここからさ思いついたことを脈絡なく書く。テリー・レノックスと昔...続きを読む
  • 長いお別れ
    ハードボイルドとは、自分が1度決めたことや信じた人を絶対に守り抜く精神性なのだろう。
    村上訳もありますが、清水訳で是非。
  • 水底【みなそこ】の女
    村上春樹の翻訳順ではなく、シリーズの時系列順で読んでいる。ここに来て、ミステリ色が強くなった。今までで一番、謎解き要素があった。
    なんというか…女に翻弄される男たちの話なのかな、と思った。水底の女だけでなく、今までの話も。

    犯人の肩を持つとか、そういうことじゃないんだけど、女に騙されていたとか利用...続きを読む
  • 高い窓
    3作目を読み終わった。そしてやっと気付いた。
    マーロウは、ただお酒を飲んで殴られているだけじゃなくて、ちゃんと事件の真相に辿り着くし、ヒロインを傷付けることはない。
    探偵ものだから、やっぱり殺人は起こるのだけれど、登場人物が魅力的だから、とても面白く読める(屑も出てくるけど)

    そして、やっぱり皮肉...続きを読む
  • さよなら、愛しい人
    前作よりも更にマーロウが好きなった。
    相変わらず個性的な人たちの中で、よく殴られ、よく酒を飲み、そして何だかんだで真相に辿り着く。
    この本の醍醐味って、きっと謎解きとかじゃなくて、マーロウがあーだこーだしてるところとか、その雰囲気を楽しむものなんだろうと、改めて感じた。
    私は村上春樹訳しか読んだこと...続きを読む
  • さよなら、愛しい人
    さよなら、愛しい人

    著者:レイモンド・チャンドラー
    訳者:村上春樹
    発行:2011年6月15日(単行本は2009.4)
    早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫)

    村上訳で読み返すフィリップ・マーロウ。今回は「さらば愛しき女(ひと)よ」の邦題で知られる本作品。やはり昔読んだ文庫本は見つからなかったが、不...続きを読む
  • 大いなる眠り
    ずっと読みたかった本のうちの1冊。
    冷静でシュールな私立探偵・マーロウ。
    何度も危うい目に遭いながらも、その飄々とした姿は、何故か安心感すら覚える。
    そして、ウィスキーを飲みまくりながら真相にたどり着く…。
    これを読んで、何かの教訓を得るとかそういうことはないのだが、今の自分の心には、こういう話が必...続きを読む
  • さよなら、愛しい人
    はじめてのレイモンド.チャンドラー 
    私立探偵フィリップ・マーロウシリーズ第2弾
    村上春樹新訳版
    「タフでなければ生きて行けない。」
    「優しくなれなければ生きている資格がない」
    「さよならをいうのは、少し死ぬことだ」
    1940年に書かれたハードボイルドの世界観は
    女性蔑視、人種差別表現満載で、今日...続きを読む
  • プレイバック
    "タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない"というセリフが有名な作品。ややプロットが強引で納得しかねる部分とかあるんだけど、全般ハードボイルドなカッコいい感じ
  • 高い窓
    全体に地味ではあるが、複雑すぎないプロットで読みどころがわかりやすい点、マードック夫人やマールなど印象的な登場人物が多い点がシリーズでも出色。樋口有介『夏の口紅』はこの作品の影響を受けているのではないかと勘繰っているのだがどうだろう。
  • 大いなる眠り
    チャンドラーの作品を読むのは2冊目。おもしろいですね。マーロウの冷静でシュールな姿が素敵です。今回もミステリアスな内容になっていて、どうストーリーが展開されるのか楽しみながら読みました。
  • 大いなる眠り
    傑作と聞き、ハードボイルド小説入門のつもりで着手。
    数十ページ読んで、内容は面白いが文体が生理的に無理。と思って訳者を見たら案の定苦手な作家だったので、次から翻訳小説を読むときはきちんと訳者を確認しようと思った。
  • 長いお別れ
    大いなる眠り
    (和書)2011年09月18日 18:28
    1959 東京創元社 レイモンド・チャンドラー, 双葉 十三郎


    レイモンド・チャンドラーさんの作品は村上春樹さんの翻訳の3作品を読んだことがあり、今回長編の代表作の一つであるこの作品を手に取ってみました。錯綜する出来事と人間の関係性の中で...続きを読む
  • 水底【みなそこ】の女
    フィリップ・マーロウシリーズの村上春樹翻訳もこれで最後。(マーロウシリーズ7冊の長編のうち4作目だが、村上春樹が翻訳した順番で言えば最後)

    マーロウは、実業家ドレイス・キングズリーに失踪した妻クリスタルの捜索を依頼され、キングズリーの別荘を訪れる。そこで雇われている使用人ビルの妻ミュリエルの死体が...続きを読む
  • 水底【みなそこ】の女
    レイモンド・チャンドラー新訳シリーズ、最終作。もうマーロウに出会えないのかと思うとやはり寂しい気持ちが...。後書きを読み終え、感慨深い気持ちになっている。

    行く先々で様々なことに巻き込まれるマーロウ。「1日1殺人」は言い得て妙だなと思い、少し笑った。しかしそれも私立探偵が欲している答えの一部であ...続きを読む
  • 水底【みなそこ】の女
    レイモンド・チャンドラー長編の村上春樹訳としては最終となります。名残惜しいというか、余韻に浸るように読んでいきました。他のチャンドラー長編とは大分違った印象のある本作。少し期待を裏切られながらも、本作には光る魅力もありという内容でした。その場その場に読者を引っ張り込む、魅力的な文章の力は、他作品より...続きを読む
  • さよなら、愛しい人


    村上春樹が翻訳したレイモンド・チャンドラーの名作「さよなら、愛しい人(Farewell,My Lovely)」を読みました。

    「The Long Goodbye」「Big Sleep」に引き続き3作品目。

    フィリップ・マーロウは相変わらず頭が切れて、率直で、男くさくて、女性に対してシビアで、...続きを読む