筒井康隆のレビュー一覧

  • 残像に口紅を
    筒井康隆さんにだから出来た小説だと思う。
    設定が入り込みやすくてページをめくる手が止まらなかった。
    英語ではできない作品だと思う。
    日本語の多様さが顕著に現れている作品。
  • モナドの領域(新潮文庫)
    それらしい事を言ってネタバレするのはイヤなので詳しくは書かない。
    とにかく面白かった。やはり筒井先生は最高だって事かな(笑)

  • モナドの領域(新潮文庫)
    いつどこで買ったか全く記憶にないけど、たぶん御書印もらうときにテキトーに買った本のひとつだろうな。

    筒井康隆作品を読むのはめちゃめちゃ久しぶりなので感覚を忘れていて、最初にバラバラ死体が出てきて、パン屋で発見された部位と同じ形のバゲットが流行るという謎めいた展開になり、さあ誰が犯人なんだろう…とド...続きを読む
  • 旅のラゴス(新潮文庫)
    ファンタジーの中にあるリアルさがすごく良かったです。
    人との別れは悲しいものだし、逆に出会いはかけがえのないもの。 旅の醍醐味がよく描かれていて面白かったです。
    また、ラゴスは途中で前時代の人間の文明を本によって知ることになり、それを現在の文明の遅れた世界にもたらそうと考えますが、新しい情報を出す...続きを読む
  • 旅のラゴス(新潮文庫)
    ラゴスという男の旅の物語。

    1980年代に連載された作品にも関わらず、とても読みやすく唯一無二の世界観。

    読む手が止まらなかった。

    登場キャラクターの特別な能力も物語にごく自然に取り入れられていてすっと読み込める。

    筒井康隆さんは『残像に口紅を』の作者でもあると知り、今作を含め好きな作家上位...続きを読む
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)
    20年以上ぶりで再読。『家族八景』とはまた違ったアクティブな作品。『家族八景』でも思ったけれど、文学的エロ表現が筒井康隆ならではという感じ。ラストは七瀬も思えば遠くまで来ちゃったなあと思ったかもしれない。このあとどう続ける?
  • 虚航船団(新潮文庫)
    摩訶不思議。滅茶苦茶やん。
    そう思って、はじめの方は読み進めた。
    さすが奇書と言われるだけある。
    小説界のラーメン二郎と誰かが書いていたが、言い得て妙。それくらい濃厚。

    心して読んで欲しい。
    単なる読書ではなく、筒井康隆への挑戦となる。

    執筆に6年をかけたらしく、終盤では他の創作の依頼は断ったら...続きを読む
  • 家族八景(新潮文庫)
    ほぼ10年ぶり三読目。気づけば10年に1回読んでいる。今さら言うまでもないことだけど、文章がうますぎる。変化をもたせた最小限の文の連なりで、正確に内容が伝わるように書かれている。{}を使った、同時複数の感情表現方法は、50年後の現在も見かけないような斬新な表現。内容的には、ヒヤヒヤはするものの、いず...続きを読む
  • 残像に口紅を
    こんなに音が失われているのに、第三部に入るまではしっかりと物語が綴られていて驚いた。正直正しい音で読めていたかわからない。わからない言葉も沢山あった。しかしこんなにも言葉の言い換え、代用は可能なのか。
    音が消えると思い出も消える。こんなに悲しく気高い実験だったとは。
  • 残像に口紅を
    『物語を超越した最早研究の一種のよう』

    まさに上記の通り
    読み進めるにつれその思いが強まる
    感嘆というかなんというか、圧巻

    また本の内容と題名がマッチしすぎている
  • 残像に口紅を
    日本語の素晴らしさを改めて感じることができる小説。
    少しずつ日本語の音が消えてく物語を描いているが、英語等の他の言語ではあり得ない、日本語ならではの表現。翻訳すら不可能。日本人にしか読むことのできない本。
    別に話の内容が面白いわけではないが、素晴らしいので是非一読して欲しい。
  • 笑うな(新潮文庫)
    筒井康隆のショートショート、大好きだ!

    ところどころで滑ってるものもあるけれど、そんなんはどんな芸人でも一緒だでね。
    なんていうかもう、「会いたい」では、胃の奥がぐるぐるするほど泣いた。すてきなことに定評のある筒井康隆の短編の中でも、ド級にすてき。この一編のためだけにもう一冊この文庫を買おうか迷っ...続きを読む
  • 家族八景(新潮文庫)

    筒井康隆の作品はナンセンス加減で割と個人的な評価が分かれてしまう。
    本作はとても面白い。
    今でこそテレパシーモノに新鮮みはないが、作者のブラックなアイデアと表題通りの面白い構造でページが進んだ。
    テレパシーを持つ人間から浮き彫りにされる人間の汚さ、誇張こそあれ真実味のある内容だった。
  • 笑うな(新潮文庫)
    筒井康隆の書くお話が好き!
    初めて彼の書く本を読んで、今ではすっかりコレクター。
    エロ、グロ、ホラー、とんちになんでもござれな一冊。
  • 家族八景(新潮文庫)
    テレパスを持つ少女がお手伝いとして、8つの家族を渡り歩く話。
    人間の生々しい感情、肉欲、恨み、嫉妬を主人公を通してべったりと張り付くような感情を体験できる良本。
    主人公も決して善人ではなく、主人公の行動によって次々と家族は崩壊していくが、悪人にも見えない不思議。
  • 家族八景(新潮文庫)
    表と裏の顔を他人に見透かされてたとしたら。
    ぞっとするシチュレーションである。

    登場する家族はそれぞれ問題を抱えているが、倫理に反すると建前では言ってしまえるが、ある程度想像に難くない範囲にあるとも言える。
    それぞれ個人的な秘密をして抱えるべきものが七瀬の視点によって白日のもとに晒されているだけで...続きを読む
  • モナドの領域(新潮文庫)
    哲学を学んでいないので、理解できない部分も多かったけど、それでも、こんな感じなのかな?と想像して読み進めるのが楽しかった。
    最初に登場する「女性の腕」について、「川端康成は好きじゃなさそうな腕、谷崎潤一郎が好きそうな腕」というくだりが妙に腑に落ちて、読む間ずっと私の頭の中に腕のイメージが存在していた...続きを読む
  • パプリカ
    SFとドタバタが境目なく融合した傑作。あらゆる二面性が境目なく交錯する。
    夢と現実の境目がなくなる世界が舞台。ヒロインはノーベル医学生理学賞候補の大人の女性であり夢探偵少女でもある。社外的地位の威厳の裏で個人的悩みに苦しんだオジサンたちとともに、夢か現実か分からないモノと戦う。
    映画インセプションを...続きを読む
  • 富豪刑事
    おびのりさんにお薦めをお願いしてもらった筒井康隆作品です。ありがとうございます!
    紹介していただいたのはずいぶん前で、ずいぶん前に購入していたので、積読本に埋もれて探せなくて読むのが遅くなりました。最近、積読本をちょっとだけ片づけたのです。


    キャデラックを乗り廻し、最高のハバナの葉巻をくゆらせた...続きを読む
  • 脱走と追跡のサンバ
    実験的な小説であるものの、最後まで読み通せるほどのおかしさや面白さに満ち溢れていて、今でも新鮮な、読み応えのある作品だった。
    「虚人たち」は小説という形式のなかでもがく話だが、今作は世界そのものから脱出しようとするわけで、筒井康隆ならではの世界把握があまりにも独特で、かつ的確。現代社会と適応しすぎた...続きを読む