小川一水のレビュー一覧

  • 天冥の標 VI 宿怨 PART1
    「恨んだり憎んだりするのはさ、とても楽しいんだよ、イサリ」。スキットルはヒューマノイドだけれど200年近く生きてるので、含蓄ある言葉だ。。(スキットル、「高校事変」の凜香っぽくて好き)
    宿怨…積年の恨み。なんてピッタリな題名でしょう。
    《救世群》イサリと《非染者》アイネイアの旅で始まる上巻前半のボー...続きを読む
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ
    ハードボイルド百合SF。
    ふわふわしてるけど大胆(無自覚)なテラちゃんと、強気だけど甘えん坊なダイオードちゃんの掛け合いが好き。身長差含めて。
    最終盤、テラちゃんが特大受け爆弾をぶち込むよ。
  • 天冥の標 V 羊と猿と百掬の銀河
    シリーズ5巻は宇宙農場の奮闘と、ダダーのノルルスカインの生誕と成長譚。面白かったです。
    実家が農家なので農夫タックの仕事の忙しさに身につまされながらも、プラスで年頃の娘さんがイシスのクローンということで苦労にしみじみしました。
    タックは元海賊で(しかもエルゴゾーン!)これまで奪ってきたから、娘さんと...続きを読む
  • 老ヴォールの惑星
    迷宮の話、面白かった。
    社会の形と不完全さが描かれている。隣人無くして生きてはいけないという内容は共感する。
  • 天冥の標 III アウレーリア一統
    3巻も面白かったです。2巻の人々の子孫が登場人物で、この登場人物の子孫が1巻の人々……大河スペース・オペラにふさわしいスケールの大きさで良いです。
    アンチョークス家とセアキ家、カヨちゃんにフェオドール。フェオドールこの頃喋ってたんだ…しかも2巻のフェオが使ってたAI。
    ダダーの話によるとセアキ家は華...続きを読む
  • 老ヴォールの惑星
     オススメして頂いて読みましたが、面白かった……!
     環境が「生物」に与える影響や変化をテーマにしたSF短編四作。いずれも完成度が高く、設定の斬新さ・科学的説得力・ストーリーテリングの全てが高水準。そして皮肉を残しながらも爽やかなハッピーエンドというのがとても素敵///
     四編のどれもとても楽しめま...続きを読む
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART1
    イサリとアイネイアの軽い掛け合いから始まる導入は物語に引き込まれ読みやすかった。
    最後のこの章のオチとしてもアインがいかに善意を持った青年かが表現されていてなんだか胸を打たれる。
    その後祖母の背景がありこれまでの経緯に納得。
    ラバーズたちと救世群の新たな関わりもここから明らかになり、ロイズとの関わり...続きを読む
  • 天冥の標 II 救世群
    救世群〈プラクティス〉は元々患者群。惑星メニー・メニー・シープが舞台だった1巻から、800年巻き戻った地球を舞台にした2巻も地続きなんだなと思わされました。
    パンデミックが描かれているけどこの本が書かれたのは2010年代、コロナ禍を経験してる今読むとますますこのシリーズの過酷さが身に沁みます。1度か...続きを読む
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ3
    3巻は脱出後のお話で、いよいよ往来圏に到達します。前半はちょっと説明的な文章が多くて、なかなか読み進められませんでしたが、中盤以降テラとダイオードが不自由ながらも自由に動き始めてからは面白くなりました。
    なかなか衝撃的な事実がババっと提示されてこの巻は幕を閉じますが、次巻以降も2人は暴れてくれそうで...続きを読む
  • 天冥の標 I メニー・メニー・シープ (下)
    こんな終わり方ある!?これは序章に過ぎないんだろうけど、という1巻でした。
    愛着覚えたキャラほとんど退場してしまい、これからどうなるのか…寧ろメニー・メニー・シープ、存続できるのか。
    イサリと、クレヴ改めリリーがキーパーソンかなぁ。
    地球からやってきてたふたりも気になります。あんなに簡単そうにハーブ...続きを読む
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ3
    ――

     推進剤はあなた。



     …難点は、何処へ飛ぶかが自分でも解らないところ。けどそれって操舵のせいだよね。エンジンにも罪はないよね。
     というわけで待望の3作目。SF読者になったのが遅めの自分が、こういう国産SFをリアルタイムで読んでいける、というのは幸せなことなのだろうなぁと思います。振り...続きを読む
  • 天冥の標 I メニー・メニー・シープ (上)
    面白かった〜!巻数の多さに怯んでたけどグイグイ読めておすすめして頂いて感謝です。
    人間、自ら改造してる人間、原住民?の知性体、アンドロイド…と多種多様にたくさん出てくるけど、この人誰だっけ?という混乱を全くしないのもすごい。何故か個別の意識を持ってる《石工》のクレヴが好き、話し方がかわいい。
    加えて...続きを読む
  • 銀河英雄伝説列伝1
     それぞれいろんな方向性の作品が読めて楽しめた。巻末の著者の言葉で、どういう興味や視点からその舞台やキャラクターを選んだのかが書かれていたのもよかった。
     表題作が、意外なところに舞台が設定されていつつ、その後の歴史の流れに思いをいたせる面白さがあって一番好きかな、と思う。

     2巻以降も企画されて...続きを読む
  • 天冥の標 IX PART1 ヒトであるヒトとないヒトと
    SF。シリーズ9作目part1。通して13冊目。
    シリーズ完結に向けて、大きくストーリーが動き出した感じ。
    スケールは更に大きく。
    カルミアンやダダー側の視点もあり、主要登場人物が勢揃い。
    残り4冊を読むのがとても楽しみ。
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ3
    SF百合漁業小説第3作、シリーズ進んでも相変わらずおもしろいのは流石。
    BDPからの「どっちが?」のくだりが最高すぎてニヤニヤしてしまった。
    終盤の展開が衝撃すぎて3度読み、百合とか以前にSFだもんね……ここからどうなっちゃうのか……。
  • 復活の地1
    惑星を襲う震災を描いた1巻。スケールの大きさもさることながら、民衆の行動や政治の様子などがリアルで、作り込みのすごさを感じました。

    まとまった感想は最終巻の3で。
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ3
    三部作完結…

    なんとも評価に困るお話だなぁ。

    しかし、末永く、銀河の終わりまで幸せに暮らせる、のだろうか?
    粘土の子らは、銀河ネットワークで幼年期の終りを歌う、のかな…
  • ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー
    伴名練「20001周目のジャンヌ」が面白かった。何度も何度もやり直す…考えただけで倦んでしまう。ジャンヌの最後の選択が良く、後味もすっきり。
    斜線堂有紀「一一六二年のlovin’ life」も良かった。この上ない相棒を得た喜び、失った悲しみ。史実をそういう風に改変するのも面白い。
  • 時砂の王
    タイムトラベル×卑弥呼という舞台設定だけでも好奇心をくすぐられるSF。更にこの舞台設定に時空を超える愛が練り込まれてる。時間軍の設定も構成も工夫されているし、邪馬台国の民衆と「物の怪」の戦闘もなかなか面白かった。もっと細かく書こうと思えばいくらでもできそうなところをスッと終わる潔さ。
  • 時砂の王
    アレクサンドルは凍結から目覚めたのか。釈然としない?知性対サンドロコットスのサブユニット
    因果効果、時間枝、ハイブリッド、カッティサーク 奪われた人類の
    釈然としない部分はあるけど数万年単位の大きな人類の戦い、壮大だった。時間遡及し歴史改変した時間枝がパラドックスで消えるのでなく「滅亡する」という選...続きを読む