【感想・ネタバレ】にぎやかな未来のレビュー

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SF短編を基調とした何でも短編

筒井康隆は初めてだったが、短編集ということもあって、彼独特の世界観を存分に楽しめた。主人公がおかしいかと思えば実はおかしいのは世界だったり、おかしな世界観でありながら実はただの現実だったり、冗談かと思えば本気だったり。冒頭からの怒涛の掌返しに、思わず舌を巻いた。秀逸なSFの世界観にはため息をもらし、ちょっとした皮肉や子供らしい可愛らしさもには頬を緩め、淡白な狂気に触れるとページを繰る手が止まる。それでいて、どの物語もオチは一貫してキレイ。十人十色の筒井康隆アンソロジーだった。

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2019年12月16日

Posted by ブクログ

超短編って入り込めるのかなと思ってたけど、数個読んだあたりから空気感に入っていけた。
今まであんまり短編は読まなかったけど、いろんなアイディアを膨らませるって意味では、このタイプのものも面白いのかも、と思えた本。

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2019年06月30日

Posted by ブクログ

筒井康隆のショート・ショート集。筒井康隆を読むならこの掌篇集から、の言葉通り非常に読みやすい。筒井康隆はアクが強いが、このショートショート集はそのアクの強さをアイディアの内に留めつつ、奇想天外なオチを置くことでよりショートしょーとらしさを際立たせている。ある種の様式美となった投げっぱなしオチも少ないため、とっつきやすい作品集だろう。SF色も強く、特にお気に入りなのは「ベルト・ウェーの女」で、ベルト・ウェーで見かける女性に恋した青年があの手この手で女性の正体を調べようとする話だが、徐々に明かされていく設定の一つが意外な角度でオチに繋がるという名作である。また断筆になった問題作「無人警察」も往年の管理社会への警鐘を鳴らしつつ、諦観を引きずる余韻もいい。表題作「にぎやかな未来」はディックの「CM地獄」を思い出す過剰広告社会という内容で、アイディアは同じながらも描いている社会像が違うため、その差異を楽しめる。またラストの「静寂」というオチは日本的で面白く、さらに周囲が騒がしい「にぎやかな未来」では永遠に手に入らないものとして象徴的に扱われている。一日でサクッと読めるショートショート集である。

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2019年05月28日

Posted by ブクログ

皮肉っぽいラストとショートの読みやすさがよかった
ものすごいショートでシンプルな到着とかはそれこそあーと思ったら終わってた

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2016年10月04日

Posted by ブクログ

表題の「にぎやかな未来」を含む、41篇にもなるショートショート集。
ショートショートなので、語れることは少ないですが、
書かれたのが、昭和47年ってことで10年後であればよかったのですが、
ってのも、10年でだいぶ変わるので、未来を描いている作品が
多い中で、2023年に読むと違和感を覚える、ちょっと古い考えの
未来と言うのを感じるかもしれません。
10年後の昭和57年ってのは、CDが生まれ、500円玉が発行され、
パソコンもちょこちょこ一般に出回り始め、ゲーム機もってな時代で
それまでの、タイプライターやレコードと言う時代とは違うので、
そこら辺のギャップが、筒井康隆先生には想像が及ばなかったのか、
知識として入ってきていなかったのか、ってなところがあります。

SFってのは、どうしても未来を描くことが多く、
そのなかで、現在を発展させることが多いと思うのですが、
著者にとっては想像しえない未来と言うこともあり得ますからね。
「疑似人間」と言う作品は知識があると一部違和感がありつつ、
人工臓器の進化というのが2023年に読んでも医学の発展として、
凄いものを感じたりします。

表題作の「にぎやかな未来」に関しては、近年の作品だと、
野崎まどのタイタンが近いのかもしれませんが、
技術が発達して、金持ちや有名人になりたいという欲がなければ、
働かなくても生活ができる世界を描いています。
働かない人が多い世界で、税収をどう得るかってのが
キーポイントで、そこで時代を感じる部分が出てくるのは否めませんが、
現代だと無料で観たければ・・・ってなところは似てますね。

解説の星新一先生曰く、狂気的な作品と語られてますが、
自分としてはユーモア作品として読みました。
時代の違いギャップってことなんでしょうか。

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2023年03月31日

Posted by ブクログ

筒井康隆の短編集。

ユミこちゃんという、耳の聞こえない女の子の話は謎だった。解釈がいく通りもありそう。

到着という作品はなんと5行しかない。星新一が誰が音を聞いたのかと言ったらしい。

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2021年10月11日

Posted by ブクログ

旧版初版は昭和47年というからワシの産まれる前。短編集ゆえに好みもそうでもないのもあるが、それをおいても書かれた年代を意識せずに読めるのがまずすごい。SF的なのも多いが、今に至るも普遍的なネタだな、と思う。短編の面白さと難しさを楽しめる。

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2016年07月14日

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