アーサー・C・クラークのレビュー一覧

  • 楽園の泉
    宇宙エレベーター(軌道エレベーター)建設の実現を目指す技術者の壮大なSFロマン。
    21世紀に入って実現の可能性が高まっているらしい、軌道エレベーター建設を1979年に描いた小説。全体の構成としては「プロジェクトX」風とどなたかが書いていた通りの感じ。不可能を可能にしていく建設への積み重ねと、現地スリ...続きを読む
  • 宇宙のランデヴー〔改訳決定版〕
    ヒューゴー賞/ネビュラ賞/ローカス賞/その他、燦然たる受賞歴を持つアーサー・C・クラークの傑作。西暦2130年、未知の人工物体が太陽系に進入し、宇宙船エンデヴァー号の調査隊が探索することになるが、「ラーマ」と名づけられたこの謎の宇宙船は驚異に満ちていた……。
    いわゆるファーストコンタクトもので、王道...続きを読む
  • 都市と星(新訳版)
    銀河宇宙に進出した人類はその後滅びの道をたどり、地球にただひとつ自己完結型のユートピア都市を建設してその殻に閉じこもった。十億年の停滞を経た後、未知への探究心をおさえられない一人の若者が、ついに外の世界への扉を開く。
    冒頭からVRゲーム?が出てきて面食らった。唯一都市の設定が面白く、人間のデジタル化...続きを読む
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕
    モノリスという言葉は知っていたけど、どんなものか知らず。ようやく読めた。
    不可思議な物体に導かれるように宇宙の旅に。
    予期せぬトラブルを乗り越えたどり着く世界。
    映画と同時進行で書かれたという世界は、極上のエンタメと奥深い文学の世界が両立する域に到達。
  • 幼年期の終り
    題名が秀逸。このタイトルじゃなければ意味が分からなかった。

    人間の肉体(または肉体があるという錯覚)を捨てて、より高次のものへと進化する。
    解脱する。
    神と一体になる。
    SFというよりは宗教なので、合わない人には合わないだろう。

    人類は何処に向かうのか。
    人類の終焉はどうなるのか。

    現実には幼...続きを読む
  • 幼年期の終り
    圧倒的な色彩感と、神秘的で幸福と寂しさに包まれた世界観とに没頭して中々ページを捲れなかった。美術館で気付いたら2時間近く経ってた様な感覚。
    古い作品ですが古くささは感じず読みやすい。SFの原典の一つ。
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕
    2021/1/

    モノリス 真っ黒な角ばった物体

    ヘイウッド・フロイド博士
    ジム・フォースター 連合ニューズ
    ジミトリ ロシア天文学者
    ロイ・マイクルズ 惑星物理学者
    ラルフ・ハルボーゼン 南部地方の行政官

    ・ディスカバリー号
    デイビッド・ボーマン 主席キャプテン
    フランク・プール
    ホワイトヘッ...続きを読む
  • 幼年期の終り
    SF小説を初めて読んだのですが、とても考えさせられる作品だった。

    進化は良いことだと思っていたが、本当に進化することが全て良いことなのか、私たちが今暮らしやすい世の中になるように進めている“進化”は私たちに楽園をもたらしてくれるのだろうか。
  • 幼年期の終り
    いやー、凄かった。
    中盤以降の怒涛の展開に、後半の章は、ほとんど一気読み。震えたー!

    これはSFなのかな?1979年刊行とのこと。
    予言書のようでもあるな。

    人類は科学が万能であり、
    人類は無敵かもしれない、と勘違いをしているようで、宇宙人やUFOはバカげた都市伝説だと笑う人々は、いったい宇宙の...続きを読む
  • 幼年期の終り
    人類より遥かに進んだテクノロジーを持った宇宙人オーバーロードが地球に訪れ、人類の進むべき未来を導いていく。

    地球にユートピアを築き上げたオーバーロードだったが、ラストで明かされる真の目的と人類を待ち受ける運命は…。

    進化が必ずしも喜ぶべきものではない、ということなのだろうか。
  • 宇宙への序曲〔新訳版〕
    宇宙船が月に発射されるまでの期間を、歴史学者の視点から追っていく話。
    クラークらしく、人物の所感とか動機とかの部分に重きが置かれている。ちょうおもしろかった、クラークは良いなあ〜〜〜。

    基本は淡々と出来事が進んでいく。でも、ときにイベントや事件が起こる。ハッセル、ウィルクスのくだりはそれぞれ胸にく...続きを読む
  • 都市と星(新訳版)
     12年振りのアーサー・C・クラーク。コロナの影響でどこにも行けないゴールデンウィークだからこそ、ハードSFでどっぷりと世界観に漬かりたいと思い読むことにした。
     タイトルからは内容の想像が湧かないが、主人公である少年、アルヴィンの冒険譚といったところ。ただし、少年の冒険とそれを通じた成長を描くだけ...続きを読む
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕
    銀河ヒッチハイクガイドと間違えてレビューしてしまった。
    かなり有名なsf作品と片耳に挟み購入。さぞ未来的なものだと思ったら、舞台は人類が誕生する前のアフリカで、頭に3つほどはてなマークを浮かべながら読んでいたら今度は人語が出てきていたりと大変だった
  • 都市と星(新訳版)
    NHKの100分de名著で取り上げられるということで、積読を消化したのですが、予想以上の面白さにビックリしました。古典SFって思索的なイメージが強かったのですが、この作品はそのイメージにプラスして、冒険小説のようなワクワク感があるのです。

    物語の舞台となるのはダイアスパーという都市。そこでは人間の...続きを読む
  • 都市と星(新訳版)
    人間を含めたあらゆる物質が管理され、究極的に快適に完成された都市。その外側には何があるのか?と疑問をもつストレンジャー。彼の疑問すらも計算されたもの?という大きな謎がストーリーの根幹です。
    唯一の欠点は、10億年の進化を経て登場人物のビジュアルが現生人類とかけ離れてしまっており、映像としてイメージし...続きを読む
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕
    読書会のために映画を再視聴し再読。
    映画の描写は、今見ても、すごくしびれる。一方で、やっぱり意味のわからない、つかめない箇所もあって。ハルは、どうして反乱したのだろう?とか、ラストあたりは何を描いているのだろう?ボーマンはどうなったのだろう?といった疑問箇所は、クラークの本を読むと、そうだったのか!...続きを読む
  • 幼年期の終り
    突如人類の前に飛来した巨大なUFOにより、人類の歴史は一変した。上帝《オーバーロード》と呼ばれる彼らにより、地球上の戦争や飢餓は去り、人類は栄光と繁栄の道を歩みだしたかのように見えたが……。

    古典名作のSFだが、今読んでも色褪せておらず、SF初心者が読んでも分かりやすい筋書きとなっている。苛烈な宇...続きを読む
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕
    少し前、IMAXシアターで4Kデジタル復元の「2001年宇宙の旅」を観てきた(70mmプリント上映は行けなかった)この映画はこれまで家で何度も観てきたけれど、巨大サイズで観てなんぼの作品なんだなぁとつくづく思い知らされた。で、小説の方は未読だったので、この機に読んでみることにした。結論から言うと、こ...続きを読む
  • 海底牧場
    なんど読み返しただろうクラークの描く海洋SF。
    挫折した宇宙飛行士は牧鯨管理員として再生していく。牧鯨というからにはクジラは食料の対象として管理されるわけで、作品が発表されたベトナム戦争以前の思想と現在の思想の違いもあって興味深い。その後の問題についても先読みした議論や騒動もえがかれており、さすがク...続きを読む
  • 宇宙のランデヴー〔改訳決定版〕
    ガンダムでおなじみのスペースコロニーみたいな異星からの巨大建造物…ゆっくり読んで臨場感を堪能しました。ファーストコンタクトものですが、人類の「文化」と異星の「文明」という切り口なのかなと思います。謎は残り、続きの示唆もあり、それが再読の後押しになります。個人的には外伝で水星の人々のプロジェクトX的な...続きを読む