筒井康隆のレビュー一覧

  • 筒井康隆、自作を語る
    実はわたし、筒井康隆って『時をかける少女』しか読んだことがないのに、なぜか手に取って一気読み。面白かった〜。

    黎明期のSF話は、たぶん星新一や小松左京のほうからは読んだことがあるけど、筒井康隆視点だといっそうハチャメチャ。筒井が会社をやめて自分のオフィスを持ったとき、その向かいのビルにある会社に偶...続きを読む
  • おれの血は他人の血

    あぁ…面白かった、と。

    さすが筒井先生と言わざるを得ない。
  • 老人の美学(新潮新書)
    言葉を噛んでしまう。言い間違える。同じ事を二回言いがち。物覚えが悪い思い出せない。忘れ物はするなといってもする。この症状はすでに自覚しており、ああ家族や他人様の迷惑にならぬ様留意しよう。とは言えども現実は容赦無く私に試練をくだす。ままならぬ。そこで怒り出すと尚立場が危うくなる。はたから見れば八つ当た...続きを読む
  • にぎやかな未来

    SF短編を基調とした何でも短編

    筒井康隆は初めてだったが、短編集ということもあって、彼独特の世界観を存分に楽しめた。主人公がおかしいかと思えば実はおかしいのは世界だったり、おかしな世界観でありながら実はただの現実だったり、冗談かと思えば本気だったり。冒頭からの怒涛の掌返しに、思わず舌を巻いた。秀逸なSFの世界観にはため息をもらし、...続きを読む
  • 愛のひだりがわ(新潮文庫)
    ◯児童書としても進められる内容。構成としてはかなり王道のストーリー。
    ◯文章表現は一時代前のように感じるが、情景がスッと頭に描ける平易さや、一人称の語りによる演出とはいえ巧み。
    ◯しかし何故だろう、歳をとったせいか、こういった本で涙腺を刺激されるようになった。
  • 文学部唯野教授
    何度読んでも蜂巣川教授のくだりで大笑いしてしまう。滑稽でみっともなくて大真面目にどうしようもない人間たちが右往左往している、問答無用で面白い話。また、章末の講義や会話中の知的な言葉遊びが愉快。
  • 笑うな(新潮文庫)
    短編集。
    一番初めに収録されていたのが、表題の「笑うな」。これを読んだだけでこの本を書いた人間が天才なのだと分かるはずだ。誠実に今の時代にSFを書くとこうなる、というのを教えてもらった気分。
  • 銀齢の果て(新潮文庫)
    社会がああだこうだ施策を練る。それに盲目的に従っていいのだろうか。無視するだけじゃ社会不適応者だけど、反抗するのはいいじゃないか、その中に人権をうたう国民の権利が含まれている。声をあげよう。SNS上の揚げ足取りは半熟未熟!と蹴散らそう。快活な惨劇が社会の病理をえぐり出す傑作。
  • 未来のミライ 角川アニメ絵本
    えいがでいっかい見たけど、また見たくなったので本をかってよみました。くんちゃんというおとこの子と、ミライちゃんというおんなの子のあかちゃんがでてくるおはなしでした。ぜひよんでみてくださいね。
  • 笑うな(新潮文庫)
    同じような各編様々な趣向凝らした短編集として
    先に読んだ『冷蔵庫より愛をこめて』と比較してしまうと
    どちらが優れているか明確
    小説の評価軸というものを感じてしまう
    比べてはいけないかどうかはもどかしい
  • 文学部唯野教授
    学会学閥を題材にしたコメディと
    文学評論史に対する演説が噛み合わさった著者ならではの作品
    文学部に限らず文系学問に縁がないが
    いずれにせよ学問じたいが大変なものだとはたからみて思う
    そうでないものが大変でないということではないのだろうけれども
  • 虚航船団(新潮文庫)
    作者は後にイタチ科惑星の“ファウナ”に、「ラッコ忘れた」と言ってゐるが、例へラッコもふもふが21世紀初頭に辛うじてあったやうな状態でも別にいいと思ふ。
     メタフィクションとして、選挙カーががなる人の名前らしきものが出て来る他、ホチキスが放つ針をカタカナに見立て
     ココココココココココ
    といふ表現が出...続きを読む
  • 文学部唯野教授
    やはり筒井康隆は天才だなと思う。ややっこしい批評理論とその背景にある哲学を小説仕立てで騒乱の中でさらりと総覧させてくれる。もちろんこれは筒井康隆の読みであり理解であるにしても批評理論というものをよく描けているような気がする。読んで感じた一定の印象は今後、いい意味で役に立つと思う。
  • アホの壁(新潮新書)
    アホの冒頭から読みだすと頭に全く入ってこないことも
    後半から読みだすと頭に入って来るのかもしれませんよ。
  • エディプスの恋人(新潮文庫)
    ほとほと感心してしまった。同じ素材でテーマの異なる3題を作り上げる巧みさ、何より2作目と本作とのつながり方には驚いた。死んだはずの七瀬がしれっと登場するのはどうして? これ初出の時は驚愕だったろうなぁ。3部作と知っていてこれだけ驚かされたわけだから。
    それにしても神様が代替わりするっていうアイデアに...続きを読む
  • エディプスの恋人(新潮文庫)
    第二作と全く関係のない高校事務職員として七瀬が書き起こされた。超能力者抹殺集団の凶弾に倒れた印象が残る中、著者がこれから語ろうとする物語に気持ちがざわつく。エディプスに擬せられた少年・智広よりも、彼を守る宇宙意志というフレーズから、桂南光師匠の宇宙意志の会を思い出し、著者も関西出身だったなぁといらん...続きを読む
  • 馬の首風雲録
    10代の頃、一度読んだが、当時は面白いとは思わなかった。しかし再読は一気読み。
    おそらく戦争というものへの知識というか、イメージというか何かが不足していて、この本を消化できなかったものと思われる。
    馬頭星雲系に属する、顔が犬に似た人間の世界は、より文明が進んだ地球人類が関与した事も一因となり、全面戦...続きを読む
  • 笑うな(新潮文庫)
    再読。
    しかも、以前持っていて売られてしまい、探していたら古本屋で見つけた。
    やっぱり、表題作は何度読んでも笑える。
    小1の娘に読んであげたら、笑っていた。
    こういう本はすごい。
  • エディプスの恋人(新潮文庫)
    読み終えたのは半年も前の話になります。
    「エディプスの恋人」は七瀬シリーズの三巻にあたるので、一冊目から読むことをおすすめします。

    感想、なのですが

    とにかく僕にはどストライクでした。

    正直、小説読んでて動悸がしたの初めてです。心臓がバクバクなって手が震えました。誇張ではありません。
    ひとり部...続きを読む
  • 聖痕
    筒井氏の作品はできる限り読むようにしているが、近年の作品でも好きなのが本書。

    主人公はじめ家族に起こった出来事や、その当時実際に起こった出来事を述べる部分が多く、個別の場面の描写が密にされることはあまりない。
    筒井氏は、「省略」や「時間経過」についての技法にかねてから取り組んでいたが、本書はその一...続きを読む